古い箸の片割れを、昔の庭の隅から掘り起こした
篠竹の風吹く音が、どこからとなく聞こえる午餐の後
塩辛い口を漱ぐために、私は縁側を降りた
煤けた思いが寝覚めの時から揺り起こし、また沈静し
再び眠りへと道を辿り、しかし、阻害され
ややあっての後、顔を洗い、手を拭った
あの時だったのだろう、私が手順を狂わせたのは
側から息遣いが消え、松の葉の香りが音を立てて崩れたのは
背中は潜水し、もう二度と視界に現れることはなく、
ほんの少しの思いつきで、私は土を掘り返した、それは素手で



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