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朝夕の肌寒さを感じるこの頃、秋も一層深まってきましたね。
それでは、 「世界の紅茶・紅茶の世界」シリーズの最後、第3回の今回は中国・インドネシア・アフリカの紅茶を取り上げてみようと思います。
――― 産地別紅茶の種類と特徴 ―――
§§§ 中国 §§§
かつてヨーロッパの紅茶市場を独占していた中国紅茶も、現在は湖南省(こなんしょう)や安徽省(あんきしょう)などで栽培されている程度。 日本ではウーロン茶のイメージが先行していますが、中国の人々は主に緑茶を飲み、紅茶はもっぱら輸出用として作られています。 しかし、今なおヨーロッパ、とくにイギリスの上流家庭では、キーマをはじめ中国紅茶の人気は伝統的に引き継がれています。
☆キーマ Keemun
ダージリン、ウバと並ぶ世界三大銘茶のひとつ。 ヨーロッパでは「中国のブルゴーニュ酒」と絶賛されています。
栽培地の安徽省は亜熱帯気候に属し、ここで作られるキーマ茶は大型。 もともと緑茶として栽培されていたのが、品質がすぐれず紅茶にしたところ大ヒットしました。
水色は澄んだオレンジ色で、ランの花にも似た濃厚な香りのスモーキーフレーバーが特徴です。 ストレートティーでもミルクティーでも合います。 茶葉が大きいので、抽出時間は長めにします。
☆ラプサンスーチョン Lapsang Souchong
中国南部、福建省で収穫されるスーチョン(大型の葉)を、発酵後に燻製にした紅茶。
濃いオレンジ色の水色で、強いスモーキーフレーバーがあります。 ヨーロッパではこのスモーキーな香りに東洋の神秘を感じ、高級品のひとつとされています。 ストレートティーやミルクティーで。
§§§ インドネシア §§§
18世紀から、オランダ人によって開拓されたジャワ島やスマトラ島の茶園で栽培されています。 第2次大戦後の茶園は国有化され、紅茶生産の役7割が輸出用です。
日本でもジャワティーを飲む人が増えていますが、インドネシアの人々はむしろ、ジャスミンティーに似たお茶を嗜好します。
☆ジャワ Java
ジャワ島西部の高原で年間を通して栽培されます。
水色は明るい赤色。 さっぱりとしていてクセのない口当たり。 水を飲む感覚でストレートのアイスティーを楽しんでみましょう。
☆スマトラ Sumatra
マラッカ海峡に臨む北部のメダン高原を中心に栽培され、ジャワよりも風味があり、セイロンティーに似ているといわれます。 おもにブレンド用。
§§§ アフリカ §§§
ケニアをはじめマラウィ、タンザニアなど東アフリカ諸国の紅茶生産は20世紀に入ってから。 品質は安定し安価なため、イギリスなどへの輸出品がほとんどです。
☆ケニア Kenya
赤道直下の国、ケニアのほぼ中央には5000mを越えるケニア山があります。 この山の周辺、標高1500m以上の高地で栽培されるケニアティーの水色は濃い赤色。 ほのかに甘く、クセのない味です。 ほとんどがCTC製法の茶で、ティーバッグ用に使われます。
――― 紅茶のそれなりにマメ知識? ―――
紅茶研究の専門家No1 ユッカース
紅茶研究の専門家ナンバーワンといえば、アメリカ人のW・ユッカース。 1930年代にニューヨークで刊行された彼の著作『紅茶のすべて』は、まさに紅茶のすべてについて調べた最初の本格的な研究書として知られています。
その内容をみると、紅茶の歴史や飲み方はもちろん、ヨーロッパの茶器の変遷や明治時代の日本における茶の輸出事情まで記述されているほど。
写真や挿絵も入れられ、これほどの研究書は今後も出ないとまでいわれています。
さて、「シェリーのお茶会」第7回はここまでです。
3回に渡ってお届けしてまいりました、「世界の紅茶・紅茶の世界」も一応の幕となります。
(細かい分類はたくさんありますが、今回ご紹介したのが基本ということで)。
ふ〜ぅ、やっとこのシリーズが終わりましたぁ〜・・・う〜ん(伸び)
W杯だったころにはじめ、釜山アジア大会にまで掛ってしまいました・・・世界に目を向けるのは
良い時期でしたね、ね?(同意を求める)
それでは、これから段々寒さくなっていきますが、暖かい紅茶でゆったりと時を過ごし下さい☆
参考資料 (株)永岡書店 発行 谷口安宏 監修 「紅茶の時間 とっておきの一杯のために」