砂の上で私は考える。

詩は言葉によってなるものか。

えがかれるものは、何になるのか。

夏は今、私の中でしなびていく。

机の抽出の中で、いくつもの過ごした夏が次の夏を待つ。

詩は言葉によってなるものか、そして私の

詩は何をえがこうとするのか。

言葉はだれによって語られているのか。

瀬戸物の中に盛られた砂の上で、

飛びこんでくる植物の種子を、過去の夏が眠たげな片目をあけて、待つ。


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