かわいげのある奴


小学生や中学生の頃、特に美人やハンサムでもないし、また成績も特にズバ抜けて良かった訳でもないのに、なんだかやたらクラスの人気者だった奴って、誰の記憶の中にも1人はいるものです。
そういう人というのは、他の人とは具体的にどこが違うんだろう?ということは、大学時代のありあまるヒマな時間によく考えてみたものです。
現在もなお、最終的な結論にまでは至っていませんが、それでもある種の特徴みたいなものは分かってきました。
そのキーワードとなるのが「かわいげ」であると自分は考えます。


例えばあなたが仕事仲間に「ちょっと○○やっといてくれ」と頼んだとします。
その仲間のセリフ

A:「OK、やっとくよ」
B:「ええ〜!?」

死ぬほど辛い仕事ならまだしも、本当にカンタンな内容で、Bの人は「ええ〜!?」と言いながらも、結局その時点でやるつもりだったとしたら、あなたにとってはAとB、どちらに好感を持てるでしょうか?


また、次の例
あなたと、仕事仲間のHさんに、それぞれ別の仕事が同時に与えられたとします。
たまたまHさんより早く仕事が終わったあなたは、Hさんを手伝ってあげようと思い、
「なんだったら、手伝おうか?」
と、声をかけてみました。
そのときのHさんのセリフ

A:「本当?助かるよ!」
B:「いや、君は君の仕事をちゃんと終わらせたんだから、いいよ」

Bの方のセリフも、相手に自分のせいで余計な仕事をやらせたのでは 申し訳ない、という心づかいから来ていると思われます。
しかし、Aのセリフの方がBのセリフよりも、あなたは結果としてより多くのエネルギーを消費するにもかかわらず、それでもAの方が気分がいいハズです。
なぜなら、Bには
「ちぇ、せっかく人が気ぃ遣ってやってるのに・・・」
という思いが少なからず生じるからです。


このように、何気ないセリフや仕草で、相手の自分に対する感情・イメージがガラリと変わると同時に、それが自分の人格だと勝手に相手 から断定されてしまうのは、考えてみれば恐ろしいことです。
いやらしい話ですが、「かわいげのある奴」というのは、なにかと人生得をすると思います。

話は横道にそれますが、オ○ムの一番エラい人(そんし)は、かつて部下を叱るとき、メチャクチャ厳しく叱った後で、最後に

「今度そんなことしたらボク、泣いちゃうよ」

と、「かわいげ」でフォローしていたそうです。
単純ながらも、この一言があるかないかでそれこそ雲泥の差があると思うんです。
かわいげがあって、なおかつ反社会的なのが俗に言う「ヒール」ではないでしょうか?
みなさんも、身の回りの「かわいげのある奴」または逆に「なんかムカツク奴」について、「なぜなんだろう?」と考えてみてはどうでしょうか?

12/16

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