2Rエンジンについて
2Rエンジンは、従来トヨペット・コロナスタウト、トヨエースなどに搭載されているR型エンジンに大幅な改良を加えた1500ccエンジンです。
R型エンジンは耐久性、信頼性に対しては絶大な信用を得てきました。しかし、年々交通ラッシュが増える市街地での走行に対して軽快な操縦性を満足させ、また一方ではハイウエイ時代の走行条件が要求する高速走行性能、加速性能および経済性を満たすには、車両の軽量化、走行抵抗の減少はもちろん何よりも搭載エンジンの性能向上が望まれていました。
そのためR型エンジンを根本的に改良することになりました、その設計上のねらいは
@ R型エンジンの信頼性、耐久性をそのまま維持するだけでなく、さらに完全なものにする。
A 連続高速走行時の耐久性およびオーバーランに対する安全性を確保する。
B エンジンとして必要なフラットなトルク特性をねらい、しかも大幅に向上する。
C 経済性、特に高速走行時の燃費を向上する。
D 軽量化および合理的な設計にする。
E 騒音、振動について改善する。
以上であるが、これらをほぼ満足するためにシリンダー溶液を若干増加し、シリンダーヘッド、マニホールド即ち燃焼室と吸気系を全面的に変更することにより従来の低速性能を維持して、中高速トルクの大幅な向上をはかり同時に高速運転時の耐久性を確保する事が出来た。なおエンジンの全長、全幅はやや大きく全高が20mm低くなった。重量は5kg軽減して150kgになりました。
細部の説明・・・
1. 高速性能を加味したシリンダー・ヘッド
イ) 燃焼室の形状はバルブシート面が水平に対して8度傾斜したバス・タブ型で燃焼効率が高く比較的簡単なバルブ配置で高性能が得られた。
ロ) 吸気ポートを各気筒ごとに独立させ、吸気干渉をさけることと、吸気弁を大口径40mmのものを採用したことにより、高速域の吸入効率を大幅に向上した。
2. 耐久性のあるシリンダーブロック
イ) ボアは77Фより78Фとし行程はもとのままの78Фで、排気量は少し増やして1490ccになりスクェア・エンジンとした。
ロ) ヘッドの取り付けボルトは12本を10本として配置を変更し、ポルトの締め付けによるシリンダーボアのひずみが減少し、ボアの摩擦および摩擦損傷を軽減することができた。
3. 高速回転に適したピストン
イ) ピストンは高負荷高速回転時にも十分な冷却が行われるよう肉厚を考慮し、いわゆるサーモフロー型とした。
ロ) ピストンリングは3本とし摩擦損傷の軽減を図り高速回転にふさわしいものとし、各リングには硬質クロームメッキを施してある。
4. 強化されたクランクシャフト
イ) クランクピン径を3mm太くし、ウエブを4mm厚くするとともにアームも頑丈なものにしたので、曲げ戻り剛性が各30%高められたため疲労強度が格段に上がりエンジン自体の騒音を減少するとともに車両の振動騒音を軽減した。
ロ) バランスウェイトを充分にして高速時の軸受荷重を少なくした。
ハ) クランクシャフトの剛性を高めるため大端軸受けの径を47mmから50mmとし幅29mmを27mmとした。
ニ) 軸受の肉厚を1.5mmとし、軸受け自体の剛性を上げるとともにキャップを強化したこと、および幅をせまくしたことから当たりが良好になり軸受けの寿命がのびた。
5. 高速運転に適したバルブ構造
イ) カム・シャフトの軸受径を太くして撓みを減らし、カム・プロフィルムは要求される特性が得られるようなタイミングとタイムエリアを選び、低速から高速までバルブが正常に運動するものを新たに設計した。
ロ) 動弁系の運動質量を減らしバルブスプリングを二重にして各部のこわさを高め高速回転を可能にした。
6. 高速性能を加味した新設計のキャブレター
イ) ボディーを亜鉛ダイカストにし、全高を12mm低くした設計である。
ロ) フロート径はプライマリー30mm、セカンダリー32mm、ベンチュリーはプライマリー22mm、セカンダリー27mmにしたので高速時の性能は一段と向上した。
ハ) チョークバルブはR型と同様オートチョークで始動容易である。タクシー用には手動式も用意した。