放射線関連がんの食事法クシ・ミチオ

原文:『The Cancer Prevention Diet;Radiation- and Environmentally- related Cancer』_by Michio kushi

発症頻度

1940年代以来、核放射線は白血病、リンパ腫、骨がん、脳腫瘍、甲状腺がんなどさまざまながんを発生させている。核放射線の影響を最も被ったのは、広島と長崎の被爆者、原子爆弾製造工場や原子力発電所の労働者、核爆発後の放射性物質に被爆した人、スリーマイル島やチェルノブイリの住民(この二ヶ所での事故は、過去最大規模のもの)、そのほかの放射線に汚染された人々である。こうした高レベルの核放射線に直接被爆した人々がいる一方で、1945年以来地球上に住む人はだれでもある程度は放射線の影響を受けている。過去三十年間、原子爆弾や原子力発電所から廃棄された放射性物質の影響でがんになり死亡した人の数は、数千人から百万人以上とも推定されている。この十年間、電離・非電離の放射線についての研究が重ねられ、高圧電線、コンピューター端末、そのほかの人工的電磁波放射線を発する装置が、白血病、リンパ腫、脳腫瘍、骨がん、そのほかの悪性腫瘍の発生に関わっていることが次第に明らかになってきた。今後数年間にこの問題の重要性が、もっとはっきりとすることを期待したい。現在、わが国のがんの3パーセントが、放射線関連のものである。

がんの原因

核反応によって放射される放射性粒子は、体の細胞と組織を構成している原子と分子をイオン化し、電荷の状態を変えることができる。また体内の色々な場所に蓄積し、その周辺臓器や組織を破壊したり損傷する。放射能は、細胞の遺伝子の構造も破壊する。例えば生殖機能に関わる遺伝子に作用し、遺伝子異常や不妊症の原因になったり、次世代の生殖能力に異常をもたらすかもしれない。環境の中に蓄積した放射性粒子は、長い年月かかって食べ物や動植物の生命のバランスを破壊する。放射能の影響は累積的であり、微量であっても数年以内に白血病を始めとするがんの発生を促す。しかし十年、二十年、あるいは三十年かそれ以上発症しないことも多い。

放射線被曝の症状は、吐き気、嘔吐、食欲減退、抜け毛、内出血、皮膚のただれ、けいれん発作、若年老化などである。東アジアの伝統医学では、これらは皆、拡散的エネルギーが特徴の陰性の症状に分類される。赤血球値が異常に低くて白血球値が異常に高い状態から感染症にかかりやすかったり貧血になるのは、放射線被曝の症状としてはよくある。マクロビオティック的診断法では、頭髪を小腸の絨毛に見立てる。従って被爆者の毛髪が抜け始めたら、それは小腸がやられて血液の製造が著しい支障をきたしていることを意味する。血液とリンパ系もそうだが、骨と体内奥深くの臓器もストロンチウム90など放射性物質に弱い。というのは、放射性物質は骨と組織内に蓄えられたカルシウムなどのミネラル分を奪うからである。マクロビオティック的にいえば、放射能被曝と放射線関連のがんの症状は、小腸が、食べ物の栄養分を健康な赤血球に代謝する働きを十分にできないことが原因である。小腸が虚弱になると、嘔吐、下痢、食欲減退、吐き気、そのほかの症状が表れる。血流が最も多いのは脳であり、また血液は脊髄に蓄えられているので、放射能に被曝すると、脳と脊髄によくがんができる。

いうまでもなく、核放射線とそのほかの人工的なエネルギー放射線は危険なので、いかなる時でもなるべく避けるべきであるが、自然な食事方法はそれらの毒性を体から除いて、概して健康な状態を保つのに役立つ。このことをよく示すのが、1945年、広島と長崎に世界で初めて原子爆弾が落とされた時、マクロビオティック食をしていた少数の人たちの例である。彼らは原爆から生き延び、体を正常に動かすことができた。そしてそのほかの生き残った人々に、玄米、よく煮炊きした野菜、味噌汁、海藻、梅干、自然塩を食べさせ、原爆症に苦しむ多くの人たちを救ったのだった。この原爆症の経験から彼らが得た知識は、放射能は非常に拡散的な極陰性の作用があるので、それとは正反対の塩のきいた穀物と煮〆野菜などの食事で釣り合わせれば、血液を陽性に、つまり強くすることができるということだった。

最初に原子爆弾が落とされて以来この数十年間に、こうしたマクロビオティックの体験談が知られるようになった結果、カナダと日本の科学者らは、味噌と海藻に含まれる成分には塩分以外に、放射性元素を取り込んで体外に排出する働きをする物質が含まれていることを突きとめた。1986年、チェルノブイリの原子力発電所事故から二週間もたたない頃、ヨーロッパの自然食料品店からマクロビオティック食品が消えた。人々はその食べ物の力を知っていた。

社会的なことでいえば、各国のさまざまな政府機関は、核廃棄物を岩塩鉱山の中に閉じ込めて、その致死の放射能が無害になるまで貯蔵することを提案している。これは、現代社会で陰陽の法則をうまく利用した好例である。しかし科学者は、その根底にあるバランスに関する法則を理解していない。すなはち、マクロビオティックの哲学を、である。 核放射能は電離放射線であるが、電離しない放射線もある。例えば、従来型発電機やよくある家庭用や事業所用機械類、携帯用家庭電気製品などからの放射線は非電離放射線で、これらの装置についてこの十年間精密に調査された。以前は非電離放射線は安全であると信じられていたが、白血病、リンパ腫、脳腫瘍などを始めとするがんやそのほかの重症な病気は、電線、変電所、発電所の近くに住んでいる人や、職業柄人工的電磁波によく被曝している人、コンピューターやヘアドライヤーなどの機器を使う人の間でより多く発生していることが、調査結果から次々と明らかになっている。

最近の医学的な実験でも、人工的電磁波は、細胞膜間の化学物質の移動と遺伝子物質の合成を妨げ、ホルモンやそのほかの化学物質の活動をかく乱し、がん細胞の発達を促すことに関係しているという結果がでている。マクロビオティックの観点では、またもやそれらは皆、膨張させ、弱体化させ、解体し分解する陰性の作用を及ぼすものである。

コンピューター、テレビ、コピー機、空調機器、煙探知機、電動倉庫扉、スーパーのレジの自動読み取り機、そのほか多数の装置機器類の普及は、私たちの環境の中に人工的な電磁波層を急激に増やしている。クォーツ時計やテレビのリモコンなど、低レベルの電磁波をだすものもある一方で、電子レンジや病院のX線検査は非常に強い電磁波を放射する。こうした装置からの電磁波は、日々私たちの健康状態に累積的に影響を及ぼしている。

健康な人体の環境への適応力は、非常に優れている。放射能や人工的電磁波に対してさえも適応できる。マクロビオティック食をしている人は、そのような害に強い。とはいえ、それらは最小限であるべきで、その潜在的に有害な影響に対しては以下で述べるような特別な食べ物、観葉植物、そのほかの方法により調整をすべきである。現代的な食事をしている人は、放射能や人工的な電磁波(EMF)に対して弱いので、白血病などのがんになる危険性がより高い。

今から約二十五年前、自然食料品店の草分け的存在であったボストンにあるエレホン自然食料品店で、ネズミが出没して困っていた。有害な化学薬品などでネズミを殺したくなかった社員たちは、その代わりに極超短波をネズミ退治に使うことにした。するとその装置が鳴り響くやいなやネズミは一斉に玄米と海藻を食べ始め、それ以外のものを食べるのをやめた。ネズミは本能的に、玄米と海藻が命を救うと知っていたらしい。願わくば将来、人類もネズミに負けないくらい賢明であってほしいものである。

医学的証拠

核放射線

味噌の効用

原爆放射能の研究班が、味噌は、体内の放射性元素を体外へ排出するのを促し、放射能による臓器の炎症を抑える働きがあることを発見した。動物実験で、ヨウ素131とセシウム134の同位元素を、誕生後間もないオスとメスのラットの胃に注入し、四週間観察した。この二つの同位元素は、核分裂反応のさい副産物として放出される。同位元素ヨウ素131は甲状腺に、セシウム134は筋肉や腸内に蓄積する。

広島大学医療センターの研究者らは、味噌を与えられたラットの血液中のヨウ素131の量は、注射後3時間から6時間の時点で、対照ラットのたった半分であったことを発見した。腎臓、肝臓、脾臓の放射性物質粒子の量も、少なかった。血液中のセシウム134の量は、両者に違いはなかったが、味噌を与えられたラットの筋肉から非常に大量のセシウムが排出された。

核放射線被爆者への味噌の効用を調べる別の動物実験では、致死量半分の放射線を浴びたラットの80パーセント以上が一週間以内に死んだ。しかし、被爆後に一般的に見られる臓器の炎症が、味噌を与えられたラットの方が少なかった。広島大学医学研究班の伊藤明弘教授は、この実験から、味噌は体液循環と代謝を活性化することが示唆された、と述べた。(「ジャパン・タイムズ」1988年9月27日号)

味噌を常食している人は、常食していない人よりも最大で5倍、放射線への抵抗力がある。広島大学原爆放射線調査センターで、がんと放射線が専門の渡邊敦光教授は、結論した。

動物実験で、ネズミの小腸の細胞が検査された。栄養素を吸収する小腸は放射能には特に敏感で、容易に破壊される。広島と長崎の被爆者は、この細胞の一団がまとまって破壊されたため、被爆後激しい下痢に苦しんだ。

放射線照射の前に10パーセントの味噌を加えた餌を、生後四十九週間のネズミに七日間与えられ、通常の医療X線の千四百から二千四百倍(7から10キュリー)の放射線が全身に照射された。三日後細胞が検査され、破壊された細胞は、味噌を与えられたネズミの方が少なかった。放射線のレベルを9キュリーに上げると、その差は広がった。10キュリーは人の致死量に当る。10キュリーをネズミに照射すると、味噌を食べなかったネズミは全体の9パーセントしか生存できなかったが、味噌を食べたネズミは60パーセント生存した。

『味噌の中のどの成分が効果的なのか、特定できておりません』放射線の影響に関する南西日本学会で、渡邊教授はこう述べた。『ネズミと人の小腸はとても似ております。従って、この実験結果は、味噌が放射能に対する予防手段になることを示しております』

広島大学の別の実験でも、味噌が放射能を適切に体外に排出し、肝臓がんを軽減することが既に明らかになっており、今後は味噌が大腸がんと胃がんにどのように作用するのか、また放射能が血圧にどう影響するかについて、研究が推し進められるだろう。(「日刊工業新聞」1990年7月25日号)

核施設放射線被曝

1977年、ワシントン州ハンフォード保留地内の核兵器用プルトニウム製造に従事する工場労働者に、多骨性骨髄腫による死亡率が高いことを、研究者らが発見した。工場内での放射線被曝の許容量は、現在国の基準では年間5レム(放射能が人体に作用するぎりぎりの値とされる)で、これはX線検査百回から百二十五回分と同等である。実際の工場労働者の被曝線量は、年間どころか全就業期間を通じても4レムでしかない。にもかからわず予想外に高いがんの率だった。4レムは、現代人が普通に生活していて四年間で自然に被曝する放射線量である。

1991年、テネシー州オークリッジで核兵器製造に従事する工場労働者に、白血病、骨がん、それ以外のがんによる死亡率が高いことが、調査の結果明らかになった。ここオークリッジの国立研究所では、1940年代から核兵器を製造しており、労働者は低レベルの放射線を浴びていた。低レベル放射線と、あらゆるがんとの関連が示唆されたのは初めてである。労働者のこれまでの被曝放射線の総量は、一人当り平均1.7レムで、これは国が定めた年間許容量のおよそ三分の一であった。(「ニューヨーク・タイムズ」1990年3月20日号)

電磁波関連

低レベル電磁波

1984年、脳腫瘍で死亡した男性に、電気関連の職業に就いていた人が多数いたとの調査結果がでた。1986年、ニューヨーク州保健課の調査では、『低レベルの電磁波に継続的に被爆すると、小児がんの危険性が増す』と報告された。これとスウェーデンの別の調査では、電磁波の強さが2から3ミリガウスの時、がん罹患率との関連が示された。1988年、東テキサス州で死亡した脳腫瘍患者について調査され、電気関連施設の労働者はそれ以外の労働者の13倍、脳腫瘍の危険性が高いという結果がでた。1989年、ジョンズ・ホプキンス大学の疫学調査では、ニューヨーク電話会社の工員のうち電話線架設工員に、全てのがんの危険性が増大していることが明らかになった。白血病がそのほかの社員より7倍多く、浴びていた電磁波の平均値は、4.3ミリガウスであった。4ミリガウスの超低周波(ELF)の電磁波は、最もありふれたパソコンから12インチ離れたところでも測定される。

1980年代、低レベルの電磁波は、がん細胞を破壊するTリンパ球細胞の働きを弱めることが、研究から明らかになった。電磁波は、免疫系の機能を抑制するので、がんにつながりやすいようである。

1988年、60ヘルツの弱い電磁波が、がんの発生に関わりがある酵素オルナイシン・デカルボキシラーゼの活性を強める可能性が科学的に証明された。60ヘルツの電磁波は、標準的な電線の下に立った時、あるいはコンピューターの画面に近づいた時に測定されるのと同じ強さである。

1980年代初頭、スペインの研究者らが、ニワトリの卵に弱いELF電磁波を浴びせると、頭蓋神経系の形成異常で80パーセント近くが正常に発育しないことを発見した。

1988年、ビデオ画面端末機を週に20時間以上操作する職種の女性は、早期および後期流産両方の危険性が一般の女性よりも80パーセント高くなると報告された。(「マック・ワールド」1990年7月号)

電磁波と小児がん

1992年、スウェーデン国立産業技術開発委員会は、今後は『電磁波が、がん、とりわけ小児がんと関係があるとの前提に立ちます』と、公式に発表した。

電磁波とがんとの関連を国として初めて認めたスウェーデン政府は、今後電圧線を架設するさいの新しい安全基準の制定と、現在の電圧線から子どもいる家族を非難させる施策を遂行することが求められる。

スウェーデンの研究者らは、電圧線の近くに住む子どもの白血病の危険性は四倍高く、電圧線に近づく頻度が多いほどがんの危険性が高くなると指摘している。(「ロサンジェルス・タイムズ」1992年11月9日号)

携帯電話と脳腫瘍

1993年、フロリダ州在住の男性起こした裁判が、携帯電話とがん、とりわけ脳腫瘍との関係に世間の関心を引きつけた。注目のその裁判で原告の男性は、妻が脳腫瘍で死んだのは、携帯電話を常用していたことに原因があると訴えた。裁判中、TLCビアトリス社会長が脳腫瘍で死んだことと、もう一人全国的に有名な会社重役が脳腫瘍と診断され、二人とも携帯電話を常用していたことから多いに論議を呼んだ。これ以外には、一日に数時間携帯電話を使っていた脳腫瘍患者数人の腫瘍の発生場所が、いずれも会話中携帯電話のアンテナが接触する頭部の内側の脳内にあったことが、明らかになった。

携帯電話の普及は、ここ十年間のことなので、それに関する包括的な研究はまだないが、いくらか参考になる予備段階での研究がある。バージニア医科大学のステファン・クリアリー博士によれば、人の脳腫瘍の細胞と血液細胞に放射線を二時間照射したら、細胞の成長速度が30パーセント速くなり、それが数日間続いた。この実験では、電子レンジの高周波とプラスティック密封工場で使用される低周波の二種類の電磁波が使われた。携帯電話の周波数は840から880メガヘルツで、両者の中間にある。

スウェーデンでは、携帯電話メーカーが後援する医学研究で、携帯電話よりもわずかに高周波の電磁波を実験動物に継続的・断続的に照射すると、放射線と同様、脳と血液の境界壁を貫通する作用を示したと報告された。(「ニューヨーク・タイムズ」1993年2月2日号、「ボストン・グローブ」1993年2月8日号)

診断法

放射線被曝の症状は、上記のとおりである。人工的電磁波の影響は、通常それよりも軽い。例えばコンピューター使用者は、疲れ目、かすみ目、白内障など目の不調をよく訴える。伝統的な東洋医学では、目の病気は肝臓と関係がある。いうまでもなく肝臓は、体を有害物質から守る働きを司っている。従って、目の不調は肝臓が良くないことを表している。それ以外の症状として、全般的な疲労、湿った唇もしくは乾燥した唇がある。これらの症状が見られる時は、腸が弱くなっており、血液とリンパ液の機能が低下しているだろう。

勧められる食事法

放射線に関係したがんは、極陰性に属する食べ物と飲物によって悪化する。従って、砂糖および砂糖が入った食品と飲料、アイスクリーム、チョコレート、キャロブ、蜂蜜、清涼飲料水やソーダ水、熱帯地方でとれる果物、果実ジュース、脂肪分の多い油っこい食べ物、乳製品、中でもバター、牛乳、クリーム、刺激性のあるもの、香りづけ食品、芳香茶、それから一般食品や補助食品ならびに飲料に含まれる色々な化学添加物を、常食することをやめなければならない。一方で、このような極端な陰性食をしていると、バランスを取るために逆に無鉄砲に、極端な陽性食に走りがちである。肉、鳥肉、卵、チーズなどは、体内環境を酸性に傾かせるので、食べないようにする。ただし白身魚に限り、時たま少量を食べるぶんはさしつかえない。冷凍食品、冷たい飲料、刺激性の強い香辛料、刺激作用のあるハーブとハーブ茶、それからじゃがいも、トマト、なすなど熱帯を原産地とする野菜は、症状を悪化させるのでやめなければならない。

逆にいえば、玄米を毎日食べなければいけないということである。玄米をはじめ完全穀物には、化学結合してストロンチウム90などの放射性物質を体外に排出する働きをもつ成分が含まれている。味噌汁や海藻にも、同様の働きをするミネラル分が含まれている。一般的に、放射線がんにはより塩分の濃い、つまりより陽性の食事法にしなければならない。選ぶべき食べ物、料理法、調味料は、いずれもより強い性質のものにし、より凝縮的な力を与えるようにすることである。

もしも核爆発や核事故で被曝した場合には、その規模の大小に応じて、食事法の期間が数日から数週間以上延長されることもある。症状の重度によっては、さらに細かな食事内容が検討されねばならないだろう。核爆発が大きければ(このことに関しては、「そのほかの注意点」で述べる)、その場所から避難するのはもちろんのこと、事故から百マイル以内にいる妊婦と子どもは、ただちにその場を離れなければならない。

核爆発および核反応が半径30マイル以内の時

核爆発および核反応が半径30~150マイル以内の時

核爆発および核反応が半径150マイル以上の時

こうしたことから、放射線関連のがん全般もしくは放射線被爆の予防と回復のために、一般的に勧められる食事法は以下のとおりである。

完全穀物

一日の食事のうち、重さにして50から60パーセントは、完全穀物にする。まず一日目は、短米種の玄米を圧力炊きし、次は玄米に20から30パーセントのきび、その次は20から30パーセントの大麦、その次は玄米に20から30パーセントの小豆かレンズ豆を混ぜて炊き、そしてまた最初に戻って玄米のみを炊く。炊いた残りの玄米で、おいしい朝のお粥ができる。調理方法は、水を加えて火にかけ、ご飯が軟らかくなったら少量の味噌で味付けし、さらに二、三分弱火で煮てできあがる。完全穀物を通常圧力炊きする時は、穀物1に対して水の分量は2である。それから、小さな切手サイズの昆布を入れる。もしくは、患者の体調によっては昆布の代わりに海塩を爪の先少々入れてもよいかもしれない。一ヶ月を過ぎたら、野菜を入れた胡麻油いための玄米チャーハンや穀物ご飯チャーハンを、一週間に1、2回食べるとよい。それ以外の穀物、全粒小麦、ライ麦、コーン、オーツ麦なども時々食べるられるが、オーツ麦は最初の一ヶ月間は食べてはいけない。ソバの実とセイタンは、適度に食べてよい。良質のサワードウ・パンを週に2、3回楽しむとよいだろう。うどんやソバなどの麺類も、週に2、3回食べてよいが、堅焼きの食品、例えばクッキー、ケーキ、パイ、クラッカー、マフィンの類は、症状が改善するまで一切食べてはいけない。。

スープ

一日の食事のうち5から10パーセントは、お汁にする。味噌汁あるいはすまし汁を一日に1、2杯飲むようにする。具にはワカメと玉ねぎや人参など色々な地上菜を組み合わせ、味噌か醤油で味付ける。(お汁一杯につき大さじ4分の1から大さじ半の割合)時々、しいたけを少量お汁に入れてもよいだろう。使う味噌は、麦味噌か玄米味噌か八丁味噌であるが、それらは自然な方法で二、三年熟成させたものでなければならない。甘さへの欲求を満たすために、かぼちゃ、キャベツ、玉ねぎ、人参などの甘味野菜を使ったきびスープを頻繁に飲むとよいだろう。そのほかに、穀物を使ったスープ、豆を使ったスープなども、色々と楽しむことができる。時には、白身魚か干物小魚を少量、野菜、海藻、(または)穀物といっしょにお汁にして食べてもいだろう。

野菜

一日の食事のうち20から30パーセントは、料理された野菜を食べる。一般に、葉野菜と地上付近にできる丸くて硬めの野菜、それに根菜類を、毎日均等に食べるようにする。調味は、海塩か醤油か味噌を適度に使って味付けする。最初の一ヶ月を過ぎたら、未精製の植物油とりわけ胡麻油で野菜を炒め、週に数回食べてもよい。が、油の量は多くしない。原則として、以下の料理を食べるようにする。ただし、頻度は人によって変わるかもしれない。煮〆野菜を週に4回、「小豆・かぼちゃ・昆布」を週に3回、切干大根1カップを週に3回、人参と人参葉または大根と大根葉を、週に3回、湯通し野菜を週に5から7回、浅漬サラダを週に5から7回、蒸し緑野菜を週に5から7回、炒め野菜(最初の一ヶ月は水炒め、その後は少量の胡麻油で炒める方法で)週に2、3回、きんぴらは、最初の三週間は水炒め、その後は油炒めの方法で、3分の2カップを週に2回、野菜と豆腐もしくは高野豆腐かテンペかセイタンを、週に2回、である。

一日の食事のうち5パーセントは小型の豆類、小豆、レンズ豆、ひよこ豆、黒大豆を、昆布などの海藻類あるいは玉ねぎや人参などの野菜といっしょに料理して、いつも食べるようにする。それ以外の種類の豆は、合わせて月に2、3回ていど食べてもよいだろう。味付けには、少量の未精製の海塩か醤油か味噌を使うこともできる。テンペ、納豆、高野豆腐、豆腐などの豆製品も、食べ過ぎないように時々楽むとよい。

海藻

一日の食事のうち5パーセントかそれ以下は、海藻料理を食べる。ワカメ、昆布は、穀物を炊く時あるいはスープに入れるなどして毎日食べるようにする。あぶった板のりも、毎日食べてよい。ヒジキかアラメを使った箸休めの副菜は、週に2回ていど、そのほかの海藻は、補助的に取ってもよい。海藻は、放射線関連の病気にはとてもよく効く。しかし量を多くし過ぎたり、味付けを濃くし過ぎない。でないと、腫瘍を硬くするかもしれない。

薬味ふりかけ

卓上薬味ふりかけとして、まず、塩1に対して胡麻18の割合(二ヶ月を過ぎたら1対16にする)の胡麻塩を、それからケルプかワカメのふりかけ、梅干(放射線関連の症状にとても良い)、鉄火味噌も常備しておく。それ以外のマクロビオティックで常用するふりかけも、欲しければ使ってよいだろう。薬味ふりかけは、ご飯や野菜料理にいつも使えるが、量は控えめにし、自分の味覚に合わせ食欲を調節するようにする。

漬物

色々な種類の自家製の漬物を、日替わりで常食する。量は一日に大さじ1杯ほどが適当である。塩分の多い漬物は、最小限にした方がよい。

動物性食品

肉、家禽、卵、そのほかの強い動物性食品を食べていけない。黒色腫の人は、魚貝類も食べてはいけない。白身魚なら、一週間に1回少量食べてもよいだろう。魚の料理方法は、蒸す、煮る、熱湯にくぐらせてから大根おろしか生姜汁を振りかける方法がある。二ヶ月を過ぎたら、欲しい時には魚を食べる回数を一週間に2回に増やしてよい。青肌魚、赤身魚、全ての甲殻類と貝類は、厳禁である。

果物

果物は熱帯産、温帯産いずれも、症状が改善するまで食べなければそれに越したことはないし、食べても少なければ少ないないほどよい。しかし、どうしても欲しい時は、海塩を爪の先少々加えて加熱調理したものか、ドライフルーツ(調理した方が好ましい)を少量食べてもよいだろう。果実ジュースとサイダーの類は、一切いけない。

お菓子とおやつ

お菓子とおやつは、症状が改善するまでは、良質のマクロビオティック・デザートであっても一切食べてはいけない。甘さへの欲求を満たすために、甘味野菜を毎日料理に使い、スウィートベジタブル・ドリンク(特別の飲み物と料理を参照のこと)を飲み、スウィートベジタブル・ジャムを作る。もち、おにぎり、巻き寿しなど、主に穀物から作られたおやつを頻繁に食べるとよいだろう。米せんべい、ポップコーンなど乾燥した焼き菓子は、腫瘍を硬くするかもしれないので控えなければならない。それでもどうしても甘いものが欲しい時は、甘酒、麦芽糖、米飴を少量使って、満足させるようにする。

種子とナッツ

栗以外のナッツとナッツバターは、脂肪と蛋白質を多く含んでいるので、食べてはいけない。塩を使わず煎っただけのひまわりの種やかぼちゃの種は、おやつになる。量は、一週間にカップ1杯ていどにする。

調味料

未精製の海塩、醤油、味噌などの調味料を使うさいは、適量を心がけ、余計なのどの渇きを生じさせないようにする。味醂とにんにくは使わない方がよい。もしも食後または食間に非常にのどが渇くようであれば、調味料の使用を控えてのどが渇かないようにする。

飲料

飲み物については、第一部で示された指針に従い、茎番茶を常飲する。リスト中「時々」と「避けるべき」項目に含まれる飲料は、厳しく飲むことを慎まねばならない。穀物コーヒーも、この食事法を始めて最初の二、三ヶ月間は飲んではいけない。

食習慣に関して最も大切なことは、食べ物が口の中で液状になるまでよく噛み、唾液とよく混ぜ合わせることである。噛んで噛んで最低でも一口五十回、さらに百回噛むのが望ましい。また食べ過ぎを慎み、就寝三時間以前に食べないことも大切である。 第二部の序文で述べたように、医療機関で治療中か治療を終えたばかりの人には、さらにきめ細かな食事指針が必要かもしれない。

特別の飲み物・料理

放射線被爆がんに適した特別な飲み物と料理を用意してほしい。以下のものを少量取れば、血液の質が改善する。

スウィートベジタブル・ドリンク

最初の一ヶ月間、毎日コップ一杯飲む。二ヶ月目は3日に1回飲む。

梅しょう葛

コップ一杯の梅しょう葛ドリンクを、2日に1回二週間飲み、その後三週間から四週間は毎日カップ1杯飲む。この飲み物は活力を与える。

大根おろし

大根を半カップすりおろし、醤油2、3滴たらして週に2、3回食べる。

塩昆布

千切り昆布(1インチ四方)を、水と醤油がそれぞれ半カップずつのだし汁に入れて火にかけ、汁気が完全になくなるまで煮〆る(たいてい2時間から4時間)。これを毎日数切れご飯に添えて食べる。

鯉こく

このお汁は、とても体力をつける。鯉まるごと一尾にごぼうのささがきを加えていっしょに煮、味噌と少量の生姜汁で味付けた鯉こくを、スープとして週に2、3回、数週間飲むとよいだろう。詳しい作り方は、第三部で紹介する。

玄米クリーム

食欲不振の時、何も加えないで炊いただけの玄米粥に、ごま塩か梅干か鉄火味噌をを添えて、1日に2、3杯食べるとよいだろう。玄米粥は、日々の食事の中で、完全穀物の献立として時々食べてもよい。

手当て法

布摩擦

腹部と脊椎部分を含む体全体を、布で摩擦する。熱い絞りタオルで擦ることによって、血液、リンパ、体液の循環が良くなり、心身のエネルギーが活性化する。

腫れ対策

放射線関連のがんでは、時々脾臓と腹部が腫れることがある。これは一つには食べ過ぎが原因である。とりわけ蛋白質と、飲料、調味料、薬味の過剰摂取が大きく影響している。そこで、こうした場合には数日から長くて十日間食事を簡素にする。この期間中の一日の食事は、圧力炊き玄米と麦、味噌汁1、2杯、大根と大根葉を海塩と米糠で長期間つけた(少なくとも二ヶ月以上)糠漬を少し、玉ねぎ、人参、キャベツなどの野菜を胡麻油で炒めた料理を一皿、番茶を数杯だけにする。しかし、このような制限食を実践するさいには、経験あるマクロビオティック教師か医療関係者の監督なしに十日間以上続けてはならない。

そのほかの注意点

核放射能

もしも万が一、核放射能の事故、爆発、戦争での爆弾などによって避難しなければならなくなった時には、以下の点を守ってほしい。

コンピューター

がんを含む重い病気を患っている人は、コンピューターを一切使用してはいけない。もしも事情によりそれができないなら、健康が回復するまでコンピューターの使用を一日30分以内に制限すること。コンピューターの害を少しでも減らすには、以下のことを実行するとよい。

テレビ

がん患者の人は、テレビを全く見ないか、見ても一日30分以内にし、画面から最低10フィート離れた方がよい。

                                            
電磁波変動幅と健康・疾病
周波数 適用 関連症状
(電離化)
ガンマ線 10×(21~22)乗 原子力 白血病、脳腫瘍、リンパ腫、出産障害、遺伝子損傷
X線 10×(17~20)乗医療検査 白血病、乳がん、生殖器疾病、遺伝子損傷
紫外線 10×(15~17)乗消耗オゾン層からの太陽光、太陽灯 皮膚がん
(非電離化)
可視 10×(14~15)乗自然光、木、ガス、石炭、木炭からのエネルギー 健康的
赤外線 10×(12~14)乗
マイクロ波 10×(10~12)乗レーダー、衛星、電子レンジ、コンピューター 熱障害、眼の疾病、特定のがん、出産障害
UHF 10×(8乗)通信、コンピューター 色々な不調
VHF 10×(7乗)通信、コンピューター 色々な不調
HF 10(6乗)通信、コンピューター 色々な不調
LF 10×(5乗)通信、コンピューター 色々な不調
VLF 10×(4乗)通信、コンピューター 色々な不調

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