水瓶座
学名 Aquarius (アクアリウス) 略符 Aqr 12宮名 宝瓶宮

守護星  天王星
12星座区分  01月21日〜02月18日
13星座区分  02月16日〜03月10日



<水瓶座の神話>
 世界が青銅の時代を迎えていた頃、人々は悪行に溺れ、互いに争っては殺し合っていました・・・。 それまで地上で暮していた神々は一部を除いて天上界へと去ってしまったため、地上はますます荒れ果ててしまいました。
 大神ゼウスは世界があまりに惨状を呈するのを見て、天災を起こして世界の人々をすべて滅ぼそうとしました・・・。
 さて、そんな荒れ果てた世界にあって、プロメーテウスの息子デウカリオーンとその妻ピュラだけは心正しく、彼の領地であったテッサリアを節度をもって治め、神々を敬うことも忘れませんでした。
 プロメーテウスはゼウスが世界を滅ぼそうとしているのを知り、息子たるデウカリオーンとピュラだけは救いたいと考えました。 そこでデウカリオーンに、「箱舟を造ってその中に逃れよ」と神託を下したのです。 デウカリオーンは言い付けに従って箱舟を造り、妻とともに乗り込みました。

 そして、やがて天災が訪れました・・・。 ゼウスは雨を呼ぶ南風を遣わして思うさま暴れさせ、低くたれ込めた雲を絞っては雪崩のような雨を降らせ、河の神たちにも命令を下し河は氾濫し洪水となって地上のすべてを押し流しました。
 洪水は9日間続き、人類で生き残ったのは箱舟に乗ったデウカリオーンとピュラだけでした・・・。 箱舟はやがてパルナッソス山の頂きに辿りつき、2人は無事を感謝してゼウスに供物を捧げました。

 しかし、世界で生き残った人間が自分たちだけだと知ると、どうやって再び人類を栄えさせればいいのか、デウカリオーンたちにはわかりませんでした。 そこで2人は法の女神テミス(あるいはゼウスともいわれます)に祈り、どうしたらよいのか尋ねます。 ・・・するとテミスは「頭を布で覆い隠し、大いなる母の骨を歩きながら後に投げよ」と神託を告げました。
 デウカリオーンたちは母の骨を投げるなどという恐ろしい行為をせよ、という神託に慄然としてしまいます・・・。 そしてしばらく考えた末、デウカリオーンは「法の女神がそのようなことを言うはずがない。 これは大地を大いなる母と見て、その骨とは大地を形作る岩のことであろう」と結論しました。
 試しにそばに落ちていた石を肩越しに放ると、その石は見る見るうちに柔らかくなって人間の姿へと変わっていくではありませんか。 2人は人類が再び栄えるであろう喜びに満たされ、多くの石を抱えて投げました。 デウカリオーンの投げた石からは男が、ピュラの投げた石からは女が生まれ、こうして再び人類は増えていったのです。

 こののち、デウカリオーンは人類の第2の祖としての功績を認められ、天に昇って水瓶座となったのだそうです。


 いうまでもなく、この伝説は旧約聖書のノアの箱舟伝説に酷似した内容となっています。 これはこの2つの伝説の間に何らかの関係があるか、もしくはもともとは1つだった伝説が広がっていくうちに変化したものではないかと考えられています。

 

黄道12星座 水瓶座



 水瓶座は、南の天に昇る星座で、黄道12星座の第11番目の星座にあたります。
 星として見るとそれほど明るい星はなく、むしろ近くにある南魚座の1等星フォーマルハウトや鷲座の1等星アルタイルなどが目立ってしまうため、見分けるのは困難かもしれません。 ですが、古代バビロニアでは、太陽がこの星座の位置する場所を通るころ雨季を迎えたため、星座としては重要視されてきたのです。
 また、水瓶座の付近には、山羊座、海豚座、鯨座、魚座、南魚座、エリダヌス座、牡牛座など、水や海に関する星座が多く集まっているため、古代の人々はこのあたりを「海」と見ていたと思われてます。

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