ここで少しコロナについて解説したいと思います。


車名の由来(CORONA)
コロナとは、皆既日食の時見える太陽の周囲を取り巻く淡い真珠色の光の輪のこと。
明るく親しみの持てるファミリーカーをシンボライズしました。

コロナの登場

初代ダルマ通称ダルマコロナと呼ばれる初代コロナ(ST10)の登場は、‘57年5月になります。
トヨタは当初、2代目(PT20)を初代に考えていたが開発が大幅に遅れた為、
急きょ予定を変更、場つなぎの先兵としてボディーにトヨペットマスター,
シャーシにクラウンを起用しST10を開発、エンジンはS型直列4気筒995ccで、
モノコックボディーにフロントサスペンションは、コイルスプリングによる独立懸架を
採用する等特徴は多かった。がライバルダットサンの壁は厚くブルーバードが
発表された後、対抗としてS型エンジンを12PSアップのP型に変更したが
好転の兆しは見れず2代目へとバトンタッチする事になる。

2代目

しかし‘60年3月にモデルチェンジされた2代目(PT20)の1枚リーフとコイルの組み合わせによる後輪カンチレバー式サスペンションは悪路に弱く、コロナは弱い車と不評でした。この対策として‘61年3月にニューコロナ1500DX(RT20)としてマイナーチェンジしエンジンをR型1453ccに強化、リヤサスペンションを通常のリーフスプリングに変更した。‘63年5月には第1回日本グランプリ、ツーリングカー1300〜1600クラス(C−5)に出場し1位から3位までを独占したのです。またニューコロナの耐久性を訴える為にドラム缶を蹴散らしたり、崖から落ちても平気で走り去るコロナの姿をテレビコマーシャルにしたキャンペーンを行い、イメージを回復しつつRT40へ後を託したのです。

‘64年9月フルモデルチェンジされ3代目(RT40)として発表されたこのモデルが、ライバルのブルーバードに国内販売台数で打ち勝ち人気を不動のものにしたのです。歴代コロナで最高の傑作と言えます。RT40の特徴は、初代や2代目とは完全に違う直線を基調としたアローラインと言われる美しく高級感を漂わせるボディースタイルでしょう。このスタイルは万人向きで高い評価を得ました。そして最高出力を62PSから70PSにアップした2Rエンジンにオートアジャスト付きベンディックス型デュオサーボブレーキを採用し燃料タンクを45リットルとクラス最大にするなど高速性を重視した改良を行い、開通したての名神高速道路を使った「10万キロ連続走行公開テスト」で一宮と西宮の間を往復しながら連続で走り続け2ヶ月間で276往復10万キロを無事走りきり、頑丈で高速性能に優れた事を証明し高い信頼を得ました。10万キロ走行

ミッションもコラム,フロアー,トヨグライド等選べ‘65年4月にはスポーツ志向の1600Sを追加、さらに同6月にはスポーティーカーの魁となる国産初のハードトップを設定するなど、バリエーションの豊富さも人気のひとつと言えるでしょう。66年8月には全車にワイド強化ガラスを標準装備するなどの安全装備にも意欲的でした。そして‘67年8月、トヨタ2000GTの兄弟分とも言えるHT1600Sをベースに9R型DOHCエンジンを搭載し、数々のレースでも活躍したトヨタ1600GTを発表、‘68年9月にはコロナとクラウンの間を埋めるコロナの上級車種として初代マークUが発表されました。
そして、‘70年2月にフルモデルチェンジされ4代目コロナ(RT80)が発売されるまで5年半、世界の市場に君臨したのでした。