女郎花のはな、摘むことを思うこともなく
未開な道の向こうにゆれる風のような姿を見ていた
この夜へむかう足どりはしだいに速く
揺れることを思う花を思い
いそぐ足もとは埋もれた小石を踏みしだき


嫉み、そのもとは私にある
かくれた小石に足を痛めるように私は傷める
根の浅いその石が、私のみる目を傷める
白い風が吹いたと思ったとき、私は掌の中の空間を
また、掌の肉を突き破るように風に吹かせる

 


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