電磁波は健康への脅威?ジョセフ・マーコラ

原文:『Are EMFs Hazardous To Our Health?』 by Joseph Mercola
出典:Mercola.com

電線、家庭配線、空港レーダー、軍事レーダー、変電所、電圧器、コンピュター、家電製品などからの放射される電磁波は、脳腫瘍、白血病、異常出産、流産、慢性疲労、頭痛、白内障、心臓病、ストレス、吐き気、胸部痛、物忘れ、がん、そのほかの病気の原因なのだろうか?

数多くの研究がなされ、相反する結果がでているが、電磁波の脅威は現実のものであると確信する専門家もいる。

ニューヨーク州立大学公衆衛生学部長デビッド・カーペンター博士は、小児がんのおよそ30%までは電磁波被曝によるものだと考えている。環境保護局は『懸念するに値する理由がある』として警告を発し、電磁場を慎重に避けるよう呼びかけている。

同局の分析支援部長マーチン・ハルパー氏は、『我々が電磁場と共存できるという証拠に遠巻きにでも近づいた一連の疫学調査を、いまだかつて見たことがない。明らかに、そこには何かがある』と語った。

電磁波への懸念は、1989年6月「ニューヨーク・マガジン」誌上にポール・ブロージャーの記事が掲載されるやいなや爆発した。彼の名声ゆえに、その記事は、科学者、レポーター、そして世界中の意識的な人々へ連鎖反応を引き起こすきっかけとなった。

1989年11月、エネルギー省は、『電磁波被曝が確実に生物学的な影響をもたらすことは、今や一般に認められている』と公言した。

電磁波への警告を訴えた記事が「タイム」、「ウォールストリート・ジャーナル」、「ビジネス・ウイーク」、大衆向け一般書に掲載された1990年、電磁波問題はよりいっそう世間の注目を浴びた。ABC放送のキャスター、テッド・コペル、CBSのダン・ラザー、両氏ともに自らの番組の特集枠で電磁波問題を放送した。

長期間の健康への影響のみならず、高電磁場下にある住宅を購入することは経済的な損失にもつながるだろう。数年以内に、電線からの放射電磁波について、アスベストやラドンと同様に知られるようになれば、高電磁場下にある住宅は実際に売れなくなるだろう。既に、電磁場と資産価値の低下に関する裁判が、何百件も係争中である。

環境保護局は危険性の存在を認めた

1990年までに、世界各国で百以上の調査が実施された。それらの中で少なくとも二十四人を対象にした疫学調査が、電磁波と重い疾病との関連を示した。湧き上がる一般大衆からの声に答える形で、環境保護局は、入手可能な医学文献の再検討と評価に着手した。

1993年3月に公表された報告書の草案で、同局は電磁波を発がん性物質Bクラスに分類した。Bクラスは、人への発がん性の可能性があり、ホルムアルデヒド、DDT、ダイオキシン類、PCBなどがそれに含まれる。

環境保護局の草案が発表されるやいなや、実用品、軍事、コンピューター各関連の圧力団体が同局に激しく襲いかかった。最終的な修正案では、電磁波は発がん性物質Bクラスに入っていなかった。それどころか、以下の説明書きが付け加えられていた。

『電磁波が、基本的な生物学的自然現象にどのように作用するかが解明されていない現時点においては、電磁波被曝とがんとの関連性を示唆する表示は、不適当である』

論理的にはむしろ不自然なこの記述は、奇妙にも以下の文章と同じページに掲載されている。『いくつかの職場での調査結果から、電磁波にさらされた子どもたちの小児白血病、リンパ腫、神経系のがんは、大人と同様、電磁波被曝と関係していることが示されているが、こうした調査のいくつかは結局のところ、弱い関連性へのよくある反応の一種にすぎない』

これらの言明に矛盾があることを、環境保護局に指摘したところ、次のような回答を得た。すなはち、電磁波がどのようにがんを発生させるのか、また電磁波が有害となるには正確にはどのくらいの量であるのかが解明されるまでは、電磁波に発がん性の表示を用いることは、“適当でない”。

この説明は、同局の上層部が、実用品、軍事、コンピューターなどの圧力団体に政治・経済的配慮をした決定をしたと疑っている多くの批評家にとって、納得できるものではない。

電磁波の測定方法

「ガウス」が、電磁波の強弱を表す一般的な測定単位である。ガウス測定器は、電磁波の強さを測定する機械である。典型的なガウス測定器の中には、何百回もグルグル巻きにされた細い線のコイルが入っている。電磁波がコイルを通って放射されるとき、電流が誘導され、ガウス測定器の中のグルグル巻きコイルによって増幅される。

測定する電磁波の強さに応じて、ガウス測定器を変えねばならない。例えば、電線、変圧器、変電所、家電製品から放射される電磁波を測定するには、1ミリガウス程度の電磁波を測定できるものでなくてはならない。

ガウス測定器は、価格と精度に大きな差がある。軸コイルが一個装備されたものもあれば、三個装備されたものもある。単体軸コイル型測定器は、軸コイル三個型測定器に比べて作りがずっと簡単で値段が安い。

単体軸コイル型測定器を使うときには、計測器のセンサーをx、y、z軸の三方向に指示し、それから、その各々の電磁波の値を数式に当てはめて計算しなければならない。軸コイル三個型測定器を用いる方が、明らかにずっと容易である。軸コイル三個型測定器は精度が非常に高く、値段も高い。

もう一つ、ガウス測定器を購入するか借りるかする時期を見極めるために注意すべきことがある。それは、測定器が周波数の負荷を測るかどうか、ということである。たいていの測定器は、どんな周波数であれ同じ電磁波を読み取る。

人体は電磁波の強さと周波数両方に敏感なようだから、生物学的な目的でガウス測定器を使うさいには、「周波数負荷」を計算する。

このことが意味するのは、かりに電磁場が60ヘルツないときに、計測器が周波数を考慮しそれを用いて電磁波の強さを計測し表示する、ということである。こうした特徴ゆえに、周波数負荷測定器が測定する電磁波は、電気工やエンジニアが使う一般的な計測器よりも高い値になるのである。

電 線

発電所では、膨大な量の電力が生産され、高圧電線を通じて国中に供給されている。全ての電線は、電磁波を放射している。問題は、あなたの家の近くの電線はどのくらいの量電磁波を放射しているか、である。電線から放射される電磁波の量は、その独特の配置に左右される。電力会社は、電磁波を減少させるのにはどの電線配置が最適か知っているが、高い費用をかけてまで配線を変更するにはその証拠が乏しいと考えている。

変電所

変電所は、スイッチと変圧器を分離した回路遮断機の集合体である。変電所は、近隣住民の間にがん患者を集団発生させたことが非難の的になっている。ポール・ブロージャーは、「ニューヨーク・マガジン」の1990年7月9日号にそのようないくつかのがん患者集団について記事を書いた。

電圧器

配電線の実用化の鍵となるのは、電柱の上に据え付けられた多数の小さな変圧器である。変圧器は小型の金属くず缶のような外見をしており、通常円筒形である。

電線が地中化されているときでさえも、金属製の箱(通常は四角形)が、街路脇の路上に置かれているのがしばし見える。多くの人々は、変圧器に流れ込む電流が4000から13800ボルトあることを知らない。

それから変圧器の電圧は、近隣世帯の必要に応じて120~240ボルトまで下げられる。このような変圧器がほとんどどの地区にもあるので、それが懸念される。

変圧器付近の電磁波はとても強い。しかし、変圧器はとても小さな構造をしているので、それから遠ざかるほど電磁波の強さは急速に弱まる。ゆえに、自宅近くにある変圧器は通常大きな懸念材料ではない。とはいえ、念のために周辺の電磁場の強さを測量すべきである。

家庭配線

もしもあなたの家の中に強い電磁波が測定されたら、可能なかぎりの予防措置がとれるよう、電磁波の発生源を突きとめることが大切である。多くの場合、特定の部屋がそのほかの部屋よりも高い電磁波を測定する。電気が家の外から部屋の外壁に来ていないかどうか調べてみよう。もしもそうれあれば、その部屋を建材で遮断し倉庫として使うのが、一般的な方策である。

時々強い電磁波発生源が不正な配線によることがある。不正な家庭配線が疑われたら、正規の電気工に修理を依頼しよう。注意すべきことは、たとえ電流が流れていないと思っても電線にはけして触れないこと。電磁波発生源を特定するため電気回路を分離する必要が生じたときには、資格のある電気工に頼もう。

コンピューター

コンピュターは複雑なものである。以下のことを知っておいてもらいたい。電磁波は、コンピューターのあらゆる面から放射される。ゆえに、あなたはただ単にコンピュターの前面に座っているかどうかだけでなく、本体に近いかどうか、あるいは隣室でコンピュターを使っていないかどうかに注意を払わなければならない。

1990年7月11日よりスウェ-デンで発効した安全基準では、コンピューター画面より50cmの位置で0.25ミリガウス以下に設定されている。多くの米国製コンピューター製品は、同じ測定位置で5~100ミリガウスの電磁波を放射している。次のことも知っておこう。画面に被せられたスクリーンは、電磁波を遮断しない。鉛製のスクリーンでさえもELFとVLF電磁波を遮断しない。

コンピューターに関しては、これ以上念入りに議論する余地はない。あなたがコンピューターを使っているなら、ガウス測定器で電磁波がどれくら放射されているか測定し、コンピューターの使用が健康にどれだけ影響を及ぼすかを調べた文献を読んでみることである。

電気毛布とウォーターベッド

電気毛布から発せられる電磁波は、体の内部約6~7インチまで達する。それゆえ、電気毛布の使用が流産と小児白血病に関連することを示す疫学調査の結果には、驚くにあたらない。

この草分け的研究は、電磁波と小児白血病との関連を初めて突きとめたナンシー・ワーティマー博士とエド・リーパー博士によって成し遂げられた。同様の健康被害が、数多くの電気毛布とウォ-ターベッド暖房器の使用者の間で知られている。ウォ-ターベッド暖房器は、電源を切っていても電磁波を発する。

こうした器具による電磁波被害から逃れるためには、電源コンセントを抜いておくべきである。さらに、溜まり水の上で就寝するときに発生する振動が問題視されている。これについてはこれ以上の確実なデータは存在しないが、何人かの専門家は調査結果を懸念している。

電子時計

電子時計は、3フィート離れたところで5~10ミリガウスの電磁波が計測されるほどの強い電磁場を形成する。もしもあなたがベッドの脇に電子時計を置いているとしたら、それは疫学調査で電線からたえず放射される電磁波が脳腫瘍の発生率を高くすることが示されたのと同等の電磁波を浴びながら、睡眠をとっていることになる。従って、全ての時計の類と電気製品(受話器やドアホン応答器)は、少なくともベッドから6フィート離すのが賢明である。

蛍光灯

蛍光灯は、白熱電球に比べはるかに強い電磁波を発する。事務所などで使われている典型的な蛍光灯は、1インチ離れたところで160~200ミリガウスの電磁波を計測する。

マイクロ波とレーダー波

電子レンジと、軍事施設と空港で使用されているレーダー波には、二種類ある。マイクロ波とELFである。マイクロ波は、1平方センチメートルあたりのミリワット数で計測される。1993年1月1日現在、合衆国の安全基準は、それ以前の10ミリワット/平方センチメートルから1ミリワット/平方センチメートルに改定された。ロシアの安全基準は、0.1ミリワット/平方センチメートルである。あらゆる電子レンジが、このロシアの基準を超えている。さらに、最近のロシアの研究では、通常の電子レンジ調理は食べ物の蛋白質分子を発がん性物質に変えることが示された。

軍事施設および空港からのマイクロ波を計測するさいには、非常に高価な最高数値保持型デジタル測定器を用いなければ、百パーセント正確な数値は測れない。なぜかといえば、アナログ計測器では、レーダー波が通過するとすぐさま計測した値が下がってしまうからである。従って、アナログ計測器で分かるのは、レーダー電磁波を浴びているかどうかであり、正確な被曝量は分からない。最高数値保持型デジタル測定器を買うと何千ドルもするが、月数百から千ドル以上で借りることもできる。

電話器とドアホン応答器

受話器もまた、驚くほど強い電磁波を発する。特に携帯型の受話器がそうである。それゆえ、通話中に受話器を頭に近づけることが問題になる。電話機を購入するさいには、受信口と送話口にガウス測定器を当てて調べてみよう。

製造元によって、測定できないほどの微量の電磁波を発する受話器もあれば、脳内に数インチも達するほど強い電磁波を発する受話器もある。ドアホン応答器については、とりわけアダプタープラグ付の型が、強い電磁波を発する。

電気ヒゲ剃り機とドライヤー

電気ヒゲ剃り機とドライヤーは、200~400ミリガウスほどの電磁波を発する。この数値は危なそうに思えるが、2~3ミリガウスの電磁波をたえず浴びることよりも危険かどうかは分からない。子どもは脳と神経系の発達が速いので、彼らにドライヤーを使わないように勧める電磁波専門家もいる。

用心して避けること

電気は、我々の現代社会とは切り離せない。つまり、我々はいつも電磁波とともに生活していることになる。しかし、「ディスカバーマガジン」が想定したように、生活が便利になることは別として、電気は我々の生命を強くするのだろうか?

大部分の専門家は、制限的に時々電磁波を浴びることについては脅威ではないと認めている。例えば、朝食のときトースターの近くにいるのは、おそらく問題ないだろう。

しかし、そうはいっても、電気毛布をかけて寝るとか、電線や変電所の近くに住むとか、電気が侵入する家屋の一室で寝るなどの行為は勧められない。こうしたことは、常時電磁波被曝している極端な例である。不幸なことにこうした状況は、何百万人ものアメリカ人に当てはまるのである。

あなたがEPAの助言に従って“用心して避ける”行動を実践したいと思うのならば、以下のことを勧めよう。

家庭、職場、学校の環境をガウス測定器で測定しよう。家の内と外両方の電磁波を測定しよう。子どもを、電線、変圧器、レーダー基地、マイクロ波塔の近くで遊ばせてはいけない。

1ミリガウス以上の電磁波を放射している場所を避けるように。機器類からの電磁波を測定するさいには、稼動中と電源が切ってあるとき両方を計測しよう。機器(TVなど)によっては、電源が入っていないときでも電気が流れている。

電気毛布やウォーターベッドで寝ないようにしよう。どうしてもそれらを使いたいなら、使う前に電源の差し込みを抜いておくこと(ただスイッチを切るだけではだめ)。スイッチを切っただけでは、まだ強い電磁波を発生していることがある。

TVの前に近づいて座るのはよそう。少なくとも6フィート離れるように。ガウス測定器を使って、どれくらいの距離が安全かを確かめよう。

あなたの家や職場を、電気製品やコンピューターの横面や後部から発せられる電磁波を浴びないように模様替えしてみよう。家の中のコンピューターやテレビ、冷蔵庫などの主な家電製品全てを、外壁に据え付けるのが最良の方策である。そうすれば、隣接する部屋に電磁波を通すことがない。

コンピューターに近づいて座らないようにしよう。コンピューター画面から放射される電磁波の強さは、機種によってまちまちである。そこで、計測器で調べてみよう。電子レンジの前に近づいて立たないこと。全ての電気製品をベッドから少なくとも6フィート離すように。ベッドの下に電線コードをくぐらせてはいけない。

電動歯ぶらしや電気ヒゲ剃り機のようなコードレスの製品には気をつけねばならない。アナログ型のクォーツ腕時計を装着しないように。なぜなら、アナログ型のクォーツ腕時計は、経絡に沿って電磁波を放射するからである。

時計は、旧式のねじ巻き時計がよいだろう。それから、宝石類はなるたけ身に着けないことをお勧めする。特に夜寝るときは、はずすように。肌に直接あてることで悪化する金属アレルギーの人が多くいる。念のため、ガウス計測器で確かめよう。

そして最後になるが、これだけは、いつもいつもいつも、どうか忘れないように。電磁波は壁を通過するということを。ガウス測定器で測った電磁波は、隣の部屋にもあるいは家の外にも放射されている。

そのほかの放射線情報

眼鏡のフレームは、理想的にはワイヤーが入っていないプラスティック製がよい。そうしないと、それがアンテナとなってラジオや携帯電話の電波を直接脳に送る役目を果たす。

電磁波の安全なレベルは?

どれくらいの強さの電磁波なら安全なのかについては、熱い議論が続いている。専門家の間でまだ一致した意見がないので、自分自身で決めなければならない。多くの政府や公的文書の報告では、通常の環境下での60ヘルツの電磁場は0.5ミリガウスになる。

従って、0.5ミリガウス以上の計測値は、“通常の”被曝量を超えている。多くの専門家、公官庁職員、あるいは公的な防御策を講じようとしているいくつかの政府は、3ミリガウス終着点を採用している。EPAは、1ミリガウスの安全基準を提唱している。スウェーデン政府は、最大値1ミリガウスの安全基準を設定している。

二十年間電磁波の影響について研究を続けているロバート・ベッカー博士は、著書の中で1ミリガウスまでが安全なレベルであると明言している。電気技師が電磁波の問題を解決しなければならないときは、電磁波の値を1ミリガウス以下に下げるのが最良の方策である。

やはり二十年間電磁波について研究を続けている疫学者のナンシー・ワーティマー博士は、疫学調査の結果を違った角度から見ている。彼女は電磁波を病気よりもむしろ健康に関連づけようとしている。

彼女が提唱しているのは、1ミリガウス以下の水準である。ロシアの研究者は、千分の1ミリガウスが標準だとしている。

「ビオ・エレクロリック・ボディ」は、健康には“最良の健康状態”から“慢性病”そしてがんまで段階があるといっている。そこで我々は、居間と寝室空間を0.5ミリガウス以下にすることを勧める。

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