シェリーのお茶会
第8回 ティーパーティーを楽しむ
―Sherry's Tea Time―


 英国風・昼下がりのお茶会。 『一握りの紅茶があれば、何人でも楽しめる』
イギリス人がいったように気心の知れた友人が何人か集まり、入れたての紅茶が配られたらティーパーティーの始まりです。

 さて、今回から数回に渡り、大勢で紅茶を味わうときの演出やマナーについてふれてみたいと思います。

――― テーマがあるとパーティーはもっと楽しくなる ―――

 なんかこう言われると、何か特別な理由がないとティーパーティーは盛り上がらないのでは・・・と心配してしまうかもしれませんが、テーマを決めればパーティーを盛り上げることは簡単なことなのです。


§§§ ティーパーティーを開くのに特別な理由はいらない §§§

 パーティーと聞くと、バースデイパーティーやクリスマスパーティーなどがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。 これらには誕生日を祝うといったパーティーの目的がはっきりあるのに対し、ティーパーティーは今ひとつ理由がはっきりとせず、そのためにいつ、どうやって準備をしてよいのかきっかけがつかめないという人も少なくないのではないでしょうか。
 ティーパーティーを開く理由をしいてあげれば、「一人でゆっくり飲むのもいいけれど、たまには大勢で紅茶を楽しみたい」ということでしょう。 おいしい紅茶を見つけたから、ケーキが上手に焼けたから、新しいティーセットを買ったから・・・ティーパーティーを開くのに何も大げさな理由はいらないのです。


§§§ 季節の草花、自然の小物などを上手にとり入れて演出を §§§

 テーブルセッティングへの気配りは、ゲストを楽しませ、ティーパーティーを盛り上げるために、主催者としては手が抜けないところです。
 まず、自慢のティーセットがあれば、それをひきたたせるようなクルスやティーナプキン、ケーキ皿を用意します。  また、カップが揃っていなくても一人一人違うのも、選ぶ楽しみがあっていいものです。 こんなときのティーポットやシュガーポットは、どのカップとも合うように白いものなどを用意するのがポイントです。
 季節に合わせてテーブルを演出するという手もあります。 庭に咲いた季節の花をテーブルの中央にふんだんにいけたり、秋は落ち葉や木の実をさりげなく飾ってみたり。 主役である紅茶のほうも季節感を出して、夏はガラスのカップでティーパンチ、冬は体が温まるアルコール入りのティーバリエーションという具合にメニューを決めます。
 楽しいアイデアを散りばめたテーブルの演出は、パーティーの話題作りにもなります。 豪華である必要はありませんから、遊び心のあるセッティングに挑戦してみましょう。


§§§ テーマに合わせて照明、音楽もコーディネート §§§
 
 テーマに合わせたパーティーの雰囲気作りには、テーブルの上の飾り付けのほかに、部屋のライティングやGBMも大きな役割を果たします。
 紅茶の水色の美しさをひきたたせるのに、太陽にまさるライティングはありません。 その点、アウトドアのティーパーティーはいちばん紅茶が映えるシチュエーションといえます。 ただ、夕方にはじまる「ハイティーパーティー」の場合やムードを出したいときなどには、間接照明やスポットライトが効果を発揮します。 テーブルの上に照明が当たるようにし、周りを暗くするとテーブルセッティングが映えます。
 また、パーティーの間、ずっとバックに流れる「音」も、パーティーの雰囲気を作るのに大切な小道具のひとつです。 お気に入りの音楽をかけるもよし、テーマに合わせて川のせせらぎや小鳥の鳴き声などを流したり、ちょっと変わった趣向を凝らすもよし。 リラックスして紅茶を味わい、会話を楽しめるようなBGMを選んでください。
 音楽が玄関にも流れるようにしておくと、ゲストが入ってきたときにいち早くパーティーの雰囲気に溶け込んでもらえます。

 

――― 紅茶のそれなりにマメ知識? ―――

 

 紅茶に砂糖を入れたのは・・・

 いつごろ、誰がお茶に砂糖を入れたのか、はっきりした記録はありませんが、 17世紀後半のオランダではお茶を甘くするために砂糖を加えていたそうです。 これは、先にお茶が伝わったペルシャの飲み方を、オランダ人がまねたという説もあります。

 

はい、「シェリーのお茶会」第8回は以上となります。
次回は「もてなし方」、その次は「マナー」という感じでお届けしようと思います。
堅苦しい感じはあるかもしれませんが、知っていると何かのときに役に立つかもしれませんよ、きっと☆
(何かの時というのがひじょうに限られますけどねv)


参考資料  (株)永岡書店 発行 谷口安宏 監修 「紅茶の時間 とっておきの一杯のために」

お茶会へ戻ります