砂糖ロビーが組織を脅かし健康への影響を示す研究を葬り去っているゼエ・シュランガー

原文:『Report:The Sugar Lobby Threatens Organizations,Buries Science on Health Effects』 by Zoe Schlanger
出典:『ニュー ズウィーク』2014年6月27日号

砂糖の多量摂取が、心臓病や肥満をはじめ数多くの病気につながることは周知である。にもかかわらず、砂糖は合衆国で最もよく使用されている食品添加物である。われわれが口にするどんな加工食品にも、ほとんどすべてといってよいくらい砂糖は惜しげもなく添加されている。いったいどうして砂糖添加を管理するアメリカの食品政策に、こうした事実が反映されないのだろうか?

製糖業界である。憂慮する科学者同盟・科学と民主主義センターが発表した最新の報告によれば、砂糖協会やトウモロコシ製糖協会といった甘味料を販売する企業に代表される産業界の団体は、自分たちの製品を食べることによって引き起こされる好ましくない健康への影響を示唆する研究に対抗するために、何百万ドルもの巨費を投じた。

例えば、南カリフォルニア大学が2013年に行った研究で、ソーダのなかに含まれる果糖コーンシロップの実際の値が、表示ラベルに記された値よりも「大幅に変わっている」ことが判明したとき、トウモロコシ製糖協会はこれに対抗する研究を自らの資金で立ち上げた。コンサルタントらは、研究結果が南カリフォルニア大学の研究結果と対立するという彼らの目的にかなったときのみデータを公表するように指示した。

「いかなる理由であれ南カリフォルニア大学の研究結果を指示する結果が得られたときにはそのデータをただちに破棄すべし」とコンサルタントが記していたことを報告書は伝えている。

もうひとつの例は、砂糖協会会長が2003年にWHO長官に送った手紙から引用されている。当時WHOは、添加砂糖が「食事の栄養的な質を脅かしている」として、添加砂糖量を10パーセント以下に制限することを推奨する報告書を発表したばかりであった。その手紙には、もしもWHOがその報告書を引っ込めなければ国会にWHOへの資金提供をやめるように働きかけることを示唆する文章が書かれていた。

砂糖協会とそのほかの貿易団体も、保健社会福祉長官トミー・トンプソンに、この件に関して「個人的に干渉する」ように要求する手紙を書き送った。こうした脅しとロビー活動は効き目があったようだ。翌年WHOが食事と健康に関する全世界的な健康計画を発表したとき、砂糖に関する研究には言及がなかった。

科学的研究を過少評価する工作活動はとても効果的だったので、砂糖の害から体を守ることについての一致した見解は存在しないと、2012年にマザージョーンズが発表した砂糖広報広範囲調査報告は述べている。主要な砂糖広報活動が開始されて後の肥満と糖尿病の傾向はとてもはっきりしているように見える。

「業界の広報活動と、食卓砂糖(蔗糖)と高果糖コーンシロップ(HFCS)を含むカロリー甘味料の大幅な摂取増大はおおむね一致する。砂糖摂取量の増加は、砂糖と関連する慢性疾病の爆発的増加をともなう結果となっている。1970年以来、合衆国の肥満率は二倍以上、糖尿病の発症率は三倍以上となった。」

イギリスでは政府の栄養に関する科学的諮問委員会が、肥満と2型糖尿病を予防するために砂糖摂取量を上限値の半分、5パーセントから10パーセント減らすことを求める報告書原案を発表した。

アメリカ疾病管理センターによれば、2005年から2010年までの間添加砂糖は平均的アメリカ人の食事のざっと13パーセントを占めた。

十数年後にはおそらくアメリカ人は、現在国全体がばんばん砂糖を過剰に摂取している状況を、かつてタバコが栄華をきわめた時代にそっくりだと振り返ることになるだろう。その時代、世界中でだれもが気にせずにタバコを吸っていた。そしてその背後では、巨大なタバコ産業が暗躍していたのだった。

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