休 憩 室
―a_resting_room―
ここはアリエス亭の休憩室です。
オーナーとシェリーの日常と雑談、不定期連載ショートストーリー・・・なのか?(苦笑)
「 GWのにぎわい 後編 」
2006/05
前回のおおまかなあらすじ
といっても、前回掲載より2年以上も経過してしまい、作者自体内容を忘れています(爆)
2年に一回のGW(ゴールデン・ウィナー) 王国内外から武道・芸・知識などありとあらゆる分野の人が集まり、
それぞれの分野に分かれて数多くの大会が開かれていた。 そのメインイベントである武闘大会で優勝したのはオーナーの顔見知りの
“シーラさん”だった。 大会後の夜、シーラーさんがアリエス亭に訪れたところから今回の話は始まります。
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・ ・ ・ 武闘大会後の夕方 シーラさん来店 |
オーナー |
それでは、久しぶりの再開と、シーラさんの武闘大会優勝を祝って、かんぱ〜い! |
シェリー |
乾杯ぃ〜! |
シーラ |
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ゴクゴクッ ふぅ〜おいしい。 | |
じぃーーーー・・・・ | |
どうしました、シェリーさん? 私の顔に何かついてます? | |
あっ、いえ、こんなにキレイな人なのに、あんなに強いんだなと思って・・・すみませんv | |
ふふっ、ありがとう。 でも、シェリーさんもかなりのものですわよ。 (ウインクしてみせる) | |
えっ? それって・・・ | |
ところで、シーラさんは今回はGWの武闘大会のために来られたんですか? | |
ええ、まぁ。 でも本当は料理大会に腕試しに来たのですけど、旅の途中で時間が掛かってしまい、着いた時には参加を締め切られていたあとでしたわ。 それで、せっかく来たのでと思って武闘大会の方にでもと。 | |
そ、そうですか・・・。 | |
それで優勝しちゃうんですから、すごいですね。 料理大会ということは、シーラさんは料理人さんなんですか? | |
前にうちでも短期間だけど働いてもらっていたこともあってな、厨房を担当してもらたんだけどそれはもう大好評だったよ。 | |
そうなんですかぁ、私も食べてみたかったです。 | |
シェリーさんには明日にでも作ってさしあげますわ。 | |
ほんとうですか、ありがとうございます♪ | |
(あえて何も言うまい・・・) 註:シーラさんの料理はめちゃめちゃおいしいのだが、原材料が不思議素材だったりするのだ・・・知らぬが仏 前にお会いしたときからだいぶ経ったので、もうどこかの街でお店を構えられたものだと思っていましたよ。 |
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いえ、まだまだ未熟者ですわ。 それに一箇所に留まっていると新鮮な食材を手に入れられませんので。 それらを求める旅をして、その地で料理をして食べてもらうのが一番ですもの。 | |
流通経路の発達で、季節に関係ないくどこからか食材が手に入るような時代になりましたからね。 旬のおいしいものを、という気持ちをつい忘れてしまいますね。 | |
便利な世の中にはそれなりの代償はつきものですよ。 | |
しばしシーラさんの旅の話しなどで談笑が続く 夜も更けて・・・ |
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ふぅ〜食べた食べた。 | |
ほんとおいしかったので少しばかり食べ過ぎてしまいましたわ。シェリーさん、ごちそうさまでした。 | |
いえ、おそまつさまでした。 さて、それでは食後のお茶を用意してきますね。 パタンッ(部屋を出て扉を閉める音) |
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・・・で、シーラさん。今回の来られた本当の目的は怪盗『ナイトメイヴ』ですよね・・・。 註:ナイトメイヴ 近年近隣諸国を騒がす怪盗。予告状を出し狙った獲物は逃さない。盗みはするが人に危害を及 ぼすことはない。姿をはっきり見たものはほとんどおらず、男か女かすらわかっていない。 |
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あら、やっぱりわかってしまいましたわね。 | |
ええ、まぁ。 いつか合流されるだろうと聞いていましたから。 | |
今回のGWのような人の集まるときは得られる情報も多いですものね。 オーナーさんのところは情報入りましたか? | |
いえ、うちの酒場で得られる情報はやっぱりあてに出来ませんね。 ほとんどが噂話ばかりで何度か話に出た場所とかも当たりましたが全くかすりもしませんでしたよ。 ただ基本的なことで、ここ数年ナイトメイヴが近隣の国で騒ぎを起こしているのをチェックしてみた時に、今事件が起きている場所はどうもこの街からそう遠くない場所ばかりなんですよね。 |
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ええ、かなり前の事件を調べたときもどこかの街を拠点に周囲で事件を起こし、しばらくすると離れているようですわ。 | |
となると今はこの国、街の周辺にいるという可能性もあると・・・。 | |
憶測の域は出ないのですけれどね。 | |
あと、気になるのは、この怪盗って予告状をかなり前から出しますよね。 | |
ええ、キルシュ王国に届いたのはもう半年以上前ですしね。 | |
そこなんですけど。 キルシュ王国に予告状が届いた日と同じ日に、全く正反対の方角でナイトメイヴによる盗難事件が起きてたんですよ。 徒歩で2ヶ月以上掛かるくらい離れた場所で・・・。 | |
細かい日付けは聞いていなかったのですが、そんなことがあるのですね。 予告状は送られてくるのではなく、必ず盗む品物の前に置かれると聞いてますわ・・・。 | |
それを考えると、一人ではなく複数犯ということになりませんか? 事件として情報が入るまでに数日伝達の時間が掛かっているせいで予告と事件が重なっていたことがあまり取りざたされませんけど。 | |
そうかもしれませんわね・・・。 目撃証言は非常に少ないのだけど、2人の人影らしきものを見た、というのはありましたもの。 | |
う〜ん、謎は深まるばかりか・・・有力な手がかりってなかなかないものだな。 | |
・・・・・・ (部屋の扉の外に立って動きを止めている) | |
それにしてもシェリーのやつ遅いな・・・ちょっと見てきます。 (ドアを開ける) | |
きゃっ! | |
おっと、大丈夫か? | |
はい、大丈夫です。 すみません、水汲みに手間取って遅れちゃいました。 (お盆を抱え直す) | |
そうか・・・おっ、いい香りだな〜。 | |
街がにぎわったお陰でいろいろ珍しいお茶の葉が手に入りましたからね〜、シェリー特別ブレンドです♪ | |
珍しいって・・・大丈夫なのか? | |
し、失礼な! お茶で失敗したことはありませんよ! | |
お茶“で”はな。 | |
“で”を強調しなくてもいいじゃないですか。 オーナーの意地悪! そんなこと言うなら飲ませてあげません! | |
うっ、すまん、私が悪かった・・・。 | |
ふふふっ♪ | |
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??? |
ど、どうしたんですか急に? | |
ごめんなさい、ちょっと昔を思い出しちゃって。 オーナーさんって変わりませんわね。 | |
そっ、そうですか? 昔・・・ああっ、あの頃とこの環境は変わっていないな〜、ははっ。 | |
? 何ですか、二人だけで納得してー。 | |
いやスマン。 シェリーが居てくれるおかげでアリエス亭はいい雰囲気を保てているってことだよ。 | |
何かしっくりきませんけど、そういうことなら、まぁよしとしておきます (ちょっと照れる) | |
さて、夜も更けてきたからお茶したら休みましょう。シーラさんは大会にも出てお疲れでしょうし。それでシーラさんはいつ発たれるんですか? | |
明日1日はゆっくりして、明後日には発とうと思っています。 | |
そうですか、もっとゆっくりしていってほしいんですけどね。そうもいきませんね。 | |
いろいろ教えてもらいたかったのに、残念です。 | |
では、明日一緒に街へお出かけしませんか? シェリーさんと一度ゆっくりお話ししたいと思っておりましたの。 | |
ほんとですか、オーナー、行ってもいいですか? あっ・・・まだGWの余韻で人多いから忙しいですよね…。 | |
まぁ、ピークは過ぎたし、かまわんよ。 | |
ありがとうございます。 | |
迷子になってシーラさんに迷惑かけるなよ。 | |
もう! そんなお子様じゃありません! | |
そうか? だってお前方向音痴だろ? もともとアリエス亭に来たのだって…。 | |
そ、それはですね…って、今さらそんな話引っ張り出さなくてもいいじゃないですか! | |
ふふふっ♪ | |
ち、違うんですよシーラさん。別に方向音痴とかじゃくてですね…、あぁ〜そんな温かい目で見つめないでーーーー。 | |
まだまだ今日は眠れそうに無いな(笑) (でも、最初の頃に比べればシェリーも変わったよな・・・) |
シーラさんを見送ってから数週間後、オーナーとシェリーはラ・セウル王国へ旅立って行く。
果たして、そこでは一体何が待っているのか・・・。
次回 「 旅の途中 」
お楽しみに!
・・・次はいつになるのだろうv(不安)