NURSE SIDE B

● 時間外診療 ●

   診察時間外の患者さんで(?)と思った事を・・・。

<其の1>   医師:「どうしましたか?」
  患者さん:「昨日から、なんだか頭が痛いなーと思ってたんですけど。」
   医師:「はい。それで?」
  患者さん:「今日も仕事に行ったんですけど、やっぱり痛くて」
   医師:「はい、はい」
  患者さん:「風邪ひいたみたいなんですけど、一応お風呂に入ったら
        なんか、熱出てきたみたいなんで〜、診てもらおうと思って。」

* * * そう思ったんなら、お風呂入らないで時間内においでよ〜* * *

<其の2>  医師:「どうしましたか?」
子供の親:「この子が飼い犬に腕を噛まれまして。」
 医師:「看護婦さーん、傷を洗いましょう。」
子供の親:「先生、風邪気味なんで私も薬がほしいんで診てもらいたいんですが。」
 医師:「いいですよ。看護婦さーん、お父さんのカルテを作ってきて―。」
子供の親:「ああ、それと。うちの家内も頭痛持ちなんで、薬も一緒に貰いたいんです。」
医師:「看護婦さーん」

* * *ここは「薬屋」じゃない!!本当の目的は、なんなんだよー!* * *

<其の3> 医師: 「どうしました?」
患者さん:   「この前ムチウチで入院してた者ですけど、退院してからもやっぱり調子が悪くってね〜。」
    医師: 「それで?」
患者さん:   「痛いんで、点滴してほしいんですよ〜。」
    医師: 「看護婦さーん、点滴してあげてー。」
+++++++++++++ 《 2時間後 》 +++++++++++++
    医師: 「じゃあ、気をつけて帰ってくださいね。」
患者さん:   「先生、もう夜も遅いんで、一泊入院させてもらえませんかね〜。」
    医師: 「????」

* * * ここは「ホテル」じゃ、ありませんったら〜! * * *

<其の4>
   有る、『雪』がチラツク寒い夜24時頃、一本の外線電話が入った。
「胸が苦しいんで診て貰いたい。」
しかもその人(70歳代 男性)は、自転車で来ると言う。

それから10分後外来に来たその人は、EKG(心電図)を撮ったが「異常なし」とでた。
  Drとしては「胸苦」という事実があるから、後日検査を勧めた。
「前もこんな事があって検査したが、結局解からんかったから、もう検査しない。」と言う。
「風邪気味だから、その薬だけくれ。もう帰る。」と、
その人は自転車で帰ったが、それから10分後「やっぱり胸が苦しい」「寒いしこれじゃー帰れんわー」と言う。
Drは「それじゃ―このまま入院したら?」と勧め始めると「やっぱり良くなったし帰る」と言って聞かない。
  結局、胸にニトロダ―ムテープ(狭心症治療貼付剤)を貼って、雪のちらつく中その人はチャリンコで暗闇に消えていった。
その後姿を見送りながらDrはボソッと言った。
  「今度また来たら入院させましょう。めんどくさいから。」

   私も、そうおもった・・・。

<其の5>
EDrは糖尿病が専門の先生なんですが、診療内科系も得意なんじゃないか?という位患者さんの話をよく聞いて診察されるので感心する事もあるんですが…。

 深夜2時、風邪症状を訴えて外来に患者さん(30代女性)が来られた。
熱を測ってみると38.6℃。1週間前から○○医院で薬を貰って飲んでいたが、朝で無くなったし咳で寝られないので薬が欲しいとのこと。 また、この患者さん、自分の病歴まで延々話し出した。
 静かに話を聞いていたEDr。突然、「で、こんな時間にくる理由、あなたは一番どうして欲しいんですか?」  
「あ、咳で寝られないのでお薬を…。」
 それからEDrの説教のような説明が始まった。
「あなたが一体どんな薬を飲んでいてまだこの状態が続いているのか解らないし、こんな時間では検査も出来ず出せる薬も限られてしまう。薬は一回飲んだらスパッと効くものではない。 ○○医院の先生も、効き方をみている状況なのに効かないからと言って転院ばかりしていては治るものも治らない。とりあえず2日分出すから月曜日にここでもいい、○○医院でもいいから行ってください。云々」
 患者さんは38.6℃と咳で苦しいだろうに、早く薬が欲しいだろうに、説明に怒る事もなく最後はまんまと丸め込まれ納得。 ここまでにすでに30分は経過。(私は病棟で約30人の患者をほったらかしている事になる…) それから聴診、薬の説明と続き、患者さんが帰ってのはもう3時頃だった。  
「困った人だ。」とDrは呟いたが、私は心の中で「あんたも話が長いんだよー!」と叫んだのは言うまでもない。

   
● 愛すべきナース達 ●

   以前勤めていた「整形外科病院」は、土日祭日以外は毎日何件かのOPがあり 忙しいところでした。
入院当日OP、緊急OPなんてざらで、次々こなして行かなければ間に合わない。
○好ナース(元SPEEDの島袋寛子に似ている)は学生のときからずっと勤めているベテランナース。
何でも進んで仕事をし、思いやりのある素敵なナース。   でも、チョッとおっちょこちょい。
ある日のOP出し準備中、エラスター留置に時間がかかった。18G(針の太さ)を入れるため、血管の出ない患者さんの時は苦労するのよね。
時間は迫っている為、かなり焦っていたらしい。  やっと血管を「ゲット」して内針をぬいて、テープで固定して「やれやれ」と自分の足元を見たらかなりの流血!
「何で、自分の足から血が出んの????」
    なんと、抜いた内針が見事自分の足背の静脈に「ゲット」していたそうな。
  愛すべき○好ナースであります。


● 母は強し? ●

   昨年「鳥取西部大地震」がありましたね。
わが町「岡山」でも、震度5という事でかなり揺れました。
その時間詰所は「早ご飯(11:30〜12:30までの休憩組)」が、昼食後の歯磨きをしていたそうです。
そんな時に揺れたもんだからかなりのパニック状態!
「キャー、地震じゃー」「怖い―」などなど・・・。
そんな中、○西ナース(30才代3人の子持ち)は、シャカシャカ歯を磨きながら、ゆらゆら揺れる本棚を片手で押さえていたんだそうな。
   私はその日はお休みだったので、この出来事は後日聞いたのですが
「○西さん、やっぱ母は強って感じで、堂々としてた」 と、若いナースを感心させていました。


● 家族 ●

     入院患者のAさんは、交通事故による受傷Ope後で、リハビリ目的の為名古屋の某大病院から転院して来られた方。
「頭蓋骨骨折」による「外傷性痴呆」が原因で思うようにリハビリが進まなかったとの事。
かなり人格の荒廃も見られたが以前のような「気の強さ」はなく、とても穏やかな口調の方。
右下肢筋力低下の為足元が不安定にもかかわらず、ふらふらと・・・ごそごそと・・・。
そして、入院して2〜3日後、車椅子から立ち上がり損ねて転倒。顔面打撲・・・。
それを聞いた家族は「どうして、紐で縛ってくれなかったんですか??」
   確かに「看護添書」には、抑制の事が書いてあった。でも・・・。
「転ぶ位なら、縛っておいてくれた方がいい」とも言われる。
そりゃー転倒して「骨折」なんて事になる位ならとは思うけれど、そんな家族の言葉に納得できなかった私。
家族の方は「こんな病院じゃあ駄目だから、もっと大きな病院を探します!」と言って、自力であちこち探されていたけど、急性期でもなく「外傷性痴呆」がネックとなって転院先が無い状態。
先日Drに「結局、こちらの病院で見てもらうしかないんでお願いします。」と言って来られたらしい。

それでも、私の中のもやもやは、晴れる筈もなく・・・。 空しさだけが残る出来事でありました。