BUCK-TICK

 BUCK-TICKとは日本で唯一の、「日本人なのに洋楽」バンドである。80年代末に突然変異のように登場以来、世紀を跨いで現在に至るまで首尾一貫して人の目もセールスも全く気にすることなく、ただひたすら「自分が格好良いと思う音」「新しいと感じる音」を追求し続けてきた。ロックバンドでありながらテクノロジーと同期させたのも早かったし、自分達を「バンド」と思ってないフシさえ感じられる、ヒップでクールな連中だ。
 今でこそ日本人アーティストも長年の「洋楽コンプレックス」からようやく脱した観があるが、B-Tには最初からそんなもん無かった。その他の悪癖である「様式美」も「迎合」も無い。彼らが最初から持ち合わせていたのは、優秀な「センス」のみ――そういう意味では未だに、というか「最後のニューウェイブ・バンド」なのかもしれない。というか、最近の画一的な洋楽バンドよりもはるかに、B−Tの方が面白いけども。
 未だに「ヴィジュアル系の元祖」だと思い込んでる時代遅れの人、未だに「国産ロックが洋楽よりも劣ってる」と勘違いしてる可哀相な人、目を醒ましてください。こんなバンド、世界中のどこにもいませんわ。