ふわりと花が舞い降りた。
家の庭に咲く、桜。
いつもいつも、たくさんの花を見せてくれる優しい木は、今年も薄紅色の花を咲かせた。
風はまだ少し冷たい。
今年は少し寒い春。
風が冷たくて、桜の開花も遅くて。
今年も咲くかな?
大丈夫かな?
そう心配していた桜が、今年も優しい花をつけた。
見上げると、舞い落ちる花びら。
ふわふわふわりと、肩に髪に落ちてくる。
気付くと愛犬のアルの頭のてっぺんに小さな花びらが一枚。
静かに桜を見上げるアルは、何を考えているのやら。
薄茶色の毛先に、また一枚、舞い落ちる。
じっと、桜の花を見る瞳。
彼も桜が美しいと感じているのだろうか?
なんだかおかしくなって、くすりと笑うとアルが私を見上げた。
なんだよ、って顔。
何で笑うんだよ、って表情。
そして、またぷいっとそっぽを向いて、桜を見上げる。
何が面白いのか・・・何かいるのか・・・。
彼は桜を見上げている。
桜の精でもいるのだろうか?
春の訪れを告げる、桜の妖精が。
もしかしたら彼にはそれが見えているんじゃないだろうか?
ふわりと優しい風をふかせて、小さな桜の花びらを落として。
舞い落ちた花びらは、地面に桜の絨毯を敷く。
薄紅の絨毯は、春の色。
春の精はそれを見ながら、微笑んでいるに違いない。
どこからか持ってきた春を、皆に振りまいて。
たくさんの春を、たくさんの人に。
優しい光を、あたたかな空気を。
もう一度、桜を見上げる。
また小さな風が吹く。
ふわりと花びらが舞い降りてくる。
それは春の優しさ。
少しだけ肌寒い・・・そんな春だけど・・・・。
視覚的な春の優しさ。
春の暖かさ。
花びらはまるで・・・・春の精のプレゼント。
暖かい気持ちになる、そんな贈り物。
「ワンッ」
一声、アルがないた。
何かを見つけたのだろうか?
何かを見たのだろうか?
もしかしたら、それは・・・不思議なもの。
人の目に見えない、優しいもの。
「あなたの目には何がうつってるの?」
小さく笑って、アルの頭の上にある花びらを取る。
くうん?とないて、彼は私を見上げた。
言葉が話せたら、きっとあなたは教えてくれるでしょう。
桜と一緒に、何が見えたのか。
そして・・・それはきっと・・・春の優しさ。
ふわりと桜が舞い落ちて・・・・。
絨毯にまたひとつ、花びらが増える。
薄紅色の・・・・・・・春の色。
春の訪れを告げる・・・桜の妖精を。
------------------------------------------------------------------------------------------
遅れに遅れて申し訳ないです。OPEN記念・・・・・には程遠くなってしまった神月駄文です。
何が書きたかったのだろう(笑)春とわんこが書きたかったのは確かですが(笑)そして、桜。
春のあったかい雰囲気が出したかったのに・・・肌寒い春になってしまってすみません。
こんなワタクシですが〜これからもよろしくお願いいたします。というわけで、OPENおめでとうございます♪
神月ささみさまから開設記念にいただきましたvv |