あたらしい日がどこかにあるわけではないが、もう一度旅に関する詩を書こうと思う
タイガの上を飛んでいく鳥たちの影を、上から、下から、私は見つづけた
いかなる風も彼らをはばみそうもなかったが、じっさいは多くの雲が彼らの羽を重くした
永遠という言葉を、私たちが見つけたのはそんな時かもしれない
二人の上をまばらな影が横切り、足もとでは小さな生命たちが呼吸を繰り返す
もう一度旅に関する詩を書こうと思う
鴎がゆるやかな羽ばたきでただよう海浜のことや
目ざとい猫たちの暮らす街角におおいかぶさる闇夜のことや


口元からこぼれ出ることばは、しかし、私の何をかたちづくるのだろうか
近づいて見ようとするとき、それらは、私たちの何になるのだろうか

 


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