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こんにちは。 夏が本格的に感じらてるようになったこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
ワールドカップによって注目が世界へ向きましたので、世界の紅茶ものぞいてみましょう、ということで、これから 「世界の紅茶・紅茶の世界」 について、今回と次回、次々回の3回に分けてお話をさせて頂きますね(いっぺに書くと長いのですv)。 今回はインド地方の紅茶を取り上げます。
――― 産地別紅茶の種類と特徴 ―――
§§§ インド §§§
19世紀、イギリスの開拓により紅茶生産が始まって以来、今や紅茶の生産としては世界一を誇っています。 輸出以外に自国の諸費も多く、街のいたるところチャイ(ミルクティー)を飲む人の姿がみられます。
産地はヒマラヤ山脈の高地ダージリン、紅茶栽培発祥の地アッサムが特に有名。 さらにネパール国境に近いドアーズ地方、南のニルギリなどで作られ、これらの地名がそのまま商品名に用いられています。 インド茶葉は、それぞれ独特の香りがあり区別しやすいのが特徴です。
☆ダージリン Darjieeling
世界三大銘茶のひとつ。 その麗しい香りと風味から「紅茶のシャンパン」と称され、世界の紅茶のファンを魅了し続けているダージリン。 その故郷はヒマラヤ山岳地帯。 標高約2000mの地から急傾斜の斜面に栽培されています。 昼間は直射日光が照りつけ、朝晩は冷え込むという気候が、ダージリン特有の「マスカットフレーバー」を生み出す条件ともなったいます。
4〜5月に収穫される「一番摘み=ファーストフラッシュ」にはFOタイプの茶葉が含まれ、新茶ならではのすがすがしい香りと、やや緑がかった妖艶な水色(すいしょく・紅茶の色のこと)が特徴。 茶葉の開きが早いので短めに抽出し、ストレートティーで楽しみます。
6〜7月ごろに収穫される葉は「二番摘み=セカンドフラッシュ」といい、茶葉の多くはOPタイプ。 水色は赤みがかったオレンジ色をたたえ、渋みがあり深い味わい。 ミルクティーに最適です。
「秋摘み=オータムナル」のものはワインレッドに近い水色で、渋みがあって香りがよく、多くはロイヤルミルクティーに使われます。
☆アッサム Assam
ダージリンよりもさらに東、ブータン国境に近いアッサム地方は、世界最大の紅茶の産地。 気象条件のよい平地で栽培され、収穫時期は3〜11月ごろです。
なかでも6〜7月ごろに収穫されるセカンドフラッシュの紅茶は澄んだ赤色で、上品な香りと濃厚な味わいです。 ストレートティーはもちろん、ミルクティーにもよく合います。 80%がCTC製法のもので、ブレンドの原料として使われるほか、ティーバッグに使用されます。
☆ニルギリ Nilgiris
ニルギリ地方はインド南部、アラビア海に面した西ガーツ山脈の丘陵地帯。 ここで栽培される紅茶の味は、スリランカに近いこともありセイロンティーに似ています。
年を通じて収穫され、特に12〜1月ごろのものが良質といわれていますが、80%がBOPで、ブレンド用にも使用されます。 水色は澄んだオレンジ色。 独特の芳香と舌に残る味わいはミルクティーやアイスティー向きです。
☆ドアーズ Dooars
アッサムの西にあたるドアーズの紅茶は、水色は濃いオレンジ色ですが渋みや香りはなく、さっぱりとした味です。
収穫のシーズンは3〜11月ごろ。 秋に収穫されれるものが良質。 ほとんどがフレンドティー用かティーバッグ用として作られています。 ストレートティーでもミルクティーでも楽しめます。
――― 紅茶のそれなりにマメ知識? ―――
ティーカップの歴史 <ティーカップには把手がなかった>
紅茶と同様ティーカップも、中国からヨーロッパへと広がりました。 17世紀ごろのヨーロッパのティーカップは、小さくてやや口広の湯飲みのような形で、ソーサー(受け皿)はなく、把手もついていませんでした。
18世紀になると、中国の陶磁器を摸倣して、ヨーロッパの各地でティーカップが製造されるようになりました。 イギリスでは、昔から把手のついた大きなマグカップでビールを飲んでいたことから、ティーカップも大型になり、把手がついたもの、S字やB字形の把手など、さまざまな形のカップが現れました。 当時の貴族たちは把手のないカップを茶会に、プライベートでは把手つきのカップを使ったとか。 歴史の古いほうを正式な形とみなしたのでしょう。
現在のような大きな形のティーカップに至ったのは、19世紀後半。 このころになると、把手なしのフォーマルカップは少なくなっていきました。
さて、「シェリーのお茶会」第5回はここまでですが、どうもお茶会が不定期開催でいけませんね・・・。
3回に分けての「世界の紅茶・紅茶の世界」・・・いつ終わるのでしょうか。
参考資料 (株)永岡書店 発行 谷口安宏 監修 「紅茶の時間 とっておきの一杯のために」