牛乳はダメ?

~牛乳の健康的側面を見る~

原文:『Not Milk? ~a look at the health aspects of milk~』
出典:ユタ動物の権利同盟パンフレット(2004年以前)

牛乳はダメかって? ダメ、じゃないですよ。あなたが、体重110ポンド(約50kg)の生まれたばかりの子牛で、胃袋が4つあり、47日以内に目方が倍になり一年以内には300ポンドを超えることを予定しているならば・・・。牛乳は、人間にとっては不自然なものである。どんな動物でも、乳幼児期をすぎてから乳を飲まない。また、種を超えてほかの動物の乳を飲むこともない(例外は飼い犬と飼い猫だ。彼らはそう躾られている)。

牛乳は完全食品である、という乳業界の広告は、事実無根であり、人種差別でもある。真実は、世の中の大多数の人々は、牛乳を消化することさえできない。人は、牛乳に含まれる乳糖ラクトースを、体内でラクターゼという酵素で分解しなければいけないのだが、人体は乳幼児期をすぎるとラクターゼの分泌が止まってしまうのである。

栄養人類学者によれば、今から約一万年前の人類の大人は、全員乳糖不耐性症であったという。成人しても乳を消化する能力があるのは、おそらく北部ヨーロッパ人の間で遺伝的に突然変異が起きたからだと考えられている。その結果、世界の人口の3分の2が、乳を消化できない。乳糖不耐性症の割合は、白人系アメリカ人約22%、アフリカ系アメリカ人約65%、アメリカ先住民約95%である。ベトナム人は100%、牛乳を消化できない。

このように、牛乳は大部分の人々にとって必要なものではなく、飲むことを勧められるようなものでさえない。それゆえ、乳業界が宣伝している「牛乳はだれにとっても良いものである」というのは、事実無根であり、なおかつ人種差別なのである。

牛乳を飲んじゃダメなの?

私たちは、牛乳を飲んではダメだ!といっているわけではない。ただ、牛乳についての知識を伝えたいのであり、私たちの信条を押し付けるつもりはない。牛乳についての嘘と強制は乳業界に任せることとして、私たちがなぜ牛乳を否定するのかその理由を読んで、あなた自身が結論をだしてくれればよい。

コレステロール

人は、食物からコレステロールを摂取する必要など全くない。牛乳はどのように加工されていようが、脂肪分が取り除かれていようが、コレステロールの含有量はとても多い。高コレステロールが、合衆国の死亡原因の1位である心臓病の犯人であることは、疑う余地がない。牛乳に含まれているコレステロールは、先天的に敏感な体質でなければ有害ではないだろうが、全く不必要なものであり、それゆえ不健康なのである。

脂肪

脂肪分を一切除かないかぎり、牛乳に含まれている飽和脂肪酸はとても多い。生乳のカロリーの48%が、脂肪分で占められている。牛乳では、全体の2%を占める脂肪が、カロリーに換算すると34%に相当する(重さでは2%)。脂肪分、とりわけ動物性脂肪は、明らかに心臓病の犯人であり、乳がんの原因である。

糖尿病

糖尿病にかかりやすい遺伝子をもっている場合、乳幼児期の早いうちから牛乳を摂取すると、インスリン依存型糖尿病の危険が高くなる。というのは、こうした子どもたちは、膵臓のベータ細胞を破壊する牛乳蛋白質に対抗する抗体を体内で作ると考えられるからである。インスリンを作るのは、このベータ細胞である。14歳までの子どもを対象にした最近の研究では、乳幼児期から子ども時代を通じて牛乳を摂取すると、糖尿病にかかる危険が2倍高くなるという。

でも、強い骨のため牛乳が必要よ

乳業界は、骨を強くし骨粗しょう症にならないためには牛乳が必要だと、繰り返し述べてきた。確かに、人の体には毎日カルシウムが必要であり、牛乳に多量のカルシウムが含まれているのも事実である。しかし、乳業界が私たちに黙っていることは、牛乳を飲むと実際にはカルシウムを大量に消費し、それゆえ多量のカルシウムを摂取する必要が生じる、ということである。

アメリカ合衆国は、世界でも有数の骨盤骨折の率が高い国である。このことは、直接的に骨粗しょう症とアメリカ人の食事に関係している。とはいえ実際には、カルシウム摂取量と骨盤骨折率とは反比例する。アメリカは世界のほかの国々と比べて、骨盤骨折率が非常に高い国であるばかりでなく、乳製品と動物性蛋白質の摂取量も多いのである。そこで尿や便に排泄されるカルシウム量が多くなり、このことが骨の健康を損ない、骨折を引き起こす真の原因になるのである。

蛋白質がカルシウムの排泄に及ぼす影響は、目を見張るものがある。例えばある研究では、蛋白質の摂取量が142gのとき、カルシウムを一日1400mg(RDAの推奨値は800mg)も摂取していながらカルシウムが体内から減る。ところが、一日500mgのカルシウム摂取量しかないのにもかかわらず、蛋白質の摂取量を48gにすると、カルシウムが蓄積されるのである。一般的にいえば、蛋白質の摂取量が100%増えると、カルシウム消失量はその倍になる。

動物性蛋白質を摂取するよりも、植物性蛋白質の方が容易である。カルシウム分に富んだ植物性食品は、数多い。

食品 カルシウム含有量(mg)
牛乳(1カップ) 300
ネイビー豆(1カップ) 128
黒豆(1カップ) 103
大豆(1カップ) 175
胡麻(大さじ2杯) 176
コラードグリーン(1/2カップ) 178
ケール(1/2カップ) 90
かぶ葉(1/2カップ) 125
干いちじく(5個) 258
強化オレンジジュース(1カップ) 300
イングリッシュマフィン(1個) 92

乳製品をやめるなんて、できない

あなたが考えるほど、乳製品をやめるのは難しくない。今では色々な擬似乳製品がたくさん、食料品店で売られている。豆乳と米乳が最も一般的であるが、ナッツミルクが売られている地域もある。乳製品から作られた製品なら、ありとあらゆるそれに代わる擬似製品が出回っている。

乳製品を使わずに作られた「チョコレート」、「アイスクリーム」、「チーズ」、「マヨネーズ」、「マーガリン」、「サワークリーム」など、あなたの家の近くの自然食料品店で簡単に入手できるはずである。

料理をする熱意があるなら、乳製品を全く使わない料理本がたくさんでている。本を買いたくなければ、擬似乳製品の食品を使って、好きなものを自由に作り、新しいレシピを自分自身で開拓してもよいのである。

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