あとがき代わりにつれづれと。 (文:遠野樹氏)

 元々は「身内メンバーズ10周年に何かやりたいなー」という思いつきから始まったこの企画も、
これにてようやく終幕を迎えました。
途中執筆担当者が逃亡生活やってたり入院生活やってたりで無茶苦茶長く掛かってしまいましたが
何とかここまでこぎつけられまして、なかなか感慨深いものがあります。終わってみれば話の3分の2は
病室で書かれたという異常にいわくつきの代物になってしまいましたが…。
 しかし作者、これがあったお陰で色んな事を乗り越えられましたし(一時期マジでこれを書くためだけに
生きていた…)こんなお馬鹿な企画に乗ってくださった身内メンバーズ、読んでくださった皆様に
大変感謝しております。皆ありがとう!大好きだ!!

 さて、あとがき代わりということで、製作裏話やキャラ達に対するコメントなど、ちっと語ってみたいと思います。

■そもそも何故「時代物」だったのか?」

1.作者が好きだから
 活字中毒の私ですが(年間300冊位。漫画、雑誌、再読含めると1000冊超えるかも…)
江戸人情モノも好きジャンルのひとつでして。藤沢周平、宮部みゆき、宮本昌孝、山本周五郎などなど
諸先生方の著作を読み漁っております。つまり結構知っている
→面倒な下調べがあんまり必要ない。といういささかセコい考えがありました。それでも忘れてた事多いんで
資料はかなりの量になりましたが…。
ちなみに、時期は江戸中期・元禄の辺り。七代将軍家継(暴れん坊将軍のひとつ前)くらいを設定してます。
吉宗様は倹約令とか目明し禁止令、つまり岡引や下っ引を公的には廃止するなんつー事をしてくれたので、
そのちょっと前ですね。
お江戸に活気のある面白い時代です。まあ「なんちゃって時代劇」なので細かいツッコミは無しでお願いします…。

2.身内メンバーズがやった事無いジャンルだから。
 ファンタジー、近未来SF、アジアン、異星モノ等身内メンバーズたちは多様なモノカキ仲間ですが、
上手い事時代劇に手をつけた人はまだいないのですね。どうせやるならダブリ無しの新ジャンルを
やってみたかったのです。出演者達も髪や目の色で日本向けのキャラで違和感ない人も多かったし。
これならパクリ疑惑も無かろうよと思ったわけです。

3.キャラに着物を着せたかったから
 実はコレが一番大きな動機だったり。(笑)皆様イラストでは和風にしてくれたりもするけど、実際着物を着て
駆け回ってもらいたかったのです。
絵師のまつたけ様がとっても良い仕事してくださって皆似合う似合う。いやあ楽しかったこと!
本気でにやにやしながら書いておりましたよ。(不気味な…)本来刀を振るう時には襷掛けですが
んなもん無視無視。翻る袂に袴の裾に下駄の音にいちいち喜んでたのは私です。
 えげれす人にまで着せちゃってあーもう堪能させて頂きました。これは本当に楽しい作業でしただよ。
しかしちょんまげは禁止しましたがな。(笑)

■ちょこちょこ出てくるサブキャラについては?

 ここら辺になると完全に作者のお遊びです。例えば永庵先生の女弟子、お千ちゃん。
彼女はコウ様のところのミルドラ嬢です。ネーミングもミルドラ→ミリオンダラー→100万ドル→千がいっぱい、
てな付け方してますし。
他にも白尾屋番頭の武藤さん。これはまんま「ムトウさん」でまつたけさんちからゲールムントさんお借りしました。
あと、旦那が『桜』から銃を貰って最後の締めをするって案は最初からあったのですが、銃の名前「星砂(シンシア)」は
のひらさん宅のカンガルー、シンシアちゃん(らぶりー)から拝借させてもらってます。
 探せばこっそりあのキャラの名前が隠れてるかもしれませんぜ?(笑)

■執筆に当たってのポリシーは?

 とにかくハッピーエンド目指してれっつらごー!でした。人死にはなるべく出さない方向で。
謎も絡みつつ、でも基本は楽しくないとやってる意味が無いじゃないですか。と言うか作者の身辺状況、精神状態が
ドン底の時もあったので、せめてこれ書いてる時は楽しんじゃおう!という個人的欲求も入ってます。
皆様一緒に楽しめる作品を心がけたつもりなので、少しでも「楽しい」と思って頂けたら幸せです。
 いや本当、作者これに救われましたんで。(洒落にならん)

■キャラ別コメントを述べてみよう

 身内メンバーズの持ちキャラをお借りするのは楽しさ半分、「イメージ崩すんじゃ…」という不安半分で
ドキドキものでしたが、ここからは登場人物一人一人に付いて語ってみたいと思います。
ネーミングは作者様と相談のうえ決めさせて頂きました。

☆From松竹梅恵様

□白尾莞(元キャラ:イザーク)

 ちょっぴり人生投げ出し気味の裏稼業あり薬種問屋の旦那さん。名前は「イザーク」が「微笑みの子」という
意味なので「にっこり笑う」と言う意味の莞という字をあててくださいました。店の屋号はオジロワシの歌から白尾屋に。
本来は町人だから苗字は無いんですがまあ便宜上。
 難しかったですね−この人。何考えてるか腹の内が読めない。思い詰めると暴走型で一人で片を付けようとする
癖があるんでラストには総大将のくせに自ら敵地に登場しちゃいましたよ。元々人気の高いキャラだけに扱いにも
一層気を使いましたが、最終的にはいろいろ吹っ切れて未来を見れるようになったかな、と。
 紅華さんとのエピソードは本編との絡みも合って非常に楽しかったです。悲恋モノですが…。
ちなみに莞、と言う名前はちと町人には相応しくないんで、勝手にもともとは医者の息子だったというエピソードを
付け加えさせてもらいました。
そのまま医者になってたとしても評判は良かったと思います。現状に満足しているのでまあそれはいいかなと。
しかし白尾屋の跡取問題はどうするつもりなんでしょう…。

□犬坂剣介(元キャラ:エスタス)

 貧乏侍の三男坊、養子の口も無く自分の食い扶持は自分で稼がにゃーということで白尾屋に雇われています。
名前はケルベロスから犬坂、武器(ボーンブレイカー)から剣介、ということです。
周囲には「犬の字」と呼ばれておるようです。主に重さんから。
 基本的にお人好しで面倒見が良い為、透を拾ってきました。最終的にはすっかり懐かれて「優しいお兄ちゃん」を
自ら任じる事に。本人同士満足しているようなのでこれでいいかって感じですね。
大層動かしやすいキャラで楽しんで書かせて頂きました。手間の掛かる人の面倒を見るのが好きって事なので、
これからも透を可愛がってくれるでしょう。仲良くやってくれ。
 ボーンブレイカーのイメージを壊したくなかったので、彼の得物は幅広段平刀です。流行遅れも何のその。
表に裏に、白尾屋にとって重要な人物には間違いありません。目を離すとすぐに無茶する人が二人になったので
この先大変そうですが、それも含めて人生楽しそうですね。
とにかく大好きなキャラになりました。本編での更なる活躍を期待します。

□重八房(元キャラ:ダブルゼル)

 剣介と似たような理由で白尾屋に勤めていますが腕が立つので「裏」の仕事の方が多い模様。強いです。
名前は「ダブル」から重、ケイナインから犬関連で、南総里見八犬伝のお犬様(敵陣に乗り込んで将の首を獲り、
念力で伏姫を妊娠させてしかも八個の宝玉を産ませたとゆーある意味最強のお犬様だ)八房です。
 とにかく難しかったですこの人。あんまり喋らんしそのくせ存在感は滅茶苦茶あるし強いから見せ場も作りたいし
あわあわ。必死に「格好良く!渋く!」と唱えながら書かせて頂きました。(マジです)
「鬼の重親分」は剣介が影で言ってるのが広まったのかも。(笑)本編での位置関係は社長と対等、どころか
ちょっと命令形なので、旦那に対して敬語を使う度に「うーむ…?」と思ってましたがどうにかなるものですね。
赤毛も元々。なんだか出番が少なかった気がするのが心残りです。
もっとガンガンに活躍させたかったなあ…。

□白尾紅華(元キャラ:ヴェロニカ)

 こ、この人に関してはごめんなさいとスライディング土下座しなきゃならんような目に遭わせてしまいました…。
あわわ。名前は下の名の響きと華やかなイメージから。
色んな意味で旦那の人生を決定付けた人ですね。本編ではかなりはっちゃけた性格の御人だそうですが、
白尾屋で平穏無事に暮らしてた頃はそれこそ莞を引っ張り回す活発美人さんだった事でしょう。
くッもっとイチャイチャさせたかった…。
 不幸のズン底にしてしまいましたが最期は莞の元で。悲恋モノはやっぱり書いてる人間も悲しくなりますね…。

☆From高月天様

□篠宮花雪(元キャラ:天蓮)

 押しも押されぬメインヒロイン。箱入り世間知らずのお嬢様でしたがちょっとは成長できたでしょうか。
名前はとにかく高貴なイメージで篠宮、北国の花の感じから花雪、だそうです。
大和屋での「お花ちゃん」は愛称って事で。まさかおかゆちゃんとは呼べない…。(笑)
貴乃っちとの絡みに付いては結構気を遣いました。何しろ「小さな恋のメロディ(爆)」を書いた事が無かったので、
意地っ張り二人がどう心を開いていくかこっちとして難しいったらもーという状態でした。
が、着々と外堀は埋まりつつあるようです。(笑)
 彼女が行動を起こさない事にはこの物語自体が始まらんので、冒頭から酷な体験をしてもらう事になりまして可哀想。
ちなみに「彼」のモデルはいません。身内メンバーズのキャラって基本的に命根性がしっかりしとるので阿片くらいじゃ
腹切ってくれそうにないんだよな…。
 可愛い娘さんを書くのは楽しかったです。お空ちゃんと姉妹みたい(どちらが姉かは置いとくとして)で可愛さ二乗。
うーんらぶりーだ。さてはて、これからも別嬪さんで頑張っていってください。ところで作中髪型はツインテールでしたが、
島田髷とかも出来そうですね。しかし髷を結うと後頭部がハゲるらしい…。
ゆえにこの時代の女性は皆頭の一部がハゲだったというどうでもいいトリビア。

□篠宮喬哉(元キャラ:零刃)

 出番の少なさの割にインパクトあるよな…。最初と最後にちらっと顔見せしただけだとゆーのに。
名前は高月さんが付けてくれたのをそのまんま。似合ってると思います。
怜悧で時に冷血とも呼べる性格ですが、全ては家名を守るため。ある意味とっても武士らしい武士。
三条殿と打ち解ける事はきっと一生無いでしょう。(笑)
 妹にも甘えは許してませんが実は心中ではとても大事に思ってて、結構なシスコンなんだよきっと。
屋敷を飛び出した花雪嬢には最初っから見張りが付いていた事でしょう。この見張りにのひらさん宅のシラ君
引っ張ってこようかとも思ってたんですが話上余分なエピソードになるので却下。ごめんよシラ君。
ところでこの人若くして家督を譲られてますが北の方はどないになっとんでしょ。なまなかな相手じゃ務まらんよな
この人の奥さんは…。
謎が謎呼ぶミステリーの中、今日も冷徹なお兄様はしっかりと働きまくっているのでありました。

□桐原芳巳(元キャラ:桐巳)

 苦労人。(きっぱり) なまじ仕事が出来るため他人様の分まで回ってきてしまう貧乏クジの勘定方です。
名前は姓と名で一字ずつ分けて、雰囲気重視で決めました。
忙しくて頭痛はしても胃痛はしない頑丈な胃袋の持ち主だそうです。(笑)
 彼は最初に卿にまるめ込まれて「芳巳フィルター」で尊敬しておりましたが、発覚してからははっきりざっくり
切り捨てましたねー。問い詰め方に容赦がありません。ここいら辺も原作者様の意向に沿わせて頂きました。
イメージ通りに書けたかどうか不安です…。誠司と割に仲良しさんですが、普通にしてりゃ接点無かったでしょうねえ。
目を付けられたのが運の尽きと諦めて腐れ縁を継続してやってください。(ぺこり)
 ラストで大出世遂げてますが更に多忙になる事は火を見るよりも明らかですなあ…頑張ってくれとしか
言い様が無いわ、本当。もうちょっと出番増やして活躍させたかったです。書いてて楽しい人でした。

□永庵(元キャラ:永泉)

 街のお医者さん。厄介な事情がありそうでもとりあえずは治療してあとは口を挟まないのがスタンスです。
名前はまんま「庵を付けると医者っぽい」というところから来てます。
 蘭学も修めてるし腕は相当良いでしょう。白尾屋のかかりつけ医みたいになってますが旦那にとっての
キーパーソンになりましたね。深い台詞が多いったら。洞察力に優れているのでしょう。人間的な器も広そうですし。
心中密かに「タンポポのよーな人(訳・根っこの深さが1m)」だと思っております。(笑)治る気のある患者なら
救うけどそうじゃない人は冷たくあしらいそうですな…。原作者様によると過去に恋人を辻斬りに殺された事件が
あったとか無かったとか色々と複雑だそうです。
とりあえず今後も白尾屋メンバーをよろしくお願い致します。

□刀華斎(元キャラ:華水)

 鬼畜さん。ヤクザの頭領。気に入らなけりゃ−バッサリ斬り捨て。怖。名前は元の感じを一字にいかにも
人斬りらしいイメージで私が決めさせて頂きました。通り名ですけどね。
 彼については「出しちゃいましたよ出しちゃいましたよ出しちゃいましたが何か?」という開き直りとも呼べる
態度で書かせて頂きました。あはは悪役だわー。ちなみに洛水華厳流なんて流派は完全創作です。
愛刀の虎徹が血を吸いすぎて妖刀になってるってのもイメージ最優先です。でも刀に魅入られるのではなく
あくまで自分の意志で使ってるのが彼の彼たる所以なのです。
上手い事冷酷無慈悲な狂気っぷりが出せたかどうかドキドキ…なんて書くと私は一体彼を何だと思っているんだか。(笑)
 とにかく戦い好きで血を見るのが大好きって感じですね。カリスマ性はあるのでしょうがこんな人が頭目にいる
組織には絶対属したくないです…。いつ斬られるやらびくびくしてないといけないではないですか。
(そして私は真っ先に刀の錆になるタイプだ)
愛刀は折れてしまいましたがいつか必ず復活するよこの人。…あな恐ろし。

☆Fromのひら真様

□お空(元キャラ:ソラ・ハルカ)

 お元気パワフル町娘。名前はそのまんま漢字に変えて使用です。本当はハルカの方が名前なんですが、
本編中呼ばれた事が無い上にお江戸らしく「お」を付けたら「おはるか」…?てことでお空ちゃんです。
 とにかく元気元気!なキャラなので登場するだけで場面の雰囲気がらっと変わりますね。明るい明るい。
シリアス場面も何のその、重い空気を振り払ってくれる貴重な子です。数少ない女性キャラだしね!
まだ色気は無いけれども!お栄、花雪(店ではお花)と共に大和屋の様子を書くのはものすごい楽しかったです。
しかしよく考えりゃのっけから命の危険に遭ってるんだよなこの子…たくましいなあ。からくり大好きは父の血で、
いずれは女からくり師として江戸の街の名物になるのかも知れません。
やたらと書くのが楽しい子でした。可愛いしムードメイカーだし。うーん好きだ。
そして彼女は今日も元気に働き続けるのでした。まる。

□大沢源五郎(元キャラ:大沢ゲンゴロウ)

 ろ、浪人似合うなこの人。(笑)名前はそのまんまで使用です。
ちょっともっさりしたイメージとか何とかこう、全身から溢れる浪人感がたまらんですよ。(意味不明)
でも意外と腕は立つという設定です。もっと活躍させたかったなあ。プロット段階で腰の日本が竹光であるという
悲惨なネタがあったりしましたがそこまで生活困窮してたらからくりやらお空ちゃんやらにかかずらっている
場合じゃなかろうよということで普通の浪人さんになりました。
 長屋住まいも長いですが、今んとこ日々がそれなりに楽しいので強いて仕官しようというような意志は
無いようです。でも毎日大和屋の残り物は持って帰る。(笑)割と口の重いキャラなので、会議風景になると
少々存在感が薄くなってしまったのが寂しいところでした。もっと喋ってくれー。

□お栄(共キャラ:栄子・ウメザワ)

 はっちゃけ茶店の女主人。名前は変えようがありません。
旦那様も息子さんもちゃんといらっしゃいますよ。猿坊さんに最初に店の改造頼んだある意味勇者。
何があってもどーんと受け止めて笑ってる懐の広いおばちゃんです。勿論団子の味も保証付き。
書きながら大和屋が実在したら通い詰めるな私…と作者自身が思ってました。我ながら好きな店です。
からくり含めて働いても客になっても楽しそう。いいなあ。
 お空が大和屋で働き始めた当初の事とか考えてみても面白いかも。
実は花雪が街中に出るにあたって拠点となる場所が必要になり、苦し紛れに捻り出した茶店なんですが
思いの外上手くいって内心ホクホクです。(笑)なれるもんならこんな人になりたいですよ。

□猿坊(元キャラ:サルボン)

 飾り職人が本業でからくり作りは趣味のはずなんですがすっかり立場逆転してる気がしますよ。(笑)
名前とからくりのみの登場で本人が本編中に一度も出てこないのは作者の力量不足のせいです。
はっきり言うとこの人を書ける気がしなかった…。
やはりのひら様のハイパーな感性の中でしか動かせないキャラだよ。その代わりからくりを考えるのは
非常に楽しかったです。お空にロケットパンチ装着させるなんて案もあったのですよ実は。
私はとにかく数学と図工が苦手で雑誌の付録すら組み立てられない人間なので、理数系、特に物理工学に
強い人は無条件で尊敬の対象です。どんな頭があったら作れるんだからくりとかロケットとか…。
 猿坊は通称で本名ちゃんとあるはずなんですが考えてません。あくまで猿坊さんで。
娘も父の本名を知らないんじゃないのかもしかして。(笑)

☆Fromコウ様

□葉瀬貴乃(元キャラ:ディバルト・ハイン・ライネール)

 奔放な上司に引っ張り回される気の毒な同心さん。名前については一任されてしまったので、
王族だからの貴の字に、元の苗字から一音取って葉の字を当てました。
 王子様なのにすっかり敬語キャラになってしまって申し訳ない。でも将来はズドンと出世する予定なんで
許してください。花雪のことは最初「何だこの甘ったれた女は!」だったのが段々と「仕方無いですねえもう」と
いった雰囲気になるよう持っていったつもりなんですが成功したのかどうか…。
剣も頭も非常に切れる人なんですが、現在の自分の立場を考慮して目立つのは自粛してます。
地方警察に預けられたキャリア組ってとこですね。(笑)上司がアレなんで今後もしばらくは苦労が続きそうですが
頑張ってください。(としか言えない)正義感の強い青少年を書くのは大変楽しかったです。「青いのう、フッ」とか
思いつつ書いてる私は所詮汚れた人間です。
結構動かしやすかったのが意外といえば意外な人でした。

□三条俊成(元キャラ:ジェイラス・キーン・フレイザー)

 ラスボス。なんですよラスボス。名前はまつたけ様と相談のうえ、身内ネタの三条に成り上がってねーという
意味を込めて俊成。成の字似合いすぎ。(笑)
 とにかくどうしても「卿」と呼ばせたかったので、元はお公家様だった事にしましたが、結果的にそれが
良い方へ転がって上手いこと犯行の動機とかとリンクしてくれたので万々歳です。
毎日精神的に苛められてりゃ−そりゃー歪むよ。(笑)
 でも頭いいけどちょっとだけ情けない復讐法というのが本編の彼を反映しています。(ひどい)
滅茶苦茶頭が良くって仕事も出来る能吏です。ゆえにどんどん出世していくですね。全部実力です。
本編では武の方も達人なんですが今回は文の人として登場してもらいました。ラストで銃まで持ち出してあらまあ。
公の裁きは受けませんでしたが、実はその方がキツイかもしれませんね。しかしこれからもしっかり働いて稼いで
くれるでしょう。あれだけの書き方しといて難ですが、私はこの人を「悪人」だとは思ってないです。
善人だとも思ってませんが。あくまで「悪役」ってことで。
 将来どこまで上り詰めてくれるか楽しみです。

☆From遠野樹

□青城誠司(元キャラ:サイアナーグ・フォルディーア)

 顔が広くて融通が利いて頼りになる与力の兄ちゃん。
名前は元キャラが青竜城の第3皇子なので青城、誠司は性格です。「あおしろ」と読むのが普通ですが
語感を意識して「あおき」で。
 普段はどーんとしてますがたまに暴走します。話の都合と立場上登場回数多いですね。
やはり自分ちのキャラなので動かしやすかったです。
莞とは一回りくらい歳が離れてますが仲良しさんですね。「大人」の部分と「子供」の部分を上手く両立した
人物ではあります。作中にもある通り武術全般の達人なので、総合戦闘力は恐らくお江戸イチです。
刀華斎との乱闘は楽しかった…。だが見逃しちゃあ駄目だろうよ公僕。
ちなみに彼の許婚は月詠神宮のケタ外れの力を持った巫女さんで悠月(ゆつき)という名前です。
これは完璧身内ネタなんで分かる人は笑ってやってください。
しかし喬哉兄様の前でノロけるとはいい度胸だな。(笑)

□透(元キャラ:由魏透亜(ゆぎ・とうあ))

 謎だらけ拾われ少年実は密偵でも裏切り。どんな物語においても必ず不幸を背負ってしまう
全国不幸自慢大会上位入賞者。名前は本名の一字から。「ゆき」だと花雪と被るんで悩んだんですが
ストレートに「とおる」にすると雰囲気が合わなかったのでこの名前になりました。
本名の苗字が「ゆぎ」だし…。(シャレかい)
 とにかく感情が未発達なので子供です。白尾屋メンバーズには既にペット扱いですね。(笑)
実はコイツをどれだけ可愛く書けるかに執念を燃やしていました。(笑)剣介、莞にはすっかり懐いてますねー。
流石は犬の字よく手懐けた。作中には出しませんでしたが色々と叩き込まれてるので歌舞音曲、料理裁縫から
戦闘まで激しく多才です。三味線弾いて歌って踊れるぞ。無表情だけど。
 卿を裏切るにあたって、とにかくそれまでに自我を目覚めさせないといけなかったので剣介と莞に
滅茶苦茶世話焼かれてますな。羨ましい。(笑)瞳が紅いのは元キャラがそうだからなのですが、
今回は永庵先生がきちんと病気として解説してくれました。実際にこんな症状があるのかは知りませんが…。
(調べろよ)免疫力が低いって設定です。だからすぐ病気になるし回復も遅い。大人しくしとればまだ違うっちゅーのに
あっちこっちスパイ活動すんなよ…。ネタ帳にある「虚弱な忍者」の一言が笑えます。
最早私はこいつを人間ではなく猫だと思って書いてました。いやあ楽しかった。
自分とこのキャラながら好きな奴なのです。

□『桜』(元キャラ:瀬那桜里(せな・おうり))

 怪しいえげれす人の密貿商人。なのに妙に義理堅い。関西弁は元キャラのままです。
名前も元キャラから引っ張ってきましたがあくまで「さくら」であって「おう」ではないです。
いちいちカギ括弧付けるのがちょっと面倒臭かった、かも。
 世界中でお仕事してるんで8ヶ国語ぐらいはゆうに話せるんです実は。彼が密輸に手を染めたのは、
国王家の荷を積んだ父親の船が嵐で沈没してしまい、若くして会社を継いだけど借金だらけでまともに
首が回らなくなっていた、という裏設定があったりします。とにかく「ヤバいことやってるけど一本筋が通ってる」
キャラにしようと心掛けてました。
武器、麻薬の類は一切扱わず、主に紅茶だの高級な骨董だの白尾屋には薬だの、を主力商品にしています。
しかしよく考えれば貿易会社の社長が自ら船に乗り込んで外国行ったり来たりって相当変わり者だよな…。
きっと本社には優秀な留守居役がいるに違いない。
見せ場は少ないですが影で色々暗躍してそう…。金髪美人さんなので登場すると一気に画面のキラキラ度が
上がるのが個人的には楽しかったです。(笑)

□甚衛(元キャラ:グライダール・ラルヴァ)
 乱暴者だが頼りにはなる岡引の親分さん。名前は元キャラが神官さんなので「神を守る」→「神衛」で
漢字変えて「甚衛」です。名前じゃなくて職業から付けたってのもよく考えれば珍しいかも。
 お空と源五郎が騒ぎに巻き込まれるにあたり、どうしても岡引が必要になってきたんで周囲見回して
無理やり連行してきたんですが意外にハマってあらびっくり。
しかし被疑者の脳天にカカト落としは無かろうよ…。(笑)現代なら一発で訴えられますがな。
話が中盤に入るにつれて登場しなくなる端役っちゃ端役なんですが結構お気に入りの豪放磊落親父に
なってくれました。
 こんな人ですが実は愛妻家で恐妻家で尻に敷かれているというどうでもいい裏設定が。
岡引の妻なんて他に仕事してないと生活できないんで一家の大黒柱は奥さん、とゆーのがお江戸のルール
だったようです。内弁慶ならぬ外弁慶ですねこうなると。(笑)


 おわりに。
さて、こんなとこまで読んでくださる方が果たして何名様いらっしゃるかは謎ですが、
もう一度改めて感謝の意を。お馬鹿企画に乗って快くキャラ達をお貸しくださった身内メンバーズ、
私がHPを持ってない為発表の場を与えてくださったスーパー恩人高月様、
見事に華麗なイラストで物語り、キャラたちに「生命」を与えてくださった絵師まつたけ様、
作者が逃亡やら入院やらしとる間に気長に待ってくださった皆様、そしてこのお話を読んでくださった全ての方々、
本っ当ーにありがとうございました!!
 書き手自信が一番楽しんでましたが、皆様にも少しでも楽しんでいただけてたらこれに勝る喜びはありません。
最後は私の大好きな言葉で締めくくりたいと思います。では!
I wisf every happiness with you forever!
この世界の全ての幸福があなたに降り注ぎますように。


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