どんなに美しい言葉を創っても…
本当の言葉には決して叶わない…
風にいたぶられる一輪の花…
キレギレに砕け散る一陣の風…
胸の痛み…傷つく事を望む心…
投げ出されたままの涙…
手折られた翼からシタタル雫…
両の手から零れ落ちる数多の欠片…
かき消された光,そらされた瞳…
愛しい花は踏みにじられ…
種子さえ残す事は叶わずに…
あてなくさまよう身体を弄び…
絡むその手を拒絶し千切る…
切られた糸は繋がる事はなく…
もはや進む事かなわず足は砕け…
そらされた瞳を突き刺し潰し…
凍れる微笑はやがては朽ち果て…
すべらかなる細腕は朱に染まり…
破られた言の葉は行く当てもなく…
落ちて来る…つぶてを避ける術なし…
崩れ落ちたシタイの果てに華もなく…
理に刃向かう愚者に救いの手は無し…
賢人として滅するか…道化として残るか…
微笑よりも甘い流れ落ちる朱の色…
ガラス壜に閉じ込められたニンフの様に…
笑みをこぼすは醜悪なるもの…
誘うシタイに惑わされ…蹂躙するモノ…
燃え盛る緋色につつまれ夢を見る…
つめたき骸に口付けを求め…
灼熱は…優雅に舞いを舞うがごとく…
慈しむ愛は時に嫌悪にも似た憎悪となり…
ニビ色の空は悲しくも虚無の空間…
砕かれた月の欠片で傷をつけ…
優しき光に抱かれて…冷たき夢を見る…
凍る心に突き刺す灼熱な現…
信じられぬと喉裂けるほどの慟哭を…
砕かれた牙は再び剥かれるという事を…
彼の賢者は知る由も無く…
艶然たる微笑にをたたえし口元で…