力のない私たちとしては、

日の長くないうちに取り込まねばならない

爪先から噴き上げるあの頃のことと、

守ることのない約束を

問題のない一日を、小さな瞳に映したこと

願いはかなえられることも水面に映えることもないが

夏、

私たちに与えられたのは、ほんの最後の夏のひととき

殖えていく時間の置き場所を考えて、でも、

平気な表情をしていなければならない、そんな時間


 

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