シェリーのお茶会
第3回 紅茶の旅
―Sherry's Tea Time―

 


みなさん、こんにちは。 今日も素敵な午後をお過ごしでしょうか?
(夜は早く寝るシェリーに「こんばんは」はないのですv) 
さて、今回は前2回の捕捉ということで、「紅茶の起源」と「等級」についてお話しますね。


――― 茶葉の旅はここから始まる ―――

 紅茶といえばイギリスの専門店や高価なティーカップを思い浮かべるものですが、その歴史はヨーロッパからではなく、中国が起源なのです。 原産地の雲南省をはじめ長く霊茶として緑茶が飲まれていましたが、17世紀の初頭にその緑茶をオランダ人がヨーロッパに持ち帰り、その後フランスやイギリスに持ち帰りました。 19世紀になると、イギリス人がインドで中国種とは別種のアッサム茶を発見し、当時植民地であったセイロン(現スリランカ)やインドで、このアッサム種と中国種などの交配を試み、半発酵茶からやがて完全に発酵させた紅茶の製法を確立させたのです。

 かつてお茶の栽培は中国と限られていたのが、今や紅茶の産出国といえば、インド、スリランカのほか、インドネシア、東アフリカなどへ拡大しています。
 しかも、これらの国々で栽培される紅茶は、産地の気候、収穫時期、葉の大きさによってそれぞれ違う味や香りを持ち、その種類たるや4000〜5000種ともいわれています。
 収穫時期は産出国によって異なりますが、主に春と秋とされます。 雨季のあるアフリカなどでは乾季が収穫のシーズンです。 もっとも、熱帯地方では、20日もするともう新葉が生えてくるので、毎日のように新鮮な茶葉が生産されているといっていいですね。 さらに、1日のうちでも午前と午後の葉では品質が異なるなど、日当たりや湿度によって葉の質はどんどん変化します。 これらの違いを見分け、品質の違うものをブレンドしたりして、各ブランドの品質や価格を一定の水準に保っているのです。



――― 茶 葉 の 等 級 ―――

 紅茶は産地別やブランドで分類されるほかに、等級(グレード)でも分けられています。 あまり一般的に知られてはいませんが、おいしい紅茶をいれて楽しむには欠かせないものです。
 等級というと、ふつう品質上のランクづけと考えがちですが、紅茶の場合は品質とは関係ありません。 葉の大きさや形によって分類されています。
 なぜかというと、葉茶の大きさや形によって抽出時間に違いがあるからです。 大きな茶葉は時間がかかり、小さな茶葉は短時間ですみます。 抽出時間がまちまちの大小の茶葉がいっしょではおいしい紅茶は入れられません。 そこで品質ではなく、こういった等級区分がなされているのです。


主 な 紅 茶 の 等 級

オーソドックス

  製  法

OP
オレンジペコー
 細長く、よりのかかった大型の茶葉。 一般に茶葉の長さが
7〜11mmのもの。 芯芽のフラワリーを多く含むものはFOP。
インドやスリランカの葉茶に多い。
BOP
ブロークン
オレンジペコー
 OPを揉捻する際にカットし、2〜4mmに仕上げた茶葉。
色や香りがOPより強く出る。
BPS
ブロークンペコー
スーチョン
 ペコースーチョンをカットしたもの。
主に増量用に使われることが多い。
BOPF
ブロークン
オレンジペコー
ファグニッション
 BOPをふるいにかけたときに落ちる1〜2mmくらいの茶葉。
BOPより香りも水色も強く出る。
ティーバックに使われることが多い。

ダスト
 ファグニッションよりさらに細かい1m以下の粉状茶葉。
ほとんどがティーパックに使われる。
CTC製法  細かい粒状で、ティーパックに使われる。
アフリカの茶葉のほとんどがこのタイプ。

 

                                

 上に挙げたもののほかに「TG」や「G」がついたTGFOPやGBOPという等級もあります。 TGは Tippy Golden のことで、ゴールデンティップと呼ばれる金色の新芽がたくさん入ったものです。 特定の時期にしか収穫できない貴重品で値段も高くなります。
アッサムのTGBOP
ゴールデンティップとシルバーティップ
 ゴールデンティップは、ファーストフラッシュの新芽が黄色がかったもの。 収穫できるのは短い期間に限られ、珍重されています。 ちょっと黒っぽく灰色がかったものもあり、こちりらはシルバーティップと言われています。

                  

「シェリーのお茶会」第3回はここまでです。 次回は 「紅茶は鮮度がいのち!」 でお会いしましょう。

参考資料  (株)永岡書店 発行 谷口安宏 監修 「紅茶の時間 とっておきの一杯のために」

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