■CSI:シリーズと危惧 (11/30)

放映当時から懸念していた事ではありますが、このシリーズが犯罪のレベルアップに多いに貢献してしまっている事が指摘されてましたね。好きな作品が悪用されるのを見るのはやはり悲しい事です…。


■モノクルとシルクハット (11/21)

先日、豊川悦司さんがフランスに行ってアルセーヌ・ルパンの作者ルブラン氏について調べるというのがテレビでやってました。当時の価値観、目指す場所とのギャップ、尊敬する人たちに対する負い目などから、ルブラン氏自身がルパンを否定し続けてきたという事実に、ルパンファンである豊川さんは大層ショックをお受けのようでした。自分自身に納得付けるまで、相当葛藤も渦巻いたのではないでしょうか。
それにしてもシャーロック・ホームズファンから見て、ルブラン氏とドイル氏の共通点が幾つかあった事に驚きました。例えばドイル氏もホームズは金のために仕方なく書き続けたもので、熱狂的なファンの思いとは裏腹に疎ましく思って殺しちゃったけど、結局復活させずにはいられなくなってしまった件とか。ルブラン氏の性格にも少し意外なものを感じました。というのも、ホームズ対ルパンでドイル氏を怒らせたくらいだから、かなり皮肉っぽくて社交的な人なのかなと勝手に思ってたので。それどころか籠もりがちだったとは…。もし彼が現代の作家ならば、また人の作品見て『これくらい俺にでも書ける』というくらい傲慢な性格であったならば、あれほど苦しまずに済んだでしょうにと思ってしまいました。



■三番館シリーズ2 (10/9)

未だ三冊しか読めていない状況ですが。
実言うと、何度読んでも例の探偵は好きになれません。でも嫌いでもありません。なぜなら彼は良しにつけ悪しきにつけ自分というものをよく知っているからです。時折見せるやせ我慢や愛嬌にクスッとする事もあります。それにしても壊れたダンプを巨大な靴で踏み潰したような彼の顔って一体…♭
なんだかんだ言ってもバーテンには癒されますね。彼に関する観察を読んでいると、かなり以前九州の某ホテルに泊まった時にいらっしゃったあるバーテンさんを思い出します。
そのバーテンさんは戦後から老境となるまでもずっとその仕事をされてる方だそうで、持って生まれた性格もあるのでしょうが職で洗練されたとでもいうのでしょう。穏やかで必要以上に存在をアピールせず、客が日常から切り離された店という空間で心底からゆったりと落ち着いて酒と会話と眼下の夜景を楽しめるように繊細に演出する、そんな事がさりげなくできる方でした。寡黙でもなくでしゃばりでもなく、話される事も会話の選択にそつが無くて間の取り方も絶妙。陽気に楽しく話し掛けるバーテンさんも悪くないですが、私にはこちらの方の方がしっくり来て、今でもそれ以上の方を知りません(今はどうされてるやら…)。そして三番館シリーズを読むたびにその方を思い出すのです。
あ、ところで私はデカ長のしるこを食べるシーンも密かに気に入ってます。店の名前もひっくるめて、探偵と待ち合わせする図は毎度おかしくてたまりません。私なら二杯までお付き合いできますよ。



■ポプラポケット文庫 (10/9)

…の宣伝が新聞に載ってたんですが。金田一のジュブナイルの表紙を見てイラストがかっこいい♪なんて思ってしまいました。大人版(?)はどちらかというとかわいい印象を受けるんですけどね。
でミステリー関係のタイトルを見てみました。「名探偵金田一耕助@仮面城」「名探偵神津恭介@悪魔の口笛」「名探偵ホームズ@赤毛連盟」「ABC殺人事件」…って、オイ!“名探偵ポアロ”は無視かい!♭
ポアロというとちょっと気になったのは、イラストレーターさんだったりします。果たしてどなたが描かれるのかな♪



■CSI:マイアミ3 (10/6)

先に書いておきますが、ネタバレ話ですよ〜。
…で、えーと例の回見ました。スピさん、即死です。いや、それは知ってたんですよ。その原因も。役者さんがCSIの撮影から離れる理由をある方から伺っていたので、今回見てものすごく思いました。「…別にただ銃撃戦で亡くなった…ってだけでいいじゃない♭」と。なんでまた同じ過ちを犯す設定にしなきゃならないのか正直分かりません。というより、役者の番組に対するもしくは役者に対するスタッフの痛烈な皮肉と言うか純然たる悪意と言うか、そんなもんをおぼろげに感じたのでございますよ……(誤解だとしても、スピとファンは確実に痛めつけられてます)。
あ、それから。この回はWOWOWが拡張して今回の関連部分として前回のを紹介してたんですが、はっきり言ってこの部分は無用でした。というよむしろり無い方がずっと良かったです。必要な事は作中で語られてましたし、この企画は(私の周りの)ファンを怒らせただけのようです。



■火村シリーズ♪2 (10/4)

有栖川有栖さんの火村シリーズ、ちまちまと少しずつ集めていたんですが、最新刊でリストを確認すると一応本だけは揃ったようです。なので幾つかまた見直してる所なんですけど、先日唯一サインを戴いていた「朱色の研究」を読んでいて「そういえばオフィシャルでマンガ出てたよね」と思い出しまして、多分マンガ家さんはボトムアリスの方なんだろうなとか思いつつも、文字をどのように表現なさってるのか気になったので、とうとう買ってみる気になりました。まさか二冊あるとは思いませんでしたが♭私的アリスが作者ご本人なので違和感はある(…というより一般的にしろ同人的にしろ世間的にはこちらのタイプがむしろイメージらしい)のですが、楽しむにはこんなかわいいアリスもありかなって思いました。
ところで「朱色の研究」は文庫本になってから書き直されてるのでしょうか。「46番目の密室」(私の持ってるのは第1刷)にあった矛盾点に関して言えば、最近本屋で見た第22刷では疑問点が直されてましたし(…あれ、版でなく刷なんですか?)。もし他の話も加筆修正されているようなら、どこがそうなってるのかぜひとも知りたいですね。
ところでいつか火村の生い立ちなどは明かされる事があるんでしょうか。知りたいような知りたくないような…。絶妙な距離にある微妙な謎というのは長く気を惹き付けられますから。もちろん最終的にはどんな形で出るとしても知りたいとは思っていますが。



■CSI:マイアミ (9/27)

VHS&DVDが出ましたね。特典が気になるのですが、とりあえずパンフだけ貰ってきました♪
10月にはWOWOWでシーズン3が始まります。で、チラッと映像が流れたんですが、よりにもよってなんであのシーンを流すかなと怒り通り越して呆れ返ってしまいました…♭(第一話のショッキングな事件の一場面です)
ネタばれやクライマックスのギリギリラインを見誤った編集や標記に脱力したのって、これで一体何度目だろうなんて、少し遠い目をしてみたり…。



■ジェレミー・コーク・シリーズ (8/26)

古本屋で買った「クリスマス12のミステリー」の中に収録されたS・S・ラファティ作「仮面舞踏会」。おもしろかったのでネットで探したら、もうびっくりするほど情報が無いですよ。コークたちの名で調べたら競馬関係ばかり出てくるし…。彼のシリーズ、他に翻訳出てるんでしょうか。英語サイトではまだ情報あったんですが、読めなきゃ意味ないし。コークの従者?でコークの探偵ぶりを記録しているオークス、自分が貧乏したくないから主人にはちゃんと働いてもらわなくてはと思ってる当たりがちゃっかりしてておかしいし、彼の決意はある時のヘイスティングス(エルキュール・ポワロ・シリーズ)を彷彿とさせてけっこう笑えます。


■CSIシリーズ (6/29)

ベガスは地上波でも流れてるしビデオレンタルもあるため、日本ではマイアミよりも圧倒的にファンが多いと思います。ところで私もグリッソムやキャサリンが好きなんで見てるんですが、なぜかいつも鋭利な刃の上を裸足で歩いているような気分になってしまいます。その点マイアミは安心して見られるんですよね。マイアミはDVDも出ることになったようですし、テレビでもニューヨークを放映するそうなので、本当に楽しみです♪


■ホレイショ・ケインの離婚 (6/29)

もしホレイショが実在する人物だったら、むしろまったく興味を持たない下世話な話題なんですが。
ホレイショが自分より弱い(と感じる)存在は何をもっても守らなくてはならないという執着(強迫観念)に駆られてるとしたら、そして別れた奥さんがイエリーナのような思いがあって対等でありたいと願っていたなら、いつか埋められない溝ができてしまったのかなと。もしくはあまりに彼女が依存していて、彼が仕事にかまけ過ぎて寂しいと感じていたとか。ホレイショが極端なワーカーホリックとは正直見えないので考えにくい話ですが、映像に出てるものは本当のCSIの活動をかなり短縮してるものだろうから、無いとは断定はできませんけども。なんにしても彼の結婚生活がどんなものだったのかS2までには出なかったと思うので、設定等知る術も無くまた単純な見方しかできない私には分かりようもない事です。



■ミステリー川柳(6/29)

『名探偵 よけいな調査で 人が死に』
※これは某探偵ドラマを見て率直に感じた事を書いたまでで、真偽や正邪や方法論などを考慮したものではありません。



■ミステリーファンの一形態 (5/28)

探偵モノでは私はキャラ萌えするタイプです。あまり頭が働かない上に面倒臭がりなので、トリック暴きに情熱は燃やせず、またストーリー萌えにもなりにくいです。というのも、キャラの人生や行き違いの哀しさや世間の何ともしがたい状況等々に憂えちゃってどんより落ち込むからなんですが。
先日キャラで転んだウェクスフォードのシリーズを数冊古本屋でゲットできたので読んだのですが、心身共に下降してる時期なのについつい読んじゃったので、必要以上に落ち込んじゃいました♭塞いでる時に探偵モノは読んじゃいかんですな、せっかくの探偵や刑事の活躍がまったく楽しめなくなってしまう(苦笑)。元気な時にぜひともこの損失を埋め合わせしなくては、です。



■三番館シリーズ1 (5/28)

やっと一冊だけ読めました。知恵袋のバーテンさんの容姿描写を見て、なぜかウガンダさんを思い浮かべてしまいましたが。意外に主役の探偵さんは頑張ってますね。もうちょっと安易に知恵を借りに行くのかと思ったけど、とことんまで頑張ってる。どうしても価値観の違いで引っ掛かる部分もありますが、この作品は、少なくとも私にとってじっくりと自分の中で熟成させるタイプのものだと思いました。また時間を取って続きを読んでみたいです。


■海外ミステリーアンソロジー (4/20)

古本屋に入ると、私が必ずチェックするものの一つにこの海外ミステリーのアンソロジーがあります。特にアシモフ氏やクイーン氏の編集で。狙いは言うまでも無くレックス・スタウト氏で、しかも未読のネロ・ウルフシリーズが入っていれば迷わず買っています。先日も「16品の殺人メニュー」という本を見つけ、買ってきました。アンソロジーというのはジャンルやテーマというものがありますが、探偵小説ファンといえどもし好みがあまりに狭く限定されていたり心の余裕が無かったりすると馴染めなかったり読まなかったりしてしまうので、なんかすごくもったいないって気がします。今回はわりかしニュートラルな状態で読めたのですが、それでも残念ながら波長が合わなかったものも幾つかありました。が、その反面新たな発見もまたありました。それはルース・レンデル氏のウェクスフォード警部シリーズ。彼女の作品は初めて見たのですが、一発で気に入っちゃいまして。ここまですんなり懐に入ってこられるとなんかとても嬉しいです。実は黒後家蜘蛛の会とかネロ・ウルフ物は私にとってはとっつきづらいタイプの作品なんです。ですがそれ以上に執着させる何かがあって、もうこれは麻薬か?とかつい苦笑してしまうのですが。その点レンデル氏のは自分の中につっかかる部分が何も無かったので、こちらはまた別の意味で堪能させていただきました。
ところで黒後家の事を出しましたが、この本の中にも黒後家の話が一編入ってます。最初は同じ話かとちょっとがっかりしましたが、よくよく考えたら黒後家の訳は池氏のしか知らないので、急に興味が湧いて読んでみました。訳される方が違うと、こうも印象が違ってくるのかと、改めて実感してとても面白かったです。もし訳された東氏がまったく池氏の訳を知らなかったとしたら、内容はやっぱり少し変わっていたのかなぁなんて事もふと思ってしまいました。



■火村シリーズ♪1 (3/27)

やっと出ました♪今回は「モロッコ水晶の謎」。読んだ後は何ともやるせないものが残ると分かっていても、読まないではいられません。でも推理合戦は純粋に面白かったです。
本格推理とか、推理物にも色々あるようですが、私はそっちに拘り無いし実際分からないので、ちゃんとした感想なんて一行も書けません。作者の方からしたらあまり良いファンではないかもしれませんね(苦笑)。
後書きは、これは皮肉なんだろうか…?それとも自嘲?♭(字義どおり素直に受け取れ?)と思うのもあっておかしかったです。
ところで私的に読みやすいと思うのはやっぱりこのサイズの本(新書判)か、文庫判です。堅表紙もいいんですけど、重いし場所取るし値段張るから気楽に読むってわけにはいかないので。という事で、モロッコ〜もそんな外部的な事に気を散らさずに楽しめました。



■ネロ・ウルフ2 (3/3)

どんな作品でもそうでしょうけど、シリーズ物は読みきり連載でも一応は順当に読んだ方がいいと思います。ネロ・ウルフ物もそう。ただ残念な事に、過日にも書いたようにこのシリーズは未訳も多く、翻訳されていても絶版だったりしますので、原書を入手できずしかも日本語しか読めない者には実現は難しいという状態です。私も持ってるのはほんの数冊で、一番初めに書かれた「毒蛇」は入手できておりません。さいわいこのシリーズは一冊ずつ事件が違うためどこから読んでも酷い支障は無さそうです。
しかし「ネロ・ウルフ最後の事件」だけはできれば最後に読んだ方がいいと、先に読んでしまって後悔しました。というのもチラッと引っかかるという程度ですが、せっかく世界に入り込んでても、ここに書かれている経過の知識がそれ以前の事件話を読む段で思考の流れを邪魔してしまう事が時にあるからです。
最後の事件という邦題になっていますが、原題は「A FAMILY AFFAIR」で最後の事件とは書かれていません。原作者の遺作となってしまったため最後の事件と書かれたのでしょうけど、そして引退にふさわしい内容だったのも頷けますけど、もし作者に更に書く心積もりがあったのであればこの邦題は語弊があるとも言えますが、実際のところはどうなんでしょうね。
ちなみに「ネロ・ウルフの殺人交響曲」というパスティーシュを無事古本屋で購入する事ができたおかげで、私は「最後の事件」の展開に感じた寂しさを払拭する事ができました。



■黒後家蜘蛛の会2 (2/12)

前にも「何年も前に出るという話だったのに『黒後家蜘蛛の会6』がまだ出ない」とボヤきました。版権や著作権で問題があるのか本にするには執筆量が満たないからなのか翻訳者の都合が付かないのかと色々考えたのですが、アメリカでは2003年の秋に「The Return of the Black Widowers」が出版されてたらしいです。それが6巻に当たる本なんでしょうか。そしてそれが最終巻なのでしょうか。情報を見る限り、いつもの半分の量しか無いようです。
実を言いますと、5巻の最終話は私にとってとても後味の悪いものでした。たとえフィクションといえど、あの母親たちが実際には何をしてるのかを冷静に見たら薄ら寒くて気分悪かったんですよ。私だったらこんな利用の仕方はしませんし、むしろ道義的な理由と愛情の側面からも絶対にさせません。だから口直ししたくて早く6巻が出ないかなと思っていたのですが、よくよく考えたら6巻に入るだろう話の中には、ヘンリーに恋してる人間(笑)にはちょっとばかり辛いものもあったりする事に気が付きました。この話は私はある方の大変なご好意で読むことができました。本当に感謝しております。
ところで前々から気になってたのが、ある事になってもという条件下ででしたが決してこの会を去らないと明言していたヘンリーが、結局最後には去ってしまうらしいという噂。それが本当ならどんな経緯でそんな事になってしまったんでしょう。あの世界はたとえアシモフ氏が亡くなられても永遠に続くものと思ってたので、そこのトコも気になる部分です。氏は命有る限り書き続けると言われてましたが、黒後家の会の最後の時というものも別に用意されていたのでしょうか。憶測ばかりしても意味が無いので、原文を読む余裕も無い者としてはただただ池氏の翻訳が待たれるところです。
そういえば「黒後家蜘蛛の会」は1981年頃にNHKでラジオドラマをやったらしいですが、ご存じの方いらっしゃいますか?脚色は小松幹生氏だそうで、CVはある方のデータによると、ヘンリーは久米明氏、アヴァロンは納谷悟郎氏、トランブルは中村正氏、ルービンは小林修氏、ドレイクは大塚周夫氏、ゴンザロは野沢那智氏、ホルステッドは金内吉夫氏だったそうです。可能ならば、ぜひとも聞いたみたいです。



■金田一以外 (2/3)

横溝氏の作品で金田一以外というのは滅多に読むことは無いのですが、先日JET氏のマンガで興味を掘り起こされて「真珠郎」を読み、更に探偵の出てこない「孔雀屏風」を読みました。前者は昔テレビで金田一モノとして見ただけだったので、由利氏ってこんな人だったんだと興味を引かれました。また後者の話ですが、実は結構気に入ってしまいました。自分の中にもまだ乙女な部分が残ってたのかもしれません(笑)。この二人はその後結ばれたのかと気になりますが、そこまでは書いてませんでした。思わず二人が添い遂げたイラストを描いてみたいなぁと思いましたが、資料や写真無くして描くのは苦手なため、妄想で終わってます。
ところでこの二人の事を考えていたら、ふとあることわざを思い出しました。それは『男の目には糸を貼れ、女の目には鈴を貼れ』。これを地で行くような二人だったのではないかと思ってます。