水面
きらきら…きらきらと輝く…
朝陽を浴びて
清浄なる光を放つ。
真昼日を浴びて
生命の力強さを知らしめし。
夕陽を浴びて
別れの抱擁にも似た切なさを…
闇夜を映し
地にありながらも星を彩る。
『これこそが最高の宝だ…』
目を細め、まるで愛しむかのように両手を広げる。
一日中飽きることなく見ていたその少女の瞳にも水面が映る。
…きらきら…きらきら…と。
『これ以上の宝をお前は知っているか?』
その瞳を緩やかに向けて尋ねてくる。
しなやかな指先が誘うように差し出される。
まるで謎掛けをしているように…
…きらきら…きらきら…
『まだ、知らない。だからこれから見つけに行くんだ。』
差し出された指先に自らのそれをそっと添えて答える。
揺るぎない希望の光が心に燈るのがわかった。
少女はそれを見透かすかのように微笑み言う。
『共に行くぞ。』
ただ簡潔にそう述べた。
その言葉は覆す事はかなわずに一人で立ち寄った泉を離れる時には…
三つの人影を作っていた。
泉の少女とその影を旅の仲間と迎え入れ。
きらきら…きらきらと…
水面は穏やかに輝いて、門出を祝福しているかのように。