美味賛歌

大手まんぢゅう
 桃太郎さん桃太郎さん お腰につけた吉備団子〜ひとつ私にくださいな〜
おなじみ昔の唱歌ですね。
 岡山では昔から吉備団子が一番のお菓子でした、岡山へお出でのお客様も殆どお土産に買って帰ります。

 しかし、地元の人に限らず遠方のお方でも本当にお菓子に詳しい人は先ずこの「大手まんぢゅう」を名指しでお求めになります。
 かく言う私もお菓子の中で一番好きな饅頭がこの「大手まんぢゅう」ですねん、このまんぢゅう、まんじゅう、ではありませんよ、ましてや大手饅頭というのは偽もんでっせ〜。
(飲兵衛の私ですがお饅頭も好きです、甘辛両党ですねん)

 大手まんぢゅうは天保8年に創業の伊部屋がその昔岡山城の大手門あたりに在ったため藩侯からこの名前を賜ったとやら。



 お味は所謂酒饅です。
麹から作り上げた甘酒の芳醇な香りの生地に少し甘味を抑えた晒餡を包んだこのまんぢゅう・・・

 う〜んこの独特の酒の微かな香りと上品な甘味がたまりまへんなぁ〜

 一度岡山へおいでの節は、是非一度この味をご賞味あれあれ。
うどん
 皆さんはうどんとラーメン、どちらがお好みですか?。
私はどちらかというとうどんですね。

 特に本当に美味いといわれるうどん屋さんに入って食する、釜揚げうどんのうまいことうまいこと、美味昇天ですよ。

 私がうどんが本当に美味しいと思うようになったのは、在職中一時期高松勤務だった時に始まります。 なにしろ、当地の社員は昼食になると全員といってよいほど必ずうどん屋さんに行きます、彼、彼女らは一日一食はうどんがなければ過ごせないと言うくらいですから・・・

 その彼等達から聞いた本当にうまいうどんとは出来たての熱い素うどんに生醤油をかけてツルツルと飲み込むと一番うどんの美味しさが判るという事でした。
 いや本当、美味しいうどんはこの素朴な食し方が最高と悟りましたねぇ。

 そして、うどんは茹でたものをざぁ〜ざぁ〜と流れる水の中で両手でもみながら締めて、色んなうどんとして出します。

 しかし、釜揚げうどんは釜揚げしたものをそのまま器に入れて出してきます。
それを自分で勝手にお店に備え付けの徳利からおつゆを入れ、、生姜をすり葱と一緒に好みに入れて食します、これが最高でしょうね。
 
 これを教えてくれたのが、空海上人が造られたと言う満濃池のすぐ近くに、何ともスレート構えの小屋でお客の席と作業場が一緒になった少し汚い(失礼!)長田うどんというお店でした(今は綺麗なお店になっています誤解のないように)  
 昨年久し振りにわざわざ福山から瀬戸大橋を渡ってこれを食べるだけの為に行ったところ丁度定休日のためお休みでした、残念残念。

 ではではと、近くにある小懸家という生醤油うどん家さんに行って元祖生醤油うどんを食してものです。
 生醤油うどんについては又の機会に掲載します。

 よくうどん屋さんに行って釜揚げ出来ますか?と尋ねると今はちょっと出来ませんが湯だめなら出来ますがと言れる事があります。
 う〜ん仕方ないかと湯だめを注文しますが・・・

 あの釜揚げはどんぶりの湯が濁っていて麺自体が少しぬるっとしていて、麺が芯から暖かく柔らかくって美味しいものですが、湯だめは水で締めていた麺を温めて湯に入れて出してくるものですから湯が澄んでいて、麺も釜揚げの時の麺の状態と全然ちがいます。 ヤッパリ失敗したなぁと思うものです。

 しかし、このようなうどん屋さんは良心ですが、釜揚げを注文しますとハイ出来ますよ、と言って出て来たのが麺が全くの湯だめだったりする事がたまにありますが、この様なお店はいつか淘汰されるでしょうね。

 いやいや、こういいながら掲載していますと、もううどんが欲しくなりましたね・・・では。
乙島シャク
 玉島(倉敷)に住む次男夫婦から今年も届きましたよ、今が旬の乙島シャクが・・・

 私が子供の頃はこの時期になると友達と麦藁帽子をかぶり、お尻を上げながら自転車をこいで高梁川(岡山三大河川の一つ)を渡り玉島乙島の遠浅の海辺に行きます。
 海を見ていて潮が退くのを見計らってまだ少し潮が残っている浜へ降ります、浜をよく見ると少し土が盛りあがった穴が沢山見受けられます。 ここを持ってきた鋤簾で上を漉き取ると直径2〜3CM位の穴が多くでてきます。

 昔と今では捕り方が違いますので最近の捕り方で・・
その穴へ使い古した筆を入れます、すると穴の中にいたシャクが外敵が来たと戦闘的になって上にあがってきます、 そこをすばやく手でつまんで捕ります。あとは洗濯はさみで今捕ったシャクのしっぽを挟み次ぎの穴へ入れていくと又先ほどと同じようにシャクが出てきます。こうして沢山の洗濯はさみでシャクをはさんで次々と捕っていきます。

 楽しかったなぁ〜潮の香り・海を渡ってくる風・そして照り返す太陽・・・そして馬鹿な友達たち・・・

 最近はシャクの事をシャコと言いますが正式にはやはり穴シャコと言うのでしょうね、特に乙島シャクなんてその土地だけの方言ですねえ・・・(でも私はこの言葉が好き!)


 穴シャコは茹でたそのままを2杯酢で食するのが通常ですが、我が家はそれを天婦羅にしていただきます、そのままより甲羅がカリッとしていて食べやすいですね。



 今夜はこれを肴に妻と一緒に麦酒で乾杯といきましょう!!
若狭の食文化
 妻の友人に若狭の小浜出身のお方がいらっしゃいます。
毎年年末になると若狭名物へしこ、浜焼き鯖そして小鯛のささ漬けをお歳暮に贈って下さいます。

 へしこ(鯖の糠漬け)
 これは珍味である、色々食し方はありますが私たち夫婦はへしこを薄くスライスし火で炙ります、これを温かいご飯の上にのせ、熱〜いお茶をたっぷりと注ぎお茶漬けにして食します、これはうまい!!。
 また、私は酒の肴に炙ったへしこを(塩辛い)少しづつ食べながら熱燗でやります、すると酒がうまくちになること請け合いですよ。

 浜焼き鯖
 「鯖を読む」と言う言葉がありますが、鯖は数を数えている間も腐っていく位あしのはやい魚ですのでいい加減に早く数を読むためにつけられた言葉とやら。
 それはさておき、開いた鯖を串に刺し炭火で焼いていきます、これを店頭でやるものですから美味い香りが漂い買わずにはおけない状態になります。
 早速家に帰って再度火で炙って生姜醤油で食したならば酒が二杯が三杯になること疑いなしですよ。

 小鯛のささ漬け
 若狭沖で捕れる小鯛を三枚におろし、甘酢漬けにしたものを、小さな木樽にいれています。そのまま食すますが、それに少し醤油を垂らして食したならばこれはもう天下一品!!。

 と言うところで「御食国」(みつけくに)若狭の小浜へ鄙びた敦賀の駅で乗り換えてゴトンゴットンと向かう所で「旅のおもいで」小浜の町並みをお読みください。。
(前回のHP掲載分より)
ままかり寿司
 今日は細君が魚屋さんからままかりを買ってきて素焼きにしているウンウン今晩はこれの酢漬けを肴に冷酒で乾杯だ!。


 初夏のこの頃になると、私の故郷岡山ではままかりの漁が盛んになり、各家庭ではままかりの酢漬けとままかり寿司がよく食膳に上がるようになります。
 ままかりと言う名前もユーモラスですが、これはこの魚を食するとあまりにも美味しいのでまま(ご飯)が足りなくなり、お隣にままを借りに行くというところからままかりと言うようになったのですわ。
 正式にはサッパと言うらしいですが。

 ままかりの酢漬け
ままかりの鱗を取り素焼きにします、それを三杯酢にジュンと漬けます、ただこれだけ、1〜2日置いて馴染んだところで食します。酒の肴に最高!!、私は待ちきれなくて即食しますが・・・



 ままかりの酢漬け(2)
鱗を取ったままかりを頭とはらわたを取り除きそれをそのまま酢漬けにします、4〜5日置いて酢が中まで浸透し骨が柔らかくなったら食べ頃、これまたうまいのなんのって・・・
 
さて最後にひかえしは
 ままかり寿司
鱗を取ったままかりを頭とはらわたを取り指で骨をはずし開きます。それに塩をうって寿司酢に漬けて置きます。身が締まった所で寿司飯を左手で適当な大きさに握りその上にままかりを乗せれば出来上がり、そのままかりの上に千本生姜を乗せればなお上等。
 寿司酢はままかりを漬けていた酢を使えば尚美味しい。
これはもう絶品ですよ!!

おきゃ〜ま名物まままかり寿司は岡山の食事処で良く食べられていますし、酢漬けはお土産屋さんでは定番ですよ。でも本当に美味しいのは我が家の味ですかねえ・・・
桂馬蒲鉾
 尾道水道を望む港町尾道
社寺と坂のある町、大林監督の映画尾道3部作で一躍脚光を浴び映画の町として最近は若者が多く訪れているようですね。
  


 その人達で人気のお土産は「磯の香のする蒲鉾」として好まれている桂馬の蒲鉾。
一昔前迄「のみ食い処」で酒の肴としてよく出されていたのが冷蔵庫で冷やした仙崎の「白銀」という蒲鉾でした、あのプリプリクリクリした食感の蒲鉾へわさび醤油をつけて食べた事には酒が何杯もすすんだものです。
 瀬戸内の底網で捕れたグチ、ハモ、エソ、イカを朝早くから職人の手で捌き、天然の塩で練り上げた、ここ桂馬の蒲鉾は一般に「関西蒲鉾」の部類に入るのでしょうかね。
  


 写真にある揚げ物の中の柿天は私の好きな物の一つです、ひょいと口の中へほうばると魚の旨味と程よい甘味が渾然一体となって脳を刺激するんですね、ウマイ!!。
 ふわ〜とした厚焼きの食感はこれは酒の肴というよりおやつ感覚ですわ。

 瀬戸内の魚は大海の魚と違って繊細な味をした本当に滋味のある魚が多いですね、ぜひ一度瀬戸内の港町を訪れて見て下さい。
長生きの水
 最近テレビを見ても新聞を読んでも水に関する情報が多くなってきていますね。
昔は水なんてタダと思われていましたが、今ではスーパー、コンビニ等では各地の名水と銘打ったミネラルウォーターが巾を利かせています。確かにこれらの冷水を飲むとすっきりと美味いです。
 最近、環境庁が全国各地の良い水を名水百選としてPRしています、この百選では僅か宮城の広瀬川、鵜飼いで有名な長良川等数カ所の河川をのぞいて殆どは地下水や湧水が多いですね。

 私の備後地方でも各地に数多くの美味しい水が有りますが、殆ど山麓に湧き出る地下水です。
「山は水を持ち、山があるから水が湧く」の定石通りですね。
 我が家から北に向かって車で走ること約40〜50分、そこはもう分水嶺がある山深い三和町父木野の村落に到着します。

 今でも全国各地に真言宗開祖の空海による「弘法大師ゆかりの水」伝説の水汲み場があります。ここ父木野でも町誌によれば以下のような話になります。
 昔、父木野をちち木と言っていた頃の話じゃてぇ。道縁の大きな岩山の間から糸すじほどの水が流れていたそうな。
 ある日、そこを通りかかった旅人が旅の疲れとひもじさでばったりと倒れてしまったそうじゃ、その時頭の上に白い髭をたくわえた坊さんが立っていたんですと。そして坊さんは持っていた杖で水の流れている所を一突きすると水は勢いよく湧き出したそうな。
 これこれ旅のお人そこに流れている水を飲むといいきっとお前の身体は元気になるよ、坊さんはそう言い残して立ち去っていったそうな。
 旅人が目を凝らしてみると今まで気付かなかった水が勢い良く湧き出していた、旅人は早速水を手に汲み一飲みすると、あらら〜不思議みるみる内に身体中に力が湧き元気になったそうな。
 旅人は持っていた瓢箪に水を入れ「命の水」として大切にして旅を続けたと。あちこちで触れ合う人々にこの水を飲ませこの場所を教えたと言う事ですよ、誰言うことなく「長生きの水」と呼ばれ今に伝えられているそうな、この時のお坊さんが弘法大師であったと言われています。



 いやいやこの話を聞くと捨ててはおけないと水を汲みの行きましたよ、何と車が7〜8台止まっているでは有りませんか、近郷近在の人達ではすでに有名だったんですね。とりあえずコップに一杯汲ませてもらい飲んでみました。ヒャァ〜冷たい!!うまい、うまい。
 
 と言う事で最近ではポりタンクに汲んで帰り、炊飯、みそ汁、水割り、お茶にと殆どの料理に使っていますよ。
 これからの季節熱いお茶に大手まんぢゅうがあれば言う事ないですね。
慈姑
 福山の南部地方では今年も年末に向けてクワイの収穫が始まりましたよ。

 夏の暑い6月頃植え付けられたものを寒くなったこの時期泥状の土中に育った慈姑をポンプで水圧をかけ浮き上がらせ熊手で掬い上げていきます。



 全国生産量の50%を占める福山の慈姑は淡青色をしてピーンと弓状に伸びた芽が目出度いとおせち料理に欠かせない食材として全国のデパート食品店等に出荷されます。

 ただ大きくて形の良いものは全国へ出回りますが、小さな物や芽が取れた物そして不揃いの物は地元で売っています。
 妻はこれを買って来て小さいものはそのままで、又芽のないものはスライスにしてどちらもから揚げにします、これに塩と青海苔をふりかけますとなんとこれがビールのつまみにぴったりですねん、ちょっと苦くて美味しいくわいの又違った食し方です。
 今年は表作だったのだろうか、市街を離れて山里の村落へ入ると枝もたわわに実った柿の木に出会う。

 今年もよく食べたなァと思う。我が家で取れた物だよと言って大ぶりの富有柿を三日あけずに届けてくれる友人達がいる。
 柿といえば私の一番好きな種類は西条柿である、あの甘さと少し柔らかめの果肉は絶妙ですね。 富有柿もうまい!特に和歌山の種無しを食したならばこれはもう甘さ果肉の程良い硬さそしてなによりも種が無いのが嬉しいではありませんか、たまにある種であったであろうクニュとした感触のところが又いいんだわ、友人には悪いが富有柿はもうここのものですよ。
 これからの時期は古老柿に移ってきます、白い粉がふいてたんわりと軟らかい、しつこいくらいの甘さは他の干し柿を圧倒します。

 食する柿もあればお正月の鏡餅の上を飾る串柿のような加工柿も忘れてはならない。
串柿の里菅野(御調郡)へ行って見ました。



 約370年前紀州和歌山から芸州広島藩主に転封された浅野長晟は地域振興政策を思考する。
ここ菅野地区は標高300mと高台で昼夜の温度差が大きく風の通りと日照も良く寒気の強い場所から、当地で取れる「上九」「青柿」を干し柿にして特産にする事を奨励した。

 晩秋から初冬にかけて農家の人達は皮をむいだ柿を竹串に、両端に2個2個と内側に6個計10個を刺していきます。 縁起物ですから夫婦ニコニコ仲睦まじくと呼びましょう。



 農家の軒先で冬の日差しを浴びてゆらゆらと釣り下がっている柿すだれはいかにも山里らしい良い風景です、これを約20日ぐらい乾燥すると白い粉をふいた飴色の美味しい串柿が出来ます。
  さぁ〜もう年末もすぐそこまで来ていますよ。
お雑煮
 もうすぐお正月ですね、そこでお雑煮のお話。
私達備後地方のお雑煮といえば、丸餅を別の鍋で煮たものを椀に入れて澄まし汁をいれ戴きます。
 汁のおだしは昆布だし、醤油のお澄ましです。
中の具はメーンが鰤です、鰤は甘辛く煮付けるか澄まし汁で煮るか各家庭で違う様です。

 軟らかいお餅を入れたお椀のなかに、形良く鰤、蛤を入れ青い野菜(ほうれん草、水菜、三つ葉など)と金時人参、大根そして彩りに蒲鉾を添えて上から汁を注げば出来あがりです。

 私の故郷倉敷辺りでは、昔は年の暮れになると29日を除いた日に各家庭でお餅つきをしたものです、
 私が小さかった頃、私の家は小さい子供もその日は朝早く起きて手伝います 、片栗粉を降ってある伸ばし板に祖母が搗き上がった餅を適当にちぎりその餅を家族全員でまるくまるく小餅に仕上げます。
 最後に鏡餅が出来あがったところで、搗き立ての餅を小豆餡やきな粉にまぶして食べます。
その時拍子木に切った大根の具の入ったお澄まし(けんちん汁と言っていました)のよく似合うこと・・・

 そして明ければ目出度いお正月となります。

 お雑煮くらい各地違った食べ方をするものはないと思います、京都では白味噌のお汁とやら、何と讃岐では丸餅の中に餡が入っているのをお雑煮にしますね・・何となんと。
 皆さんの地方ではどんなお雑煮ですか?。
清酒むらさめ
 昔は酒造業者に対しお上が造石税といって造った石数に対して税金をかけていたんです。役人が検査を済ましたあと業者は加水します。加水しただけ儲かりますものね。
 ですから出来るだけ多くの水を加えても薄くならないような酒を造ればこれまた儲けになる事です、この様な酒を玉の効く酒と言いいますが当時の事ゆえこの様な酒を造る杜氏が腕が良いとされていたと。

 そして卸問屋に行くわけですが、ここが又悪い利き酒をしてまたまた加水して小売屋に卸す。これで済めばいう事は無いんですがまたまたここでも玉割りして一般庶民に流れてくる・・

 昔は皆貧乏でしたから居酒屋で一杯飲むのが一番の楽しみ、酌婦を相手にグビグビと飲んで・・
酔った酔った〜と言いながら我が在所の村まで帰って・・・家に着いてふ〜うと言ったとたん・あらら〜、酒の酔いが覚めるという段取りになっています、何の事は無い、今飲んだ酒にも居酒屋が加水していたんですね。なんとなんと・・・

 むらさめ・村醒め・村雨・むらさめ、と言う事でした。じゃんじゃん!!

 江戸時代の酒は今と違ってかなり薄い酒を飲まされていたんですね、誤解の無い様に今は違いますからね。

 これをUPしましたら早速兵庫県のgotomaさんから次ぎの様なお話を頂きましたよ。

 昭和14年の師走ーーーー この時期に現れた「金魚酒」は、金魚が泳げるくらい薄い酒と消費者の怒りをかったものである。

 酒の中で泳ぐのはわしゃいやじゃ〜

 これに対して、大阪の酒問屋吉川商店の支配人が「自店の酒に割り水を指示した事はない」と世論に抗議の遺書を残して自殺するという悲劇も起きた。

 「金魚酒」の反乱は、酒類の生産統制が強められる一方販売統制が未着手であった一時期制度の不備につけ込んで大量の水を割る不心得な酒販業者の所業であったが、その引き金となった急激な減産は何故強行されなければならなかったのか。
 『朝日新聞』昭和14年11月10日付け記事・出所です
くぎ煮
 今日も暖かい日が続いている、庭の離宮桜も花びらを揺らし春を謳歌しているようだ。
現役時代大阪へ在住していた事がありますが、この時期になると明石の魚の棚に行っていかなごを買って来て妻がくぎ煮を作っていたのを思い出します。

 妻が今日は新鮮ないかなごがあったので買ってきたよと言って久し振りにくぎ煮を作っています。いやいや・・・これは嬉しいですね。今晩の酒の肴に久し振りに日本酒でもやりながら大阪の話でもしましょうか。



 いかなごを漁師さんが船からあげたものを一足でも早くと魚屋さんの店頭に持って行きます。待ってましたとばかりに私達お客は競って買い求めます。そして帰ったらすぐさっと釜揚げにして素早くくぎ煮にします。

 釜揚げのいかなご1kに対して醤油200〜300ml,粗目砂糖を同量に、味醂を適量、生姜、山椒の実などは途中で入れ、佃煮に煮付けます。
 ここで気を付けなければならないのは、途中で鍋の中をかき混ぜない事ですよ。

 出来あがったのが釘のような色と曲がったような所からでしょうか、くぎ煮と言われていますが・・。
関西特に明石地方の春の風物詩ですね。
藤戸饅頭
 今は倉敷市内や岡山でも何処でも求められますが昔は藤戸寺のすぐそばにある本家に行ってでないと求められなかった・・朝早く行きますとまだあったかいまんぢゅうが出てきます、あれが美味かったなァ。
  


 酒饅と言えば岡山の大手まんぢゅうが一番有名ですが、こちらは少し甘めがつよい野趣に富んだ風味は流石に老舗の味だなァと納得させられます。
 皆さん一度味比べをしてみて下さい。

 なんと中国5県で一番古い企業はこの藤戸饅頭のお店ですよ。なにせ創業が寿永3年といいますから(ちょっと調べてみましたよ)1184年ですよ、いまを遡ること819年ですよ。あの大手まんぢゅうでさえ天保8年(1837)ですよ〜、老舗とはこういうお店の事ですわ。

                                               

 源平合戦藤戸の渡しで命を失った浦人の霊を慰める為に藤戸寺へ供えたのが始まりですが元禄の頃まで境内で売っていたのを池田少将公入郡の時から浜辺に移されて今日に至っているそうですゥ。岡山あちこちの藤戸の浦1・2を是非ご覧下さい
 
生活習慣病
 23・29判りますか?、GOTとGPT、肝臓を計る現在の数値。107・5.5は血糖値とヘモグロビン糖尿を知る為の数値。何れも現在のものである。
これがなんと丁度一年前には信じられない高数値、GOT・GPTにいたっては三桁の数値であった。長年の不摂生な生活の為に何時の間にか生活習慣病になっていた。
 退職当時肝臓の薬は生涯飲まなければと先生に言い渡され毎日薬を飲み続けていた。
しかし、これとは別に何時も通っている病院の先生に相談と診断をして頂いた、するとこれまた糖尿の数値が高い事が判明する。
 ここで先生から治療のやり方を伝授される、・・この時点で薬を渡して経過を見るのも良いが渡しません、それより徹底した食餌療法をしましょう・・と。
 ここから栄養士さんの指導のもと徹底的な食餌療法をやる事になる。

 {一日1800calを守る事、バランスのとれた食品の組み合わせの献立。主食の量は決められた量を守る・主菜を決めたら野菜を忘れずとる・副菜、副々菜は野菜を中心にした料理を心がけましょう・間食は控えましょう・味付け、油などは計量をまめに計りましょう。}

 ここからは私からのお願い・・お酒は駄目ですか?、外食はだめ?・・先生曰く、kouitiさん口に入れるものは毒意外は何を食べても良いんですよ、酒を飲んだらその時の主食は控えること、外食したら暫く日常の食事でバランスを考えましょうねと・・
 
 やりましたよ、妻と一緒に奮闘が・・昨年2月から始めて半年でほぼ平常値に近づきました、昨年の秋頃は総てが平均値になるも年末年始頃が少し数値も上がっていましたが現在は上記の通り正常です。まったく薬を飲まないで健康体になるとは信じられない気持ちですが・・
 妻が日曜農園で栽培したウコンを粉にしてくれました毎日飲んでいますこれも少しは薬効があったのでしょうか?。良い先生と良き妻に守られて漸く健康体になったこの身体・自分だけの身体ではない。
ワニを食す
 ウサギは向うの島へ渡りたいと思った。
「ワニさんこの島にいるウサギとワニとどちらが多いだろうかね」「ワニが多いに決まっとるわい」
「それじゃ数えてみるからワニさんみんなを集めてあちらの島まで並んでごらん」 さて集まってきましたよワニさん  しめしめとウサギ 「じゃ数えるからね1,2,3,4・・・・・・・・」と背を飛び越えていきます、あと1歩のところで 「ワニさん、残念でした・・あんたは騙されたんだよ〜だ」  怒りましたねぇワニさん ウサギさんの皮を剥いでしまいましたよ。・・あと略・・
 皆さんよくご存知の因幡の白兎のお話・・・



ゴールデンウィークの5月3日。
 三次に着いたのが丁度夕方、ホテルから程近い地ビール工場へ・・
天井の高い工場風のレストラン、ピアノ生演奏は土曜日だけとやら残念・・・先ずはビールビール・・ティスト流に三種類のビールをゴックン、ゴックン、ゴックン・・やはり飲みつけたピルスナ−が飲みやすいですね、しかしデュンケルもうまいかったっですよ。

さてお待ちかねのワニ料理です・・
 先ずはワニのパルカッチョ、紅色で奇麗〜、肉質は柔らかく淡白ですね、うんいい、いいさっぱりとビールに合いますね。
 次はワニのステーキです、これは何となく鶏のササミに似た味ですね。ここはやはりワインといきましょう、妻と地元三次ワインで乾杯!!。

 海から遠い広島県北の三次、庄原などでは正月やお祭りには朝早くからワニの市が立つほど代表的な魚として好まれています。
 排尿器官が発達していないワニは尿素が肉に残り日保ちがよくなります、しかしだんだんアンモニア臭がしてきますがそれをおなかが冷えるほど食べるのがご馳走と言うから分からないものですね、随分昔比婆の料理屋さんで食した事がありますが何だか変な味がするものだと思っていましたが今では冷凍技術が進んで味もよくなっていましたね今晩の料理は美味かったですよ。
 刺身、湯びき、串焼き、なます、ぬたなど様々な料理でも楽しんでいるようです。
 そうそう忘れていました、ワニはフカの一種で鰐ざめの事です。
さよりの干物
 さすが大寒、毎日寒い日々が続きますね。 
昨日お隣さんからさよりの素干しが届きましたよ、奥様の実家が走島(鞆から沖へ遠く離れた小島です)の漁師さんですので干物に限らず煮干イリコや鮮魚など時期時期の海の幸をよく下さいます、有り難い事です。

 この時期になりますと鞆の港にはさよりが空にゆらゆら泳いでいるのに出合います、寒風にさらされると旨味が凝縮され本当に美味しい干物が出来あがります。



 「おくさん、さみいなぁ〜つめと〜て大変じゃろ〜」  「いやいや、に〜いちゃんこのさみ〜んが干物にゃぁええんで〜今朝とれたば〜の魚じゃけん特に美味しいで〜いっぺん食べた見られ〜」  「ほんならち〜と買うけん安うしとかれ〜」とかなんとかひやかしながら買い物を楽しみます。

 程よく塩味のきいた干物のさよりはかるく炙って食すれば酒量がまた増えます。すぐ食べるのなら天婦羅にしても美味しいですよ。
 ちなみに私は開いたサヨリよりまだ少し身のやわらかい素干しをかるく炙ったのが好みです、それも醤油などかけないで素のままで食しますが皆さんはどうですか?。
              
 


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