シェリーのお茶会
第1回 ティータイム
―Sherry's Tea Time―

 

紅茶も緑茶も「お茶」のうち

 コーヒーが「コーヒーの木」から作られるように、緑茶は「緑茶の木」から、紅茶は「紅茶の木」から作られると思っている人は、意外に少なくないのではありませんか。
 実はこれらは、同じ「茶」の木から作られています。
チャ(学名:Camelia Sinensis(L)O. Kuntze)はツバキ科の常緑樹。 楕円形の葉が互生し、秋には白い花をつけます。
 栽培品種は紅茶向きのアッサム種、緑茶向きの中国種など多くあり、製造工程の違いによって、さまざまなお茶が作られます。
簡単にいえば、茶葉を完全に発酵させたものが紅茶(完全発酵茶)、紅茶ほどではなく、短時間の発酵によって作られるのがウーロン茶などの半発酵茶、発酵させずに蒸したり煎ったりするのが、もとの葉色を持った緑茶です。
つまり、紅茶もウーロン茶も緑茶も、みんな「ティーファミリー」の一員というわけですね。


イギリスの紅茶の時間割

 イギリスが育てた紅茶の文化(※1)は、イギリス中の人々の日常生活に深く広く浸透していきました。 紅茶を飲む季節や時間、場所によって、紅茶の種類を変えるだけではなく、器などティーアクセサリーも演出する・・・そんなこだわりが、上品でゆったりとしたくつろぎの空間を作り出すのですね。 ここではイギリスの1日の紅茶の時間割をご紹介します。
(※1 紅茶の歴史はヨーロッパからではなく、中国が起源です。 そのお話はまた別の機会に)

『アーリーモーニングティー』
 ベットティーとも呼ばれる、朝の目覚めの1杯。 仕事に出かける夫が、まだ寝ている婦人のもとへ1杯の紅茶を届けてから家を出るという素敵な習慣もあるようです。

『モーニングティー』
 朝食の時に飲む紅茶で、ミルクを入れるのが一般的です。

『イレブンジィズティー』
 ヨーロッパの昼の食事時間は午後1時。 昼食前の午前11時。その日の予定を考えるティータイムです。

『ランチティー』
 イギリスの昼食は、サンドイッチやフィッシュ・アンド・チップス(揚げた白身魚とフライドポテト)といったものが多く、それらといっしょに紅茶を飲みます。

『アフタヌーンティー』
 19世紀、ベッドフォード公爵婦人アンナが、夕食までの時間に空腹になり、紅茶と軽食をとったのが始まり。 それが貴族の社交習慣となり、現在も人を招くときは午前4時ごろからアフタヌーンティーでもてなします。

『ハイティー』
 19世紀、労働者階級の家庭で始められた習慣。 夕方帰宅した夫、子どもにパンや肉料理などといっしょに温かいミルクティーを出したのが始まりといわれています。 現在は、仕事の後や劇場などに行く前の1杯をさすことが多く、ファイブオクロックティーともいわれます。

『アフターディナーティー』
 デザートとともに飲む夕食後の紅茶。 また、寝る前の1杯にブランデーをたらして、くつろぎとだんらんの時間を楽しみます。

参考資料  (株)永岡書店 発行 谷口安宏 監修 「紅茶の時間 とっておきの一杯のために」


「シェリーのお茶会」第1回、いかがだったでしょうか? それではまたこの場所でお会いしましょうね。
よろしければ・・・4コマまんが 「ティータイム」 もどうぞ♪

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