乙女座 | |||
12宮名 処女宮 守護星 水星 |
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12星座区分 8月23日〜9月23日 13星座区分 9月16日〜10月29日 |
<乙女座の神話>
大神ゼウスと豊穣の女神デメテルには、ペルセポネーという娘がいました。
ペルセポネーは草木を愛し、毎日のように草原を駆け回っては美しい草を摘んでいました。ある時、いつものように花を摘みに出かけたペルセポネーは、素晴らしく見事な水仙の花が咲いているのを見つけ、大喜びで、さっそくその花を摘み取ろうとしました。
ところが、ペルセポネーが花に手を伸ばした瞬間、大地に巨大な裂け目が現われ、冥王ハデスが黒馬に乗って飛び出してきたのです。ハデスは悲鳴を上げるペルセポネーを無理やり馬に乗せると、自らの領地である冥界へとさらって行ってしまうのでした。
これは、すべてハデスの企みだったのです。ハデスは冥界よりペルセポネーを見初め、妻にしたいと願っていたのです。
また、この事に関して、実はゼウスも1枚かんでいました。ハデスから相談を持ちかけられたゼウスはペルセポネーをハデスの妻とする事に賛成しましたが、デメテルは間違い無く反対するだろうと思い、このような策を弄しペルセポネーをハデスにさらわせたというわけなのです。見事な水仙の花を咲かせたのはゼウスの力によるものとされています。
ともあれ、こうして冥界に連れ去られたペルセポネーは、否応もなくハデスの妻とされてしまったのです。
ペルセポネーがさらわれた時に発した悲鳴は、デメテルの耳にも届きました。しかし、大地に飲み込まれたペルセポネーの姿を見付ける事は出来ませんでした。
デメテルは9日間、食事も取らずに地上を探し回りました。そして10日目の朝、デメテルのもとへ魔術の女神ヘカテがやってきました。ヘカテはデメテルを慰め、事の一部始終を見ていたという太陽神ヘリオスのところへ連れて行きました。
ヘリオスはペルセポネーがさらわれた経緯と、それにゼウスが荷担していた事を話しました。デメテルは自分の娘が暗い地の底へさらわれた事を知り、激しく憤りました。
ヘリオスは、「冥王ハデスなら、貴方にとって決して恥ずかしい婿殿ではないでしょう。どうか怒りを鎮めていただけませか」どデメテルをとりなしたが、デメテルの怒りは一層激しくなるばかりでした。
デメテルはエレウシスの町の神殿に閉じ篭り、誰とも決して口を利かず、笑う事もやめてしまいます。そのため地上の全ての作物は芽吹かず、実を付けなくなってしまったのです。結果として地上には大飢饉が訪れてしまいました。
困り果てた神々は何度もデメテルのもとを訪れては説得し、あるいは贈り物で懐柔しようとしますが、デメテルの怒りは解けませんでした。とうとうゼウスはハデスにペルセポネーを帰すように命じたのです。
こうして、ペルセポネーはデメテルの元へ帰る事が出来たのですが、ハデスはペルセポーを送り返す際、見事な石榴(ざくろ)の実を1つペルセポネーに与えました。ペルセポネーはその石榴があまりにおいしそうであったので、実を4粒だけ食べてしまいました…。
冥界には「冥界の食べ物を口にした者はいずれ冥界に戻らねばならぬ」という掟があったのです。
石榴を4粒食べたペルセポネーは、1年のうち4ヵ月を冥界で暮らさなければならなくなり、その間デメテルは再び神殿に篭るようになったのです。
こうして地上に草木が枯れ、決して芽の息吹く事の無い「冬」が生まれたとされています。
乙女座は晩春から初夏にかけて、南の空に見える星座です。黄道12星座の第6番目の星座にあたり、全天で2番目に大きい星座として古くから重要視さてれきました。
乙女座を構成する星は、1等星のスピカを除けばあまり目立たない星ばかりですが、白銀の輝きを放つスピカはまさに乙女のというのにふさわしい、清純な印象を与えます。