現在、世界の人口はどんどん増えつづけています。
一般に、発展途上国の人口は多産多死で、産まれてくる赤ちゃんの数も多いが逆に死んでいく人々の数もハンパでなく多く、国全体の人口はゆるやかに増加していきます。
その次の段階として、ブラジルなどでは保険・医療の充実により、乳幼児の死亡率が大幅に減ったため、多産少死となり、人口爆発が起こります。
人口爆発が起こると、その国では失業者が増え、犯罪が増加し、国民の貧富の差が大きくなって暴動が起こり易くなります。
そこで政府はなんとかして人口が増えすぎない(=子供をつくらない)政策を打ち出しますが、その中でも有名なものに中国の「一人っ子政策」があります。
これは2人目以降の子供を産んだ場合には罰金を科したり、学校に行けなくさせたりする政策ですが、この政策により中国では人口増加率が減少し、一応の成功をみました。
しかし、この政策はまた別の問題を引き起こしています。
1、高齢化
2、若年労働力の低下
若年労働者数が減ったため彼らの賃金がアップしましたが、それによりこれまで安い労働力を中国に求めていた多国籍企業が、その拠点をベトナムなどの他国に移し始めるという現象が起こり、中国にとって痛手となっています。
3、わがままな子供が増える
一人っ子はどうしても甘やかされて育てられる傾向にあり、そうして育った子供は政府のいうことを聞かず、反政府運動を起こし易いことが問題となっています。
4、孩黒子(ヘイハイツ)
現在日本政府も頭を痛めているのがコレ。
「孩黒子」とは「闇っ子」のことです。
中国の貧しい農村地帯などでは、後継ぎとなりうる長男以外は罰金を取られるので、たとえ生まれても戸籍に登録しないケースが起こります。これが孩黒子。戸籍上存在しない人間というのは、生物学的には人間であっても、社会的には人間ではないのでシャレになりません。
このような子供が大きくなると、特に男性の場合は中国では生きていくのが難しいため、国外で犯罪に手を染める場合が多くなります(女性はカラダを売ったりすることが多いらしい)。
彼らはチャイニーズ・マフィアの手下として働くことを条件に、アジア諸国への密入国を組織に手助けしてもらいます。
彼らの起こす犯罪は、基本的に「SUCCESS OR DIE」すなわち、失敗すればどのみちマフィアに殺されるか、母国に強制送還させられて死刑なので、気合いが入っています。
ここ数年で、東京では新宿、大阪では日本橋でのチャイニーズ・マフィアの台頭は日本政府としても無視できないものになってきました。
以上の背景を踏まえた上で、金城武主演の「不夜城」を観ると実にリアルです。