第一章「発生する条件」


木を直す稔之と写真構成を考える綾香


●(挿絵4)

稔之は綾香が汗を拭っている間に、
スコップを手に取り、穴を掘り始めた。
綾香の時ではほどんど掘れなかった部分が、
すぐに取り除かれていく。
今までの作業は一体なんだったの?ってな感じで、
抜かれた木と同じ数の穴があっと言う間に出来ていく。
綾香はその穴に木を入れていく。
自分が納得するまで、何度も木を回して向きを考えていた。

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手を見る綾香


●(挿絵5)

今まで本に夢中で気が付かなかったのだが、
自分の手の平にマメが出来ているのに気がついた。
・・思ったより大変な作業だったんだ。。
直している間は、元の空間に戻したくて必死だったのだが。
・・関谷君(綾香は稔之の事をこう呼ぶ)に迷惑かけちゃったな。。

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映画券を受け取り、家を出る稔之


●(挿絵6)


「こっちこそ、券ありがとう。
近い内に行ってくるよ。それじゃあ、行ってくる」

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