牛乳と緊張性疲労症候群

原書:フランク・オスキー著『Don't Drink Your Milk』第10章『Milk and the Tension-Fatigue Syndrome』

外来では今日も親に付き添われて、子どもたちが診察の順番を待っている。学校で教師から、『ジョニーはとても疲れていて気力がありません。十分休ませてあげていますか?』と注意を受けたのかもしれない。マイクの母親は訴える、『この子は落ち着きがなく、怒りっぽいんです。私はもうどうにも、この子には我慢ならないことがよくあります』と。こうした子どもたちは、学習能力に障害があったり、兄弟姉妹や学友や先生とうまく人間関係を結べないことがある。 ウイリアム・クロック著『食物アレルギー:隠された原因』/1975年2月号『北米小児科クリニック』誌より

医者の含めたいていの人は、食物アレルギー(吸入薬アレルギや薬アレルギーと同様)には、皮膚湿疹、呼吸器系疾患、消化器系疾患といった定番の症状しかないと思っている。しかしアレルギーの症状には性格の変化や気分の揺れ、あるいはどこか健康でない感覚も含まれることが、次々と立証されつつある。

小児科の開業医として20年以上の経歴をもつクロック博士は、食物アレルギーを訴える子どもたちをこれまでに4千人以上診察した。彼の考えでは、アレルギーを引き起こす原因として最も一般的な食べ物は、牛乳、とうもろこし、そして砂糖である。同様の見方をする医師は、クロック博士以外にも大勢いる。

食物アレルギーには、一体どのような症状があるのだろうか?そして、食べ物とアレルギーとの因果関係はどのように立証されるのだろうか?

子どもでも大人でも、車酔いをするとはた目にも弱々しく見える。子どもが非常に疲れると、休むために遊びを中断する。学校にいるときなら、机の上に突っ伏してしまうかもしれない。典型的なのは、過度の居眠りと無気力状態である。このような子どもたちにとって、とりわけ朝はけだるい。彼らは、夜全く眠らなかったのかと思うほど、朝起きられない。

枯草熱を患ったことのある人なら、こうした感じはよく分かるだろう。1873年、イギリスのチャールズ・ブラックレイ医師は一連の実験を行い、アレルギーによって引き起こされる感情的特徴を書き残している。その古い記述によれば、花粉を吸うと『立て続けにくしゃみがでて』、『ツルツルした鼻水がとめどなく流れ』、それから数時間以内に『全身に疲労感が漂ってくる』

もちろん、慢性疲労の子どもたちが全て、食物アレルギーであるとは限らない。食物アレルギーであると診断する前に、貧血、感染症、あるいはそのほかの慢性疾患の可能性も考慮しなければならない。しかし、こうした重い病気よりも、食物アレルギーが原因であることの方が一般的である。

緊張もまた、食物アレルギーのもう一つの症状である。こうした子どもたちは落ち着きがなく、たえず動き回っている。ソワソワし、顔をしかめたり、体をねじったり、振り返ってみたり、飛び跳ねたりと、一時もじっとしていない。こうした子どもの多くは、極度にイライラしやすく、決して心が満たされることはない。

緊張性疲労症候群は、食物アレルギーの最もありふれた症状であるが、症状がこれ一つだけということは絶対にない。時々なんとなくお腹が痛いとか、頭痛の繰り返し、筋肉痛や関節痛、寝汗なども、食物アレルギーの症状である。

食物アレルギーの子どもに多く見られる特徴は、青白い顔色と、目の下の丸い大きな隈である。また、慢性的に鼻詰まりの子どもたちもいる。

これまで、子どもの病気に食物アレルギーが関わっていることを主に述べてきたが、同様に大人でも、食べ物が原因の症状が現れることがある。精神科医H・L・ニューボールド博士は、不眠症、不安症、うつ状態が食べ物に起因していることを、自らの患者の中から多数例確認した。この中で、子どもと大人両者に共通した症状に最も直接的に関与していたのは、牛乳であった。

この問題の大きさは、クロック博士の行った実験からもその一端がうかがえる。博士は、多動もしくは学習困難を訴えて外来した45人の子どもたちを、8ヶ月間観察した。すると、45人中41人に食物アレルギーが確認された。原因となった食べ物を彼らの食事から除くと、症状は部分的もしくは全面的に改善された。

博士は、子どもたちの食物アレルギーには、おしなべて3つの食品が原因であることを突きとめた。41名の食物アレルギーの子どもたちのうち28名が、牛乳に敏感に反応し、砂糖に過敏な子どもたちも同数いた。卵、小麦、コーンに対する反応もかなりの数に上った。子どもに緊張と疲労の兆候があり、しかも同時に顔色が青白く鼻詰まりもある時には、食物アレルギーの疑いが濃厚である。

このような時は、アレルギー原因が少しでも疑われる食べ物はどんなものでも、7日間から21日間食事から全て排除することを、クロック博士は勧めている。もしも症状が食べ物によるものであれば、食事からそれを取り除いた短い期間に、症状は劇的に改善するだろう。そして再び食べ物を戻せば、症状がぶり返すはずである。

まず最初に除去すべきものは、牛乳、そして牛乳を含んだ食品や料理の類全てである。

|TOP|