こんな練習法は?

 練習しようと思えばいくらでも時間がとれた学生時代に比べて仕事をもつようになると,練習時間というものはなかなかとりにくいものです。いきおい,所属するバンドの練習日にだけ楽器を出して練習…などということはよくある話でしょう。
 かくいう私も就職以来,日常の練習時間はめっきり減りました。仕事が学校勤務ということもあり,生徒の練習に入り込んで楽器を吹くということができない わけではありませんが,それとて知れたものです。家庭で練習ができればとは思いますが,これは何より音も問題があります。サイレントブラスという便利なも のがあり,管理人もこれを所有していますが,実際のところ,現在はほとんど使っていません。準備が結構めんどくさいというのもありますし。私は基本的にずっと吹いていないと極端に調子が悪くなりますし,口の周囲の筋肉も落ちます ので,何らかの形でせめて週に1〜2回は吹きたいと思っていました。
 そこでこのページでは,私が考えた簡単な練習法(?)をご紹介します。ただし,この方法は危険を伴うというものでもありますので,やってみようという方はくれぐれもご注意ください。管理人はその責を負えません。

(1)いつ練習するのか?
 まず日常の生活サイクルを考えたとき,他にすることがなくて,楽器の練習に充てるのに支障がない時間はどこかと考えると,実はそれは通勤にかかる時間帯 だったのです。始めた当時は片道約40分程度の道のりでしたが,この,往復でゆうに1時間以上になる時間を使うことに気がついたのです。

(2)どうやって練習するのか?(その1)
 走行する車中で運転しながらトランペットを吹くなどということは不可能でしょう。しかし,マウスピースだけなら場合によっては可能です。そこで私は右手 でマウスピースを持ち,水を受けるためにハンカチでスロートの先を軽くおおって吹くということを思いつきました。当然左手はステアリングを握っています。

(3)どうやって練習するのか?(その2)
 マウスピースを使うにしてもただブーブーと吹くだけではおもしろくありません。どうせやるなら楽しくやらないと長続きしません。そこで私の場合は, ニューサウンズインブラスの中から気に入った曲を選んでカセットテープ(当時)やMDなどに録音してそれをカーステレオで鳴らしたものに合わせて吹くこと にしました。いわばマウスピースでやるカラオケのようなものです。
 それから,言うまでもなくこの練習法は車の中だけでしかできないのではなく,どこでもできます。わりと音量は小さいと思いますので,家庭の居間でも風呂 場でもできるでしょう。350ml位のペットボトルを使えば響きは悪いですが音量はもっと抑えられます。工夫次第で練習のスタイルはいろいろ応用できると 思います。

(4)現在は…
 現在のやり方は少し変わっています。まず,マウスピースの件ですが,ハンカチでおおうやり方はほとんどしません。現在は空き缶を使っています。飲み終 わった空き缶(缶コーヒーのような小振りのものがよい)にマウスピースを差し込んで右手の人差し指と親指でマウスピースを,残りの指で缶をホールドするよ うにしています(写真参照)。こうすれば,ドリンクホルダーにそのまま置けますし,何よりマウスピースの差し込み具合を調節することで吹奏感,音量,音色 などが調節しやすくなります。ハンカチでは音はかなりこもりますし,息の抜けも悪く感じます。空き缶を使うと,これが一つの楽器のようになってまずまずの 練習になります。
缶のプルタブは立てた状態が良い!
 缶の種類としては写真のようなアルミorスチールのコーヒー缶くらいがよいです。大きめのアルミのショットボトルも試しましたがこれは音の抜けが良すぎて耳が痛いです。アルミとスチールでは響きがずいぶん違いますので,これは好み次第でしょう。ストレートミュートをアルミか銅かで使い分けるのと同じような感覚です。
 それから,バックに流す音楽が変わりました。これまではニューサウンズがほとんどでしたが現在は懐かしの「特撮ヒーロー」や「ロボットアニメ」の主題歌 などを使っています。私と同じくらいの30代から40代くらいの方の多くは,「仮面ライダー」や「ウルトラマン」「マジンガーZ」などの主題歌が耳に残っていると思います。これらの曲のバックにはかっこいいブラスサウンドが満載です。しかもちょっとやそっとでは吹けないようなハイトーンもごろごろ出てきます。でもマウスピースだけを使うと何となくハイトーンが出てしまう(ような気がする)し,ピストンを押す必要がないのでどんな難しいパッセージもらくらく吹けます。そして,何より気合いが入ります(笑)!熱くならずにはいられません!!→管理人のお薦め曲一覧(整理中)
缶とマウスピースの持ち方

(5)問題点
 いうまでもなく,車の運転が片手運転になることです。ほとんど左手(人によっては右手?)一本の運転になりますので,比較的渋滞の少ない道を走る人なら ともかく,市街地中心でストップアンドゴーを繰り返したり,交差点をよく曲がる人には大変危険なやり方です。また,オートマチック車ならいいですが,マニュアル車の場合はさらに要注意です。言うまでもないことですが。
 それから,運転に対する集中力は確実に落ちると思われます。バックに流れる曲に熱くなればなるほどそうなるでしょう(笑)。これについては携帯電話・ナビの使用や喫煙なども同様かも知れませんが。

 管理人はこの練習を毎日はしていません。だいたい週に1〜2回です。これにバンドの練習に 行くことを加えると何とか調子は維持できるかなという程度です。何しろ吹いている曲が曲ですので,すぐにバテますから筋肉を鍛える(維持する)にはちょう どよいです。でも安全が最重要ですから,吹くことよりも運転することに意識をもっていくようにはしています。缶コーヒーを飲むくらいのつもりで吹いていま す。

 以上,私のやり方を紹介しましたが,最初にも挙げたように一定の危険を伴いますので,やってみようかと考えられる方はくれぐれもご注意ください。こちらでは責任を負えません。

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