ヘアショー出演記念企画
8月中旬某日 日本弱酸性美容協会 本部より手紙が着く・・・<ミニヘアショー出演以来!>
(やっと連絡がきたか。)
9月4日本番だから8月に入って連絡が無かったからもうないのかと思っていた矢先の事だった
“まとめ髪をベースに思い切り遊んだ、アート的なスタイルの展示はいかがでしょうか。”
参考の写真をみながら、ため息が出た
(もう2週間とちょっとしかない・・・)
その夜 チームリーダーのwadakunに電話してみた
「連絡行ったでしょ。 ヘアショーどうする?」
「*月例会にちょっと毛が生えた位の気持ちで、ちゃっちゃとやってよ!っていわれたよ」
「まあ持ち時間20分だからあんまりこったヘアスタイルもできないよなぁ」
「心配ないよ。店長を助手に付けてくれるらしいから任せとけばいいんだよ!」
「うん、でもなぁ〜せっかく出るしなぁ」
「また詳しい事決まったら、連絡するよ!」
「そうだね、じゃあその時また打ち合わせしよう!」
この時点では助手についてくれる店長達に連絡は行ってなかった・・・・
*月例会 山崎伊久江美容研究会が月に一度行っている美容講習会 入社中はよく出ていた
テーマの提案にはこうも書いてあった
デコラティブ(造形的)?でアバンギャルド(前衛的)?・・・光り輝くヘアスタイル?
なんじゃいこりゃ〜
・・・つまりインパクトがあって派手に作れって事だよなぁ と思いながら1週間が経って行った
8月22日(水) 再度wadakunに電話してみた
(1週間後) 「どう?何か決まった?」
「それがたいへんなんだよ〜、 店長達がゴネちゃってさぁ〜、 係りの仕事があるから助手なんて
出来ないって言ってるらしいんだよ〜」
「え〜そうなの そりゃ〜店長達だって嫌がるの無理ないよなぁ〜 僕だっていやだもんなぁ」
「で、どう、どういうヘアスタイルにする?」
「時間的にみても、ベースは作っといて、舞台では付け毛や飾り付けるくらいしか出来ないよなぁ」
「まあそうだろうね」
「どのくらいの時間配分でやる? ヘアスタイルに掛ける時間は?7分・・・10分?」
「それはまだ決まってないんだ」
「詳しく決まったらまた連絡するよ」
さぁ ヘアスタイルまじめにもう決めないとなぁ・・・・おぼろげながらヘアスタイルの構想は浮かんでいた
その後、本部での打ち合わせで、各店長の係免除、全面協力が決まった
8月24日(金) 助手担当のkase店長に電話した
もう帰ってた!
8月25日(土) 仕事中kase店長から電話がかかる
「昨日はすいません。 ショーの打ち合わせをしてたんです。助手宜しくお願いします。」
「こちらこそ」
「morishigeさん、どうします、ヘアスタイル?なにかこちらで用意する物あります?」
「いや、まだ頭の中だから決まったら連絡するけど、とりあえずのイメージとしてはジェルで毛束を
固めて土台に挿していこうとは思っているんだけどね。」
「こちらでも作っておいた方がいいですか?」
「そうだね、自分で作った方がイメージには合わせやすいけど、運んでいく途中で壊れる可能性も
あるから保険の意味でも作っておいてくれるとありがたいな」
「わかりました。 葉っぱのように作っておけばいいんですよね。」
「まあそんな感じだと思う。 適当にたのむわ!」
この時点でヘアスタイルの構想は出来上がりつつあったが、まだモデル・衣装の写真が届いていないので、
はっきりとイメージを絞りきれていない 状態であせって来ていた
8月26日(日) 本部に問い合わせてみる
「衣装の件なんですけど? どういう衣装かだけでも知りたいんですけど」
「ちょうどよかった、今日決まったのよ。 真紅のウエディングドレスよ。」
「ありがとうございます。それがわかれば十分です。」
衣装がはっきり決まれば、ヘアスタイルは合わせる事が出来る
ヘアスタイルのイメージも9割がた決まった
後は作るだけ!
8月27日(月) 飾りの材料を探していろいろ見てまわる。
某ショップにてイメージに合ってるだろうと思われる品々を購入
昼過ぎ、買出しから店に戻ると母が待っていた。
練習の前に母親の毛染め&カットをした・・・・(まっこれも親孝行)
母にはショーに出るなど言っていないので、気軽に頼んでくる(子のあせり母知らず!)
それでも夕方には第一弾としての飾り制作終了。
8月28日(火) 仕事が引けて練習してみる
1発目「なにこれ! すっごいバランス悪い! だめだこの飾りの作り方じゃ!」
ということで、飾り全部作りなおしになった
8月29日(水) ショーのモデル&衣装の写真が着く。
髪の長さも衣装もほぼイメージに近い ヘアスタイルとのマッチはよさそう
昨日作りなおした飾りで練習。
「う〜ん なんか変 土台がスカスカだなぁこれじゃ〜見せられない」
昨日以上に落ち込む。 冷や汗が出てきた。
多分、飾りの量が足りないんだ。 今まで作った倍の飾りを新たに作った。
夜kase店長より電話
「どうですか?」
「8割がたは出来つつあるけど、もう少しかな、まだ煮詰め方が甘いけど」
「僕の方は準備することないですか?」
「本番ではベースをつくって貰わないと時間的に間に合わないと思うから
そのベースの作り方は明日にでもファックスでも送るよ」
「わかりました それ見て練習しておけばいいんですね」
8月30日(木) 昼間、手が空いたので練習してみた。
3回目ぐらいでなんとなく形が見えてきた。
(まぁいい感じかもしれない この線でいこう)
ここでイメージとしては完成、あとはどれだけバランスよく仕上げていけるか。
写真を本部へメールで送り、とりあえずこんな感じでヘアスタイルを作りますと報告
返ってきた返事「随分、平凡ねぇ」
“かるくショックを受けるが、まだまだ作り始めなので、ダメージはなかった”
夜は小郡でPM7:00〜10:00まで、ワインディングコンテストの勉強会
8月31日(金) 練習しつつ、悩みながら、試行錯誤を繰り返していく。
(なんかしっくりこないよなぁ)
「このままでは正面はいいけど横とか後ろから見られたら、変だよなぁ」
「土台が丸見えだもんなぁ」
この土台の形をなんとかしないと。 これにバランスの全てが掛かってる。
飾りを挿す土台を色々変えて練習していくうちにベストな形を発見!
「そうか! こんなにちっちゃくってよかったんだ!」
作っていく上での悩みは全て解消!
帰宅してビールを飲みながら、kase店長にベースの作り方を書いたイラストを作成。
9月1日(土) 昼間にベースの作り方をファックスでkase店長に送る
夕方確認した
「それで解る?」
「ええ大丈夫です これを練習しとけばいいんですよね」
「そうそう 別に難しくはないと思うから頼むよ」
「ヘアスタイルの方もほぼ完成の域にきたと思う、後は当日打ち合わせしよう」
仕事が引けて、練習で時間を計ってみる
とりあえず5分でやってみよう
「・・・・・・・だめだ!時間は入っても、バランスを見る時間がない」
「7分でぎりぎりだなぁ10分あればなんとかいけそうかな」
何度かの練習で目星がついてきた
9月2日(日) スタッフの頭で実践練習をしてみる
10分はかかるけど、なんとかバランスは良さそう
ちょっと自信回復
明日は朝一の飛行機なので、荷造りを完了させ、弟のとこへ飲みに行く
「火曜日にショーするヘアスタイルだけど、どう思う?」
「へぇすごいね!かっこいいと思うよ!」
弟の子供(小学6年)にも見せる
「これ見てどう思う」
「変!(即答)」
・・・・・ダメージは受けない!
9月3日(月) 東京に着く
前日 支部長はじめ、周りの人にショーの話が出るたびに写真を見せては
「明日のショー、これ作るんです」と反応を伺うが、
誰一人として「かっこいいね」と言ってもらえず、“ダメージを蓄積”する羽目となる。
極めつけの一言
○○先生;「ネープが寂しいね、もっとネープにもポイントを作らなくちゃ!」
morishigeは“痛恨の一撃を受けた”
(いまさら言われても・・・・・)
さあ あしたはどうなる!
9月4日(火) 朝一番でkase店長と打ち合わせ
本番当日 「これつくるから」と写真を見せ段取りを決める。
AM9:00 「かっこいいですね、このヘアスタイル」
やっと聞きたかった言葉が聞けて“ダメージ&自信回復” (ありがとうkase店長)^^
11:30 自分の持ち場の仕事を終え、ショーの準備に入る。
2時間前 11:30にモデルが入る
私が控え室に入ったときにはkase店長が、ベースを作り終えた状態でスタンバイ中。
ベースの状態にちょっと違和感があったので、時間もあることだし、作り直す事にした。
チームの一人、hiroshiのモデルの髪が長さが足りないと言うことで、私のモデルと交換したとの事
返ってちょうどいい長さだったので、こちらも好都合だった。
12:30 モデルのメークも終え、ちょっと練習してみる。
1時間前 作りながら、なぜかkase店長に作り方を解説していた。
適当にバランスを見ていたときに、またまた衝撃の一言
「これ本番じゃないよね! 大丈夫?」
(よっぽど変に見えたんだろうなぁ)
でもバランスを見るのに真剣だったので、ダメージは受けない! でもちょっと傷ついた
しかし、更に追い討ちの一言
12:45 「さっき○○先生が来て、一束にまとめちゃだめだっていってらしたんですけど・・・。」
「そんなこといっても、いまさら変更できるわけがない」
「それに このヘアスタイルのバランスがめちゃくちゃになるよ・・・どうしよう」
・・・しばし考えた上で結論を出した。
「このままでいこう!」
ヘアスタイル作り初めの頃、ネープにもポイントを作っていたけど、ポイントが多すぎてくどいと思ったし、
決して、良い感じにならないという経緯があったので、自信を持って舞台に出る決意を固めた。
この時点であとで色々言われても耐えられるよう、腹をくくった。
1:00 諸材料をワゴンに載せ、準備を済ませる。
30分前 みんなより一足先に舞台袖に行き、他のチームのショーを見てみた。
皆さん真剣で、且つ楽しんでいる様子が伺えた。
(もうすぐだ)
段々と気持ちが高揚してきた
この緊張感が気持ちいい!
15分前 衣装に着替えたモデルさん達も続々と舞台袖で待機中
さすがにプロ 見事に映える。
モデルさん達のオーラともいえる雰囲気に圧倒されつつも、気持ちも高まってきた。
飾りを挿す順番を何度も確認し、後は本番を待つだけとなった。
本 番 まず、モデルが舞台へと登場
軽いウォーキングに続いて、私達が舞台へと出て行った。
持ち時間、7分〜10分出来上がった順番にウォーキングを始める段取りとなった。
一人一人紹介されつつも、ヘアスタイルを作り続ける。
ここでかるいアクシデント
*モデルの身長が高いのと用意された椅子がモデルに合わせて高めに設定させているので、
ベースのトップに土台を固定するのに、ほぼ自分の目線と同じ高さで作る事になった事。
*ウエディングの裾の広がりで、衣装を踏まないように気をつけなければならないし、それよりも
モデルに近づけない!
177cmの私でぎりぎり手が届く距離、もし160センチ台だったら、もしくは女性の技術者だったら、
モデルの頭まで手が届かない状況だった。
それでも、足元を気にしながら、飾りのバランスに気を配りながら、順調にヘアスタイルは
出来上がって行った。
真っ先に作り上げたのは、チームリーダーのwadakunだった。
(あっもうできちゃったのか)
次々とみんな出来上がってきた。
余裕のあるはずだったのに、結局タッチの差で最後になってしまった。
ウォーキング モデルもプロ、衣装も派手、見栄えが悪いはずがない。
イメージ通り(ほぼ)出来たモデルは迫力満点。
スポットライトがヘアスタイルを浮かび上がらせるシチュエーションが想像通りだったので、
しっかりヘアスタイルの魅力が引き出せて、結構満足した。
なぜか作品のコメントで爆笑をかったのには驚いた。
(笑って喜んでくれるくらいだから良かったかな)とちょっとほっとした。
ショーが終わって
kase店長が「一番良かったですよ!」と声を掛けてくれる。
wadakunの助手をしていたendo店長も「さすがですね、コンテスターの腕は落ちてませんね」
とヨイショしてくれていた。
各、先生方にもそれ相応の評価をいただいた。
支部長が「昨日写真を見せられたときはピンと来なかったけど、出来上がったのを見て感動したよ!」
と最高の賛辞を言っていただき、十分合格点のショーだったなと実感した。
正味1週間の準備で望んだミニショーだったけど、テーマに沿って作ったヘアスタイルが受け入れられて
ほんとによかった。
数々のダメージを受けながらも“傷みに耐えて良く頑張った”と思う。
振り返ってみれば、美容師として楽しませていただいた1週間だったと感じる。
また機会があれば頑張って、いいスタイル作りたいなと今は思ってます。
今回は出演させていただき、本当にありがとうございました!
PS コンテストの方が今回振るわなかったのは、きっと前日飲んだ発泡酒のせいだと思います。
「居酒屋の人、ビールとメニューに書いて発泡酒出すのはやめましょう。!」
次のページに各写真があります(解説付き)