空から…    〜仲間の会話・2〜


いつか

空に
  
会いに行こう!!


舞い降りる桜の花びら。
ひらひら…ひらひら…

桜の花びらはね。命の証なの。
柔らかな心・・だからハートの形をしているのよ。
次へと繋ぐ生命だから・・散りゆく姿も美しいの。
散りゆく姿が悲しいと言う人もいるけれどそれでも桜を愛でてしまうでしょう?
それはやっぱりその生命力に憧れるからだと思うのよ。

そう言いながら微笑む彼女は桜色に染まっていた。

『桜の花びらが心なら生命ならそれが散ってしまったら命を繋ぐも
 何もないと思うのだけど…』

そんな思いが顔に出ていたのか彼女は少し拗ねたような表情を作る。
少し拗ねた顔は、それでもとても愛らしくて思わず微笑みが零れた。

「舞い降りた花びらは樹の養分になるのよ。また桜の樹の一部になるの!」

その笑みをどう受け取ったのか彼女は一生懸命喋り出す。

…バカにされたと思ったのか…

夢見るような考え方をする彼女がとても好きだと思う。
一生懸命喋る彼女が好きだと思う。
優しく甘く考える彼女こそが彼にとって生命の証。
「だからその想いも……」
“受け継がれるのよ…”
その言葉が終わらぬうちに打ち切られた。優しい抱擁によって…

何も言わずただ抱き締めるだけ。
言葉を封じるつもりは毛頭なく、ただ愛おしさからの行動…

「う〜何だかズルイ…」
何がズルイのかわからなかった。

「む〜負けた気分になるじゃない…」
勝ち負けの問題ではないけれど。


少しむくれて,そして微笑んで…
自分よりも広い背中に手をまわし,自分よりも広いその胸に身を預け…
そこから見える風景に目をやる。


触れ合う事が嬉しかった。
目を合わせる事が嬉しかった。
言葉をかわせる事が幸せだった。



舞い降りる桜の花びら…
小さな桜色のハート…その心…想い…
ひらひら…ひらひら…

                                   fin
                    2003/05/21   BY:コロカ


アップしたのは6月19日。
実際書き上げたのは5月………この時間差はいかに?!(笑)






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