宝物



朝起きて,ごはんを作って…
私の愛する旦那様をおこして,
私の可愛い赤ちゃんにミルクをあげて…
どこにでもある幸せな家庭だと私は思う…

そう,とても幸せなのです…
私の愛した人は…
私とは違う種族の人でした…
そして生まれたのが…
2つの私の大切な命でした…

愛しくて…愛しくて…
祝福されないこの子達が,どうか強く生きてくれる事を願いつつ…
ふきすさぶ風が,砂を含みあの子達に打ちつけようとも
そこに留まるよりははるかにマシだと…そう信じ…
自ら庇護の元を抜け出すのを止めようともしなかった。

神様…イサスの神様…
その結果がこれなのでしょうか?

私の可愛い子供達…
1人は苦しみもがいたうえで私の胸に帰りました…
もう1人は自らの意思で旅立ちました…
たった数年の命を自分のものとする為に…

小さな命は私の腕の中で微笑んでいます。
たった1人…旅立ったあの子は今どうしているでしょう?

これからこの子の未来は芽吹いて行くでしょう…
今度こそ…ゆっくりと…この子の人生を選択できる事でしょう…
それはとてもとてもうれしい事…
この子にとってバスタードという人生は性急過ぎた…

これからあの子の未来は………
恐れを知らぬあの子は…
自らの選択を決して悔いる事はないでしょう…

親バカと罵られてもかまわない…
あの子の人生だといわれても仕方がない…


それでも…

私の可愛い赤ちゃん…

私より長生きしてほしかった…


…あの子は私の血を濃く受けているに違いない…
…私も昔…自分の種族を捨てて親を泣かせてしまったもの…

けれど,後悔なんてしてはいないから…
きっとあの子も後悔なんてしないのでしょう…
振り向きもせずただ前を向いて歩いているのでしょう…
だから私も,決してあの子のカップは用意しないのです…

私の可愛い子供達…
私の大切な宝物達…

どうか…幸せに…幸せになってね…
芽吹く命と消え去る命…

いつか…自分の半身の事を聞いてきたのなら…
その時は教えてあげるから…
必ず聞きに来なさいね?


朝ご飯を食べて…
私の愛する旦那様をお見送りして…
私の可愛い赤ちゃんと散歩にいって…
私は幸せです…幸せ…



…ポツリと雫が一粒…


end
わけのわからない話になってしまった…(またか・苦笑)
ホントはアルに生と死に関しての考えを持たせようとしたのに…
なに考えてるのかわからないわ〜!!
帰ろうよ!