旅する種子

(植物的旅生活)

(WALKING PLANTS)

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『旅に関する詩』 (1998)
「女郎花のはな、摘むことを思うこともなく」
「許された生き方があるかのように爪先をととのえるあなた」
「低い空から降りてくるものを、私は『精霊』と名づける」
「あたらしい日がどこかにあるわけではないが、もう一度旅に関する詩を書こうと思う」
「古い箸の片割れを、昔の庭の隅から掘り起こした」
「あなた、明日、あたしと、値ある、宝物の会話を、大切に交わしましょうか?」
「静かな時、もとからあり得ない関係を」

『植物に関する10の詩』 (1999)
「砂の上で私は考える」
「熱い日、あきらめた日、あなたといた日」
「(変形された?)名詞でしか、何も語れない私たち」
「大好きなあなた。と、手をとって踊る。」
「迷い子にとって、『ホームタウン』とは何だろう。」
「老木を見たいと思った」
「待ちつづけていた一九七〇年の雨。」
「力のない私たちとしては」
「待つこと、その時が何度か訪れるだろう」
「たとえばここに私の一つの思いがある。」
「未来に向かってのネットワークをわたしたちは持たない」

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