■金田一耕助 (1/5)

一族の血が関わる話を、本物の血族の役者さん達にやって貰いたい、歌舞伎や狂言などの方々だと縁者も多くて良いのではないか。そんな事を言ってたら、今回の映画「犬神家の一族」の某親子の配役はまさにそのようになってました。血筋の者は全員でやってもらえたらもっと楽しかったんですが、さすがに複雑過ぎですか。
市川監督の金田一モノで何が気に入ってるといって、金田一を天使扱いされている点です。だからもう無くなってはいますが、かつて土曜ワイドで金田一テイストのが作られた時に背後で羽が舞っているのを見てたまらない気持ちになったのです。最後の弁護士の言葉にもニヤリとした理由です。
あと、臆面も無く年代のサバを読んでしまうこと。つまり、何十年も過去の回顧場面を出す際若い役者さんを出せばいいのに、無理やり現時点の役者さんを出すという点。今度も絶対にあると信じてたので、出た時には内心小躍りです。スケキヨみたいなマスクを付けてるのがまた含みあっていいですね。もっとも舞台でならお約束として見逃されるだろうものも、映画となれば不自然極まりないわけですが。
ところで今回の映画化で少なからず金田一本が出てたようですが、今回私的なヒットは石坂浩二さんの『金田一です。』。中でも走りに関する記述はなるほどと思った所です。というのも、その本が出てる事を知らない時に映画を見たのですが、金田一の走りを見て「さすがにお年を召されたという事なのかな」とつい失礼な事考えてしまうほど、空回りな走りだったからです。もっと深い意味があったのですねぇ。
やっぱり金田一モノはおもしろいです。今回のは以前に一度撮られたものだから、見比べるのがとても楽しかったです。特にラストシーンは感慨深いものがありましたよ。